「客を持っている」は重要ではない!? - 不動産売買全般 - 専門家プロファイル

中石 輝
株式会社リード 代表取締役
神奈川県
不動産業
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「客を持っている」は重要ではない!?

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不動産業界の進む方向性

不動産の売却でお問い合わせの電話をいただく際、第一声で

  「おたくの会社で、お客様を持っていますか?」

とヒアリングしてくる方が多くいらっしゃいます。


私は、間髪いれず

  「いえ、そのようなお客様はいませんが…」 

と答えます。


このやり取りで、8~9割の方は終わります。



一般の方が、ご自身が所有されている不動産を売却される際、

‘自分の所有している物件を限定で探しているお客様のストックを持っている不動産業者に売却の依頼をしたい’

と考えるのは、至って自然の話でしょう。


しかし、それが

‘不動産を最も良い条件で売却する’こととイコールかどうかとなると…


そうではないケースのほうが多くなるのが現実です。



自宅のポストに投函される「売り物件、求む!」と書かれたチラシには、

「このマンション限定でお探しのお客様がいます!」

「転勤のため、3LDK、4,000万円台の物件を大至急さがしています!」

などといった、もっともらしいことが書かれていますが、

この手のチラシの文言の99%は ‘単なる営業トーク’ です。


インターネット媒体が普及した今の時代では、お客様ご自身が主体的に情報を取得できるようになりました。


不動産仲介業者に「こんな物件情報があれば教えて下さい」と依頼をしなければ、一般の方に物件情報が入りづらかった時代であれば、お客様も不動産仲介業者に依存し、不動産仲介業者もお客様をストックするということができました。


しかし、インターネット媒体の普及により、物件情報は一瞬にして情報を欲するお客様の手元に届くようになり、その情報を検索するお客様も、一つ所(不動産仲介業者)に留まらず、自分で探した情報に対して自分からアプローチをするようになりました。


このような不動産仲介市場の変化の中で、ひとつ会社(担当者)が

‘この物件を欲しい’というお客様のストックを持ち続けるということ自体、不可能な話しです。


今現在、ご自身で情報を集め、不動産を購入しようとしている方は、このことを当たり前のことと感じるでしょう。



しかし、物件を購入する側ではなく、売却しようと考える側の方は、この変化に対して非常に鈍感です。

それで、冒頭に書いたような質問を不動産仲介業者に投げかけてくることになります。


不動産の売却を依頼する仲介業者に、検討客のストックを期待する時代ではなくなりました。


逆に、それを営業トークにして、売却の媒介契約取得を進めてくる仲介業者は、今の時代の変化に対応できていない業者である可能性のほうが高いのが事実です。

そのような業者は、‘お客様の利益’ よりも ‘会社側の利益’ を優先してくる傾向がありますので、ご注意されたほうが良いかもしれません。



不動産の売却の依頼を受ける仲介業者には、

‘購入検討客のストックを持っている’ ということよりも

‘売主様のエージェントとして、いかに物件情報を効果的に発信し、機会を多く作るか’ということが求められるようになりました。


そもそも、売主様がA社に売却の依頼をしたとして、仮にB社に‘その物件を限定で購入を検討している’というお客様が本当にいたとしたら、B社は客付けしてきます。

この辺が、一般の方には一番???な部分のようですが…


今の時代にあった、依頼者利益につながる最良の不動産売却方法を常に模索し、業務をご提供できるよう心掛けております。


株式会社リード  中石 輝
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