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日経記事;「スズキ, 提携趣旨に反した」VW見解 に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月12日付の日経電子版に、『「スズキ、提携趣旨に反した」 フォルクスワーゲンが見解 フィアットからのエンジン調達を批判』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『欧州自動車最大手の独フォルクスワーゲン(VW)は11日、19.9%を出資するスズキとの提携についての見解を発表した。VWはスズキが、VWと競合するイタリアのフィアットからディーゼルエンジンを調達するなど「提携の趣旨に反する行為をした」と表明。

一方で「スズキは投資先として依然魅力的だ」との見解を発表し、資本提携関係を継続したい考えを示した。

VWはスズキと2009年12月末に資本提携したが思うように協議が進まない状況を受け、7月に同提携を再評価する作業に入った。
今回、評価作業の「第1段階の結果」を表明した格好で「最終段階の見解ではない」ことも強調している。

VWは、6月にスズキがフィアットから欧州でディーゼルエンジンの供給を受けることで合意したことについて「提携の趣旨に反するものだ」として批判し「スズキ側は現在、提携関係を正しい状態に戻すために数週間の時間を与えられている」とした。

「スズキ側が提携関係を破るような行為をし、遺憾だ」とし、スズキ側と同問題で協議することを提案したという。一方でVWにとってスズキは依然、魅力的な投資先であるとも強調した。』

スズキとVWの提携は外部からみますと、非常に奇妙です。
スズキとVWは、2009年末に資本提携を公表しました。VWはスズキ株19.9%を持つ筆頭株主で、スズキもVW株1.5%を持っています。

当時の発表記事をみますと、VWはインドに強いスズキと連携して低価格車のノウハウも得る、一方スズキはVWの環境技術提供を得る、とのWin/Win関係を書いていました。

しかし、その後の進展はなく、VWはスズキを批判し、スズキはVWとの提携は、「対等関係が大前提」と再三発表しています。

この提携は最初からボタンの掛け違いを起こしていたようです。今回、スズキがフィアットからディーゼルエンジン調達することを決定したのが事実だとすると、スズキはVWから満足のいく環境技術を提供されなったか、提供を受ける際の条件について合意しなかったことなどが推測されます。

提携は、Win/Win大前提で成り立ちます。
今まで流されてきました幾つかの情報をみると、両社間で指導的役割をめぐる見解の相違があったと言われています。
そのため、上記のようにスズキは「対等関係が大前提」と何度かコメントを発表してきたようです。

一例として、今年5月にVWが株主向けの年次報告書の中で「スズキはVWの持ち分法適用会社で、VWはスズキの財務、経営方針に重要な影響を与える」と明記。これにスズキ側が態度を硬化させていました。

提携交渉を担当するスズキの原山副社長は2011年7月18日に、静岡県浜松市内での共同インタビューで「提携当初の原点である対等の関係に返る必要がある」という考えを示し、VW側が現在のような認識を改めない限り、「VWとの協力を進めることはできない」と提携解消の可能性に含みを持たせていました。

さらに原山副社長は、ディーゼルエンジンの調達契約を結んだ伊フィアットグループを含めて「新しい提携関係も模索している」と述べ、VWを牽制(けんせい)していました。

通常、このような両社間の関係になれば、提携を維持できませんし、維持する必要もありません。さっさと解消すべきです。

スズキからみますと、VWは筆頭株主でいますので、その株を自社で買い取るか、第三社に購入してもらうのかの経営判断も必要になるます。当然、株の売却についてVWの同意を取る必要もあります。お金も時間もかかりますが、早期に動くべきと考えます。

提携は、M&Aほどリスクは高くありませんが、失敗すると自社の商権や商品・サービスに傷がつく場合があります。

提携は、どちらかがWin/Winの関係を見いだせないと認識したら直ちに止めることが大事です。

私は、現在数件の中小企業間の提携・連携活動を支援しています。全ての参加企業がWin/Win/Win・・・の関係を持つことを大前提に行っています。
そこで、ある1社がその提携に不満を持った場合、状況確認後必要があればその企業は提携の土俵から退場して頂きます。

現在多くの企業が新事業立上や投資リスク低減化、販路開拓などを目的に提携・連携を行っています。これから提携を考えている企業は、スズキとVWの提携の状況が参考情報の一つになります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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