日経記事ドコモ富士通サムスンとスマホ向半導体開発に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事ドコモ富士通サムスンとスマホ向半導体開発に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月13日付の日経新聞に、『ドコモ・富士通、サムスンとスマホ向け半導体開発 12年にも合弁設立 端末開発で主導権 』 のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『NTTドコモ、富士通など日本の通信関連企業は韓国サムスン電子と次世代携帯電話技術を使ったスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)向け中核半導体を共同開発する。

2012年にも合弁会社を設立する方向で最終調整に入った。開発するのは米社が高いシェアを占める通信制御用の半導体。日韓連合で半導体開発の主導権を確保、世界市場の開拓を狙う。

通信制御半導体は無線や信号を制御する携帯電話の頭脳となる部品。同半導体市場では現行の第3世代携帯電話で基礎技術を持つ米クアルコムが約4割のシェアを持ち、スマートフォンでは8割前後を占めるとされる。

このままでは次世代携帯電話でもクアルコムへの依存度が高まり、柔軟な端末開発に支障をきたす恐れがあるとみて日韓各社は連合に踏み切る。

新会社は本社を日本に置き、資本金は300億円程度とみられる。ドコモが過半を出資。サムスン、富士通のほか、NEC、パナソニックモバイルコミュニケーションズが残りを出資する方向で調整している。
新会社は半導体の開発・設計・販促に特化し、実際の製造は外部委託する見通し。

次世代の通信制御半導体は従来技術より大容量のデータを処理できるが、開発コストもかさむ。ドコモの通信ノウハウとサムスンの量産化技術、富士通の設計技術などを組み合わせ開発費を分担する。

開発した製品は出資する各社が自社製スマホに組み込むほか、世界の携帯電話メーカーに販売する。世界市場をけん引するとみられる中国市場をにらみ中国の通信会社に採用を働き掛ける。
サムスンはスマホの主力機種「ギャラクシー」シリーズの次期モデルに搭載することも検討する。

スマホは11年の世界出荷が約4億7千万台とされ、15年には約11億台と携帯電話の世界出荷の約半分を占める見通し。日韓連合で成長するスマホ向け需要を開拓する。

サムスンはスマホのパネルに使う有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)で世界首位。半導体でも世界2位だが、通信制御技術ではクアルコムに大きく引き離されていた。

次世代技術の開発を通じて蓄積したドコモの技術を活用する。ドコモは自ら半導体開発に関わり調達コストの低減などにつなげる。

日韓企業の連合は電子部品ではソニーがサムスンとテレビ向けの液晶パネル生産で韓国に合弁会社を設けている。半導体分野でも本格的な合弁事業が動き出す。』


今回のドコモ・サムスン・富士通などの日韓大手企業の大型提携は、非常に珍しいことです。今後の大きな産業となるスマホ分野でコアデバイスの一つなる通信用半導体で主導権を取る狙いです。

通信用半導体では、米国のクアルコムが通常携帯では約37%のシェアを取り、かつスマホでは80%のシェアを持つ最大手となっています。今回の提携は、クアルコムの牙城を崩し、新規スマホでの開発力を向上させるためと、明確な目的設定があります。

国内メーカーでは、富士通以外にNEC、パナソニックなどが新会社に出資するようです。新会社がクアルコムと激しい開発競争を行い、2015年には約11億台といわれる巨大市場で主導権が取れれば、国内メーカーはやっと世界市場で事業出来る態勢が整います。

残念ながら、通常の携帯電話では、国内メーカーは国内市場に限定されたガラパゴス企業でしたが、今回の提携を機に、スマホで世界市場での勝ち組になれるように精進して欲しいと考えます。

韓国、台湾、中国に強い競合企業がひしめいています。これらの競合企業に打ち勝っていくのは容易ではありません。しかし、スマホ市場は当分の間、急成長が見込めます。

この成長市場で勝ち残るには、新規開発・投資を切れ目なく行い、他社に対して圧倒的な優位性を確保する必要があります。

これらの投資を継続して行うと、スマホが成熟市場になった時に市場に残れて残存者利益を取れます。スマホは、今後の社会生活に必須な商品となりますので、市場が安定化しても置き換え需要は非常大きくなることが予想されます。

勿論、販売価格も下がっていくでしょうから、価格競争力の確保も必要です。製造コストを抑えるやり方の一つに、製造工場を自社で持たず、製造を外部委託する方法もあります。
今回の提携の対象となる通信用半導体も、外部に製造委託するようです。

電子機器部品も、自動車産業のように1社単独では、巨額の開発投資を続けるリスクを取れないため、今回のように国を超えた企業同士が連携・提携するケースが増えていくと考えます。

このような競合他社との連携・提携で大事なことは、どの分野でWin/Winの関係を作り、何時まで或いはどこまで続けるのか見極めておくことが重要です。

サムスンは、国内企業を抜いている事業分野を多く持っています。サムスンと提携し、クアルコムに打ち勝つ通信用半導体を開発・供給し続けて自社のスマホの商品力を向上させる共通目的があります。

この共通目的を達成し、自社で通信用半導体を開発・供給出来る目処がつく時が提携の解消時期になります。
サムソンは意思決定の早い企業です。色々な意味で先を越されないようにすることが重要です。

国内企業が提携の果実を得つつ、自社のスマホビジネスを最大化し、世界市場で勝ち組に入るよう切磋琢磨することを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


補足;昨日、スズキとVWとの提携について、スズキは早期に解消すべきと申し上げました。スズキの鈴木会長はVWとの提携は解消すると昨日発表しました。
また、先ほど日経速報で以下の情報が入ってきました。

『欧州自動車最大手の独フォルクスワーゲン(VW)のフェルディナント・ピエヒ会長は12日、19.9%を出資するスズキとの提携について「維持する必要はない」との認識を示した。スズキは12日にVWとの資本提携解消の方向で進む可能性が高まった。』

今後のスズキの経営戦略に注目します。

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