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閲覧数順 2016年12月10日更新

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日経記事;キヤノン,コスト3000億円削減 円高対応で に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月13日付の日経新聞に、『キヤノン、コスト3000億円削減 円高対応で』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『キヤノンは円高や競争激化に対応して抜本的な合理化に取り組む。日米欧の工場自動化や国内工場の生産効率化などで、2015年12月期までに3千億円以上のコストを削減、売上高に占める原価の比率を過去最低水準まで引き下げる方針だ。
新興国での販売増やコスト削減をテコに、15年12月期に連結純利益5千億円(前期比2倍)を目指す。

コスト削減の柱は事務機用トナー工場の自動化だ。大分県のトナー工場では従業員の代わりにロボットを使った自動化を進めてきたが、この取り組みを欧米にも拡大。

事務機用トナーの世界全体の自動化比率を現在の7~8割から5年後には9割程度へ高める計画。トナーなどの消耗品は生産量が多いため、自動化による収益貢献が大きい。

米国ではバージニア州にあるトナー工場でロボットを活用し生産速度の向上と労務費の削減につなげる。現在、自動化の生産ラインは3つだが、これを中期的に10程度まで増やすもよう。
日本では大分工場で自動化を始めてから約6年がたち、歩留まり率が改善し採算が上向いている。

欧州ではトナーの自動化生産からリサイクルまで一貫して手掛ける工場の新設を検討する。近く場所を決め、12年以降の稼働を目指す考え。現地生産・現地消費の観点から新設を決めたが、ユーロ建ての取引が増えることで円高対策にもつなげる。

同社は対ドル1円の円高進行で年間約100億円の営業利益が目減りする。対ユーロでも60億円近くのマイナス影響がある。今年後半の想定為替レートは1ドル=80円、1ユーロ=115円だが、足元はドルで3円強、ユーロで10円程度の円高。現状の為替相場が続くと、11年12月期は200億円以上の収益圧迫要因になる可能性がある。

このため部材の内製化や海外部品の調達比率の引き上げも含めた総合的な対策を加速する。15年12月期に売上高原価率を前期の52%から45%へ引き下げる。リーマン・ショック前の07年12月期(50%弱)を下回り、過去最低の水準となる。

キヤノンは新興国でプリンターやデジタルカメラを拡販するほか、M&A(合併・買収)などで医療分野を拡大し、15年12月期の連結売上高を5兆円(前期比35%増)まで伸ばす計画。前期の原価率で計算すると、15年12月期の原価は2兆6千億円に膨らむが、抜本的なコスト削減で2兆2500億円程度に抑制する考えだ。』


キャノンのやり方は、円高対策に対する一つの模範事例になります。自動化促進による生産性を向上させ労務費を圧縮する方法です。

10月9日に日本HPがパソコンの国内生産の効率向上で利益率10%を出していることについて、ブログ・コラムで書きました。

キャノンも同様に生産の高効率化で国内生産を維持しつつ、海外でも同様に製造原価を圧縮する考えです。従来、大手家電メーカーは、国内生産の効率を上げるために、セル生産方式を導入しました。その先陣を切った企業の一つがキャノンでした。

今回、キャノンは「マンマシンセル」という方式を導入します。これは、生産工程で人と人の間にロボットを入れ生産速度を上げるやり方で、従来のセル生産を進化させた手法とのことです。

ロボットの配置や操作にノウハウがあり、上記自動化と共に生産効率を上げるための決め手の一つとのこと。

日本HPも独自のやり方で、受注から出荷までのリードタイムを5営業日とし、中国生産の1/3にしました。共に生産効率向上に磨きをかけて実現した、あるいは、実現しようとしています。

国内で生産を行い、国内及び海外市場で事業を行っていくためには、円高環境に関係なく生産性向上か付加価値をつけたやり方を行わないと、勝ち残れません。

韓国、台湾、中国などの新興国企業の力が向上していますので、彼らとの競争に打ち勝つためにも生産の効率向上は必要なことです。

キャノンや日本HPの取組は、国内企業が手本とすべき動きになります。円高や不況は、じっとしていても解決しません。積極的に対応しないと勝ち残れません。

中小企業の場合、大手と同じように動けない場合があります。しかし、日本HPのようにリードタイムを上げて、仕掛り在庫を減らして生産性を上げる方法もあります。一段の創意工夫が大事だと考えます。

円高や海外企業との競合で、どうしても国内生産では事業継続が難しい場合、生産拠点を海外に移す方法を考える必要があります。海外移転は、移転先の状況を良く調べて、慎重に計画し実行することが肝要です。

事前準備をきちんと行わないで海外移転を進めますと、移転後に従業員の確保、原材料の調達、販路の確保などが出来なくて撤退した事例が数多く報告されています。

最近、中小企業経営者から製造拠点の海外移転をしたいとの相談案件が増えています。背景にありますのは、異常な円高です。顧客企業が海外に移転していることも理由の一つになっています。

その様な相談を受けた場合、先ずは何とか国内生産を継続する方法を考えてもらうようにしています。国内生産の継続が難しい場合、移転先やその方法について具体的な計画作成の支援を行います。

詳細な計画作成は、必要に応じて地元自冶体の支援組織やJETROなどのの専門家に相談し、詰めていきます。絶対に失敗しないようにする計画作りと実行を丁寧に支援しています。
中小企業の場合、海外移転の失敗は会社の存続問題に直結する場合が多いからです。

中小企業は、大手以上に国内での事業継続も、海外移転も難しい事態が予想されますが、絶対にあきらめないで創意工夫する努力が重要であると切実に考えています。

最近亡くなりましたアップルの創業者である、スティーブ・ジョブズ氏の事業家魂が多いに励みなります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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