日経記事;レアアース急落セリウム半値 企業使用削減に関する考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;レアアース急落セリウム半値 企業使用削減に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月9日でけの日経新聞に、『レアアース急落、セリウム半値に 企業が使用削減』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ハイテク製品に不可欠なレアアース(希土類)の価格が急落している。液晶パネルの研磨材に使うセリウムの輸入価格は7月に付けた最高値から約5割下落した。光学ガラスに使うランタンも同約3割安い。

生産シェアで9割を占める中国の生産・輸出規制を背景に軒並み高騰していたが、日本企業を含む需要家が高値を嫌って使用量を大幅に削減。需給の逼迫感が薄らいできた。

レアアースはオーストラリアや北米など中国以外の鉱山開発が進んでおり「セリウムやランタンが再び最高値を更新する可能性は低い」(専門商社)という。産地が中国南部に限られるジスプロシウムなど一部品目を除いてレアアースは高値修正に向かうとの指摘が出てきた。

中国産セリウムの輸入価格は9月下旬時点で1キロ80ドル前後と7月の最高値のほぼ半値になった。高騰の反動による取引減少で生産者在庫が膨らみ急落につながった。一部で「東南アジアの輸出業者が1キロ60ドル前後で在庫を放出した」(専門商社)との声もある。

セリウムを研磨材に使うガラス各社は使用済みセリウム研磨材を回収・再利用したり、酸化鉄など代替素材に置き換えたりしてセリウムの使用量を削減してきた。

ランタンの輸入価格も現在、1キロ110ドル前後と最高値の7月に比べ約40ドル(約3割)下落。光学ガラスメーカーは調達量を減らすと同時に生産効率を高めるなど使用量の削減策を進めている。ハイブリッド車に使う強力磁石の原料であるジスプロシウムやネオジムも7月比で1~2割安い。

中国政府は今年5月に環境保護を理由に生産者の統廃合などを強化する方針を表明。品不足懸念からレアアースは全面高となり、セリウム価格は7月に2010年末の2.3倍に高騰した。』


この記事は国内企業のしたたかさと技術力の強さを示しています。レアアースは、日本と中国間の政治的な緊張が高まった時期に、中国が一気に輸出規制を行ったことから起こりました。

その直後からレアアースの入手難が起こり販売価格も高騰し、電子機器やハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)などの主要製品に必要不可欠な材料の調達に国内企業は苦労しました。

その後、国内企業はしたたかさを見せ始めました。代替材料の使用検討と使用量の削減です。代替材料のポイントは入手の容易さと低価格です。

代替材料の研究はかなり進んでいると言われています。更に研究開発を進めてレアアースの使用量・必要性を下げてもらいたいと考えています。

しかし、レアアースの需要自体は今後も増えていきます。これは、例えば、HVやEV或いは更に家庭や事業所などで使用される電池需要が大きく伸びることが予想されるためです。

電池などの次世代主要製品を作るのにレアアースが不要になれば別ですが、多分そのような状況にはならず各製品ごとでの使用量は減りますが、製品の出荷量が増えますので、一定程度のレアアースは必要になると考えます。

レアアースは、現在中国からの輸入に頼っています。この依存度を下げるために、政府や企業は幾つかの手を打っています。

住友商事などの商社は、米国やベトナム、オーストラリアなどの他国からの調達を進めようとしています。もっとも最近のニュース報道では、住友商事は米国のレアアース産出会社への出資を断念したとの情報が出ています。理由は高い価格にあります。

ベトナムやオーストラリアなどとは、「Win/Win」の関係が成り立つように持って行けることを期待します。希少価値の高い鉱物や天然資源でも異常に高くなれば、顧客側が代替品の活用や使用量を下げることは当然の行為です。

また、10月8日付の日経には、文部科学省が日本列島の近海に眠るレアアースなどの海底資源を探査するため、2012年度にから総額220億円の費用をかけて、調査研究船の開発・建造に乗り出すとの、記事が掲載されました。
海底資源は宝の山と言われています。調査研究の結果が楽しみです。


一方、国内企業は。今まで天然資源価格の高騰などに積極的に立ち向かってきました。

例えば、国内企業は、過去のオイルショックなどの危機的な状況に対応するため、エネルギーの使用効率を飛躍的に上げた低燃費車を開発して問題解決を図ってきました。同時に、これらの低燃費車は、世界中で爆発的に売れました。

昨今、ガソリンエンジン車で各自動車メーカーは、今まで考えられなかったような低燃費車が開発・商品化されようとしています。

これは、日本や米国などの政府が打ち出しています環境規制に対応するもので、HVやEVだけの解ではなく、ガソリン車でも実現しようとしています。

新興国では、小さく、安く且つ燃費の良い車が求められます。ダイハツやスズキなどの軽自動車に注目が集まっています。軽自動車の需要が急激に高まる可能性があります。

レアアースや石油などの天然資源の使用量を減らしながら、新規需要を獲得していく国内企業のたくましさに改めて注目しました。

円高や世界景気の後退などで後ろ向きな情報が多い中で、厳しい環境に対応し、且つ、ローカル市場の需要に合わせた形で事業展開を行う企業も増えています。

問題があれば、そこに新事業の機会を見出していく積極的な企業姿勢の必要性と重要さを再認識しました。
不況を企業の事業内容悪化の原因にするなと言う、ある大手企業トップの言葉を実感しています。

企業家・事業家はどんな環境でもあきらめない気持ちが大事です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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