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日経記事;パナソニックリチウムイオン電池中国生産 に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月29日付の日経新聞に、『パナソニック、リチウムイオン電池の中国生産拡大 電子機器向けの5割、国内拠点は半減』 のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

[パナソニックは携帯電話やパソコンなどに使う民生用リチウムイオン電池の国内工場を再編する。2012年度末までに半分の4カ所に集約、住之江工場(大阪市)で予定していた増産投資は中止する。

今後、国内の大型投資は見送り、中国での生産を拡大。3~4年後をめどに1~2割にとどまる中国での生産比率を5割程度に高める。製造コストを引き下げ、サムスングループなど韓国勢に対抗する。

パナソニックは国内8カ所で民生用リチウムイオン電池を生産してきたが、すでに守口工場(大阪府守口市)、洲本工場(兵庫県洲本市)では生産を停止している。これに加え京都工場、和歌山工場は基幹部品を除き生産を終了する。工場の再編に伴って人員を削減する見通し。

10年に稼働した住之江工場は、当初予定していた2期工事実施を取りやめ、関西電力から借りている用地も返還する方向で関電と交渉に入った。住之江には総額1000億円の投資を計画していたが、2期の中止に伴い約600億円にとどまる。

パナソニックは中国で北京、無錫に続く3カ所目の工場を蘇州に建設中で、12年4月に完成する計画。既存工場の生産能力も高めている。

総投資額は550億円。今後、安価な部材を現地で調達するなどして生産規模を拡大、製造コストを3割程度下げる。

パナソニックは環境エネルギー分野を成長のけん引役と位置付けている。リチウムイオン電池は同分野の主力製品で、年間売上高は約3千億円にのぼるが、韓国勢が急速にシェアを拡大。
競争激化で収益力は低迷しており、コスト構造の抜本的な改善が急務となっている。

このため国内での民生用リチウムイオン電池増産投資を中止するが、同分野より付加価値の高いハイブリッド車などの自動車用リチウムイオン電池技術流出防止の観点からも、今後も国内生産を住していく方針だ。』


記事に、リチウムイオン電池の主要企業のシェアが記載されています。

                 2008年    2011年

・パナソニック(三洋電機含む)  30%以上   23%位
・ソニー             15%位     7%位
・サムスン            15%位      25%以上
・LG化学              7%位    15%位


パナソニックとソニーのシェアは、韓国勢(サムスン、LG)に見事なくらい逆転されました。液晶テレビなどと同じ状況です。
何ならかの形で国内メーカーの技術が流出し、韓国勢が力をつけた結果彼らの低価格攻勢に負けています。

民生用リチウムイオン電池は、完全に汎用品(コモディティ)化しており、製造コスト削減の優劣が勝敗を分ける状況になっています。

国内メーカー品が、為替レートや人件費などのコスト要因を考えますと、現時点では韓国製品に勝てる見込みは低くなります。

国内メーカーがパナソニックのように中国などの新興国に生産拠点を移すのは当然のことです。企業は利益を出して始めて評価されます。

パナソニックは、東芝や日立などと同様に、環境エネルギー分野を今後の成長分野としています。パナソニックの場合、基幹技術・商品はリチウムイオン電池です。

自動車用或いは業務用途のリチウムイオン電池については、海外勢を含めて他社を凌駕し続けることが、成長分野をで勝ち組になるための必要条件です。

パナソニックは、環境エネルギー分野に必要なリチウムイオン電池の開発・製造は日本で行うと明言しています。

何としても韓国、中国、台湾への技術流出を避ける必要があります。
韓国は、現在の円高を見越して、国内製造業者に盛んに韓国への積極的な投資を提案しています。事業税が当分の間無料になるなどの特典つきです。

多分、国内製造では利益が取れない企業は工場移転を決断する企業が出てくると考えます。企業は利益を出すのが当然のことですので、工場移転が合理的と考えれば実行されます。

それを空洞化や技術流出などと言って嘆いても問題の解決になりません。解決する方法は、新技術で新規事業を立ち上げて国内市場・経済のパイを大きくして、活性化する方法しかありません。

政・官は、彼らが規定した新成長分野の早期立ち上げに目を向けて、震災復興と同じ優先順位を付けて必要な施策を実施すべきと考えます。

例えば、この分野への効果的な補助金の強化、投資減税、規制緩和や撤廃などです。
民間企業は、事業環境が整えば自然に動きます。現在の政府は、経済界との会話がまだ十分とは言えない印象を持っています。

もっと積極的に民と会話して、パナソニックなどのような企業の投資行動をより積極的に支援し、成長分野での新規事業立上の早期実現を行う必要があります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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