広告マンガも「漫画」には違いありません。
見た目には娯楽向けの漫画とそれほど変わりません。
しかし、広告マンガと娯楽向け漫画には決定的な違いがあります。
それは「マンガの役割」です。
娯楽向けの漫画は、それ自体が商品。だからギャグであれシリアスであれ、優れた作品であれば
いい訳です。もちろん優れた作品だから売れるとは言い切れませんが、とにかく作品そのものを
売るのです。
では、広告マンガはどうでしょう?
こちらの作品は売り物ではありません。ひとつの作品を通じて、クライアント様の商品やサービス
をアピールするという目的を持っています。よって、マンガの品質よりも広告効果が問われます。
この点が最大の違いと言っていいでしょう。
そうなんです。マンガの役割という観点からすると、広告マンガは漫画の一種ではなく広告の一種
ということになります。
そうすると、もちろん作り方(考え方)も異なってきます。
広告マンガを描くには「マンガのノウハウ」に加えて「広告のノウハウ」が必要不可欠になります。
通常、それは広告プランナーやデザイナーのお仕事です。彼等は漫画家ではありませんから、基本
マンガは描けません。
では漫画家に依頼するとどうでしょう。漫画家は広告のことは知りません。
そもそも本業ではありませんし、制約だらけで何をどうすればいいか分からないし、報酬は印税ではないし...
といったところではないでしょうか?
広告プランナー、デザイナー、漫画家…それぞれの専門分野ではプロフェッショナルなのに、分野が
全く異なると専門性が発揮出来ない。つまり、全ての部分にプロが関わっているにも関わらず、着地
点がクオリティの低いものになってしまうことが良くあります。
「シナリオやコンテを用意してくれるならやりますよ」という話もよく聞きます。
しかし、それはどうしていいか分からないってことでしょう。
ポイントを理解していないのに、それで広告目的を果たすことなんて出来る訳がありません。
だから私に相談して下さいと言っている訳ではありません。
マンガを使って広告するということは、マンガを作ることが目的ではありません。
先日のコラムでも述べたように何でもマンガにすれば良いという訳でもありません。
そこに広告という要素がある限り、その役割を果たすことがミッションになってくる訳ですから、
何れにしてもその両方の分野においてプロフェッショナルの方にお願いするのが一番だと思うのです。
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