和室には畳が敷いてあって、壁は真壁(柱が露出している壁)で長押があって、
塗り壁で床の間があって、、、といろいろなルールがあると思いますが、
最近の住宅における和室はそれほどルールが厳しくないように思います。
最近の住宅では単に床が畳敷きとなっている部屋のことを和室と言っているだけで、
用途としては、客間として、小さい子供を寝かせられるなど便利な部屋として認識されているようです。
もう一つ和室の必需品に、襖や障子があります。障子は光を透過する間仕切りとして、
襖は押入の扉、不透明の間仕切りとして用いられますが、これらも最近の住宅ではあまり用いられず、
普通の引戸や収納扉になっています。
畳には直に座ることができるので、ちゃぶ台を出して食事をしたり、
布団を敷いて寝ることもできます。道具を用いることによって場面の展開が可能で、
この場面展開に可動間仕切りとしての障子や襖が一役買っています。
しかし、それだけの用途を満たせば良いのであれば、床の材料は畳でなくても良く、
ソファーのような皮張りの床やコルクの床でも良い気がします。
肌触りの良い材料は畳の他にもありますし、建具も障子や襖でなくてもいいのです。
床レベルを他より高くすれば、大きなソファーベッドのようになり、
巨大な造作家具になり部屋ですらなくなります。
つまり、場面展開のできる便利な部屋としての和室は和室でなくてもいいのです。
それでも和室が必要だという理由で納得できるのは、日本の伝統文化の受け皿としての和室です。
茶道や華道を行う場合、囲碁や将棋を指したり、邦楽の演奏をしたりする場合は、
やはり和室の方が良いと思います。
和室に求められているのは、ソフトとしての日本文化を受け入れるためのハードとしての用途であって、
使い勝手のよい便利な部屋ではないのです。
もちろん単に畳が好きだという方には用途なんて関係ないですので気にしないでください。
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