日経記事;日産と三菱自相互OEN拡大電気自動車も対象に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事;日産と三菱自相互OEN拡大電気自動車も対象に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月23日付の日経新聞に、『日産と三菱自、相互OEM拡大 電気自動車も対象に』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『三菱自動車は22日、日産自動車に電気自動車(EV)をOEM(相手先ブランドによる生産)供給すると発表した。

三菱自が年内に発売する軽商用EVを2012年度内に供給する。両社は相互にOEM供給をしているが、協力関係をEV領域まで広げて販路と品ぞろえを充実、EVの販売拡大につなげる。

日産と三菱自はすでに商用車や軽自動車の計4車種を相互にOEM供給している。今回、国内市場向け商品で互いに欠けている分野を補完し、国内販売台数の積み増しを狙う。

三菱自が日産に供給するのは自社製EVの第2弾となる軽商用EV「MINICAB―MiEV(ミニキャブ・ミーブ)」。現在、供給開始時期など詳細を詰めている。供給台数は明らかにしていないが、三菱自の同車種の11年度生産計画は4千台程度。日産への供給で販路を広げ、量産効果を高める。

日産と三菱自はそれぞれ他社に先駆けてEVを国内販売しているライバルだが、三菱自が軽自動車ベースのEVの商品化に注力しているのに対し、日産は軽ベース車の開発を手がけていない。

日産は現行のEV「リーフ」に加えて14年までに3車種のEVを発売する予定だが、対象は高級ブランド「インフィニティ」など。軽ベース車をOEM調達して自社EVの品ぞろえを拡充する。

また、三菱自は12年から日産の上級セダン「フーガ」の供給を受ける。フーガは日産のセダンの旗艦車種で10年度は約7800台を国内で販売した。

三菱自は経営危機に陥った04年以降、上級セダンの国内販売を終了している。フーガの調達で7年ぶりに上級セダンを発売する。

日産と三菱自は今年10月からは新たに日産が商用車「NV200」を三菱自に供給することも決めている。2社は今年6月に軽自動車の共同開発会社「NMKV」も設立するなど協業拡大を進めている。』


現在、各自動車メーカーは単独で生き残ることは難しくなっています。これは、今後EVやハイブリッド車(PV)を含めた環境対応を1社単独で行うと、過大な投資が必要になり回収出来ないリスクが発生するためです。

また、今後大きな需要の伸びが期待されている新興国市場では、世界企業との厳しい競争に加え、各市場に合った車づくりを要求され、これも大きなと負担となります。

これらの投資リスクを低減させるため、各自動車メーカーは競争関係にありつつも、協業・提携して「Win/Win」関係作りを積極的に行っています。

日産と三菱自の場合、共にEVを次期戦略車として位置づけ、この分野ではPVで市場を引っ張っているトヨタが最大の競合相手になります。

日産は、軽自動車の自社商品のラインナップを持っていません。現在、国内市場では軽自動車の売上比率が高まっています。また、新興国でも軽自動車に対する需要が一定量見込まれます。

三菱自は、経営危機に直面した1994年移行、商品ラインナップを整理してセダンタイプを廃止しました。三菱自は、セダンタイプの穴を埋めるべく、2012年から日産より上級セダンフーガの提供を受けることのこと。

こうして以下の様なOEMベースによる補完関係が生まれました。

・日産は、現在商用車を三菱自に供給
・三菱は、軽自動車や中東向けのSUVを日産に供給
・日産は、フーガを2012年から三菱自に供給

これに加えて、三菱自は軽商用EVの日産への供給を検討しています。また、日産と三菱自は、軽自動車の企画・設計を行う共同開発会社「NMKV」を立ち上げています。

このように、OEMの相互補完体制に加えて、軽商用EVの共同開発まで提携関係が進化しています。
提携関係の進化は、両社が「Win/Win」の成果を実ビジネスとしてエンジョイしていることと、お互いの信頼関係が向上していることを表しています。

言葉では誰でも提携・連携が大事であり、「Win/Win」の関係を構築したいと言います。

「Win/Win」の関係構築と維持は、それほどたやすいことではありません。「Win/Win」の関係は、実ビジネスから売上・利益が生まなければ単なる「おまじない」と同じです。

9月12日のブログ・コラムで書きました、スズキとVWの提携関係の破たんは、両社がこの提携の発表後、1年以上実ビジネスで何の協業活動を行えなかったことが原因の一つだと推測しています。

通常、これだけの大型提携を行う場合、契約前に両社の関係者間で提携実施の目的・成果を具体的に共有し、実ビジネスに反映させるための行動計画表(ロードマップ)が作られます。

この事前順の詰めが甘かったのでしょう。

日産と三菱自の動きは、対照的です。当面、実ビジネスで成果を共有しつつ、「Win/Win」の関係を進化させることになります。

成果が見えなくなった時は、さっさと提携関係を破棄します。
これが提携・連携のうまみであり、柔軟に対応できる利点です。

国内企業は、提携・連携を戦略的に活用し、実ビジネスで成果を取れるようもっと巧みに動くことを期待します。
少なくとも私が支援する中小企業同士の連携は、実ビジネスで成果を出せる様にしています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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