日経記事;GSユアサなど3社電気自動車用電池7割増産 に関する考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;GSユアサなど3社電気自動車用電池7割増産 に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月6日付の日経新聞に、『GSユアサなど3社、電気自動車用電池7割増産』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

ジーエス・ユアサコーポレーションと三菱商事、三菱自動車の3社は滋賀県栗東市に車載用リチウムイオン電池の新工場を建設する。

投資額は200億~300億円で2012年春にも着工、14年に稼働させる。年間生産能力は電気自動車(EV)5万台分で、全体の生産能力を7割増やす。欧州メーカーなど数社から新たに受注を獲得したことから、増産攻勢をかける。

GSユアサなど3社は共同出資会社「リチウムエナジージャパン」を通じ、車載用リチウムイオン電池を生産している。現在、滋賀県栗東市に大規模工場を建設中で、隣接地を同市から近く追加取得し、第2工場を建設することを決めた。

第2工場の敷地面積は4.4ヘクタールで来春にも着工し、14年から生産を始める。電池セル(発電素子)の年間生産能力は、建設中の工場と同じ440万セルで、EVに換算すると5万台分に上る。

現在、リチウムイオン電池を生産しているのは、滋賀県草津市と京都市の小規模工場で、生産能力は計約1万8000台分。
栗東市に建設中の工場を12年4月に稼働させて全体の生産能力を計7万台分に増やし、さらに第2工場を稼働させ、12万台分に引き上げる。

リチウムイオン電池の供給先は現在、三菱自動車と仏プジョーシトロエングループ(PSA)の2社。第2工場では両社以外にも供給先を広げる方針で、プラグインハイブリッド車(PHV)など向けに日本や欧州の自動車メーカー数社から新たに受注を獲得したという。

GSユアサは車載用リチウムイオン電池を世界で初めて量産した。当初は製造コストが高く、EVの車両価格の半分近くを占めていた。

来春稼働させる工場では製造コストが既存工場の3分の1に下がる見通しで、第2工場建設で生産規模を一気に拡大し、コスト削減を加速する。価格の高さがネックとなっていたEVの普及が進む可能性がある。』


記事によると、GSユアサは日欧数社からEV向け電池を新規受注しています。このため、新工場を作りそこで生産されるリチウムイオン電池の製造コストは、既存品の1/3になるとのこと。

今後、PHVやEVの製造コストも下がりますので、これらの販売価格も大幅に下がることになります。2012年後半以降には、低価格のPHVやEVが市場投入される可能性があります。

これが実現しますと、PHVやEVの普及が一気に進む見通しが成り立ちます。記事によりますと、PHVやEVのエコカーの販売見込台数は、2025年度には3000万台を超えるとのこと。もっと早い時点で、この見込台数を超える可能性があります。

もっとも、PHVやEV普及は、電池コストの低下だけでなく、充電スタンド網の設置などの社会インフラが必要ですので、その普及状況にもよります。

PHVやEV用のリチウムイオン電池の販売価格が下がり始めますと、家庭用や業務用途の電池価格も安くなることを意味します。

一般的に家庭用や業務用途のリチウムイオン電池の性能は、PHVやEV用途に比べて高性能である必要はなく、PHVやEVで使用後の中古品で十分使えると言われています。

PHVやEVの高速普及は、国内に新規事業立上の起爆剤になります。低価格化で普及が進むのと同時に世界市場で競走が激化しますので、開発競争が起こるからです。

PHVやEVは、電池などの主要部品が入手出来れば誰でも生産できます。この観点からみますと、従来のガソリン車に比べて、パソコンやスマホなどの電子製品と同じように水平分業で作れるような業界に変化します。

安全性・耐久性・信頼性で差異化を図りながら、コスト競争力を維持いしていく厳しい競走が待ち受けています。このような業界では、事業規模の大きさで利益を稼ぐ戦略が有効ですので、世界市場で高シェアを確保する必要があります。

電池はこの競争力の源泉の一つになります。乗用車メーカーの中には、電池を内製化するところもあります。今回のGSユアサの動きは、業界を刺激し更なるコスト競争に入っていくことは確実です。

国内メーカーが主導権を取ることが重要です。

同日付の日経新聞によると、サムスンは2011年4~6月期のリチウムイオン電池の世界シェアは、サムスンが25%となり、パナソニックの23%を抜いて1位となったようです。

電池業界は早くも厳しい競争に直面していますが、パナソニックやGSユアサなどの国内メーカーが世界市場で最大シェアを確保することを期待します。

電池は、当初は乗用車主体でしょうが、電池の性能向上とコスト低減が続きますと、バスやトラックにも使用されることが多くなるとみています。

また、PHVやEV自体を家庭用蓄電池の役割を果たす方法も、日産や三菱自などから提案されています。安いリチウムイオン電池の登場は、再生エネルギーを活用した「スマートハウス」の普及も後押しすることになります。

このように電池事業の裾野は広く、国内産業を支える土台の一つになることが期待されます。国内企業はしたたかさを持って世界市場で主導権を持ちづける必要があります。

世界の環境対策に貢献しつつ、国内新規事業の柱の一つになることを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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