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村田 英幸
村田 英幸
(弁護士)
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閲覧数順 2016年12月02日更新

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日経記事;村田製,M&Aを積極化脱コンデンサー依存へ に関する考察

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M&Aコンサルタントとしての活動 M&Aの事例と経営手法としての活用と課題

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月12日付の日経新聞に、『村田製作所、M&Aを積極化 脱コンデンサー依存急ぐ』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『村田製作所が買収によって主力のコンデンサー依存からの脱却を急いでいる。11日に買収を発表したフィンランドの電子部品VTIテクノロジーの得意な微細加工技術と村田製の販路を組み合わせてスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)向けセンサーを開拓するほか、来年初めにはルネサスエレクトロニクスから携帯電話の電波送信部品事業を買収する。事業構造の転換で中長期の安定成長を目指す狙いだ。

VTIは自動車や医療機器向けセンサー大手。村田製は1億9500万ユーロ(約200億円)を投じ、VTIの経営陣らから来年初めにも全株式を譲り受ける。

同社はシリコン基板にナノ(10億分の1)メートル単位で機械のような機能構造を作り込むMEMS(微小電子機械システム)技術を持つ。村田製はこれをもとにスマホやタブレット端末向けのセンサーを開発する考えだ。

MEMSを使ったセンサーは米アップルの「iPhone(アイフォーン)」などのスマホで傾きを検知する目的で採用が広がっている。セラミック材料の加工が得意な村田製は従来、圧電セラミックを使ったセンサーを生産し、ビデオカメラやデジタルカメラの手ぶれ補正用などに供給してきた。ただスマホ向けに微細に加工すると精度が落ちる懸念があった。

一方のVTIはスマホなどの市場では実績がなかった。村田製は主力のコンデンサーを通じ、アップルや韓国サムスン電子と密接な関係を築いており、強みを組み合わせればスマホ向けの市場を開拓できるとみている。

村田製はVTIが得意な車載用や医療用センサーの市場も開拓する。村田製の藤田能孝副社長は「MEMS技術でセンサー事業を拡大していく」と語り、3年後に現在の2.3倍の700億円超に育てる計画だ。

同社の10年度売上高に占めるコンデンサーの比率は36%。06年にはブルートゥース(短距離無線通信規格)部品の米サイチップ社を買収するなど、積極的にM&Aを進める背景には、コンデンサーへの依存度が高まり、IT(情報技術)市況や製品の需要変動の影響を受けやすくなっていることへの危機感がある。

スマホブームの追い風が吹く間に新市場開拓につながる投資を進め、構造転換を急ぐ考えだ。』


今回の村田製作所の動きは他社にとって参考になります。

村田製作所は、コンデンサーの最大手企業で、その技術力、品質、信頼性には定評があります。現在、同社のコンデンサーは、家庭用電気電子機器、パソコン、携帯、スマホなどの多岐にわたる分野で使われており、同社にとって大きな収入源となっています。

村田製作所は、現時点での主力商品のコンデンサーが元気なうちに次の収益の柱を育てようという戦略です。
部品メーカーとして注目する市場は、現在動きが最も激しく、急速に伸びているスマホです。急速に伸びている市場で、新分野での足場を固めようとしています。

現在急速に伸びているスマホ市場も、将来、普及率が60%を超える状況になりますと、成熟状態になり大きな伸びは期待できません。

村田製作所は、急速に伸びているスマホ市場で、主力新部品でコンデンサーと同じようにメイン部品サプライヤーになるため、短期間で実現できるM&Aを活用します。

現在の円高状況は、海外企業を安く買える絶好の機会でもあります。村田製作所はまさにそこに目をつけて、VTIの買収を決断したと推測します。

急速に伸びているスマホ市場での新主力部品を手に入れるやり方は、王道の経営戦略で、理にかなっています。

過去の他社の事例をみますと、主力事業での成功体験が大きいとそれに引きづられて、市場環境が変わっても新しい手を打たないため、気が付いた時には手遅れだったケースが多いことが判ります・

村田製作所は、その観点からみますと、主力のコンデンサーだけに依存しないで、VTIやルネサスエレクトロニクスからの携帯電話の電波送信部品事業買収により新規事業分野を短期間に立ち上げようとしています。

また、パソコンやスマホの需要は、急成長が止まっても、その後大きな買い替え需要が残ります。市場規模自体が大きいので、買い替え需要だけでも一定の供給量を確保できます。

しかも、市場環境が大きく変わらなければ、使用される部品についても新規投資の必要がない、安定した事業環境が生まれ、高利益を期待出来ます。

その市場で事業をエンジョイできるのが、1位か2位の高シェアを持ついわゆる残存者企業です。村田製作所は残存者企業になるまでの青写真を描いて今回のM&Aを行っていると考えます。

記事によると村田製作所は、VTIが得意な車載用や医療用センサー市場にも参入するようです。伸びている他市場でも足場を固めようとしています。

村田製作所の今後の事業展開に注目します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

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