日経記事;内需産業も大航海時代M&A活用,円高追い風 に関する考察 - M&A - 専門家プロファイル

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日経記事;内需産業も大航海時代M&A活用,円高追い風 に関する考察

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M&Aコンサルタントとしての活動 M&Aの実行と課題

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月11日付の日経新聞に、『内需産業も大航海時代 M&A活用、円高追い風 アサヒ、オセアニア ユニ・チャームはベトナム』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『内需型の産業とされてきた食品や日用品メーカーが一斉に海外展開を加速している。アジア・オセアニアを中心に現地の有力企業に対してM&A(合併・買収)を相次いで実施。

買収資金を抑えられるという点で歴史的な円高も追い風だ。国内市場は少子高齢化で縮小が避けられない。海外事業を広げないと将来が先細りになるという危機感が企業の背中を押している。


M&A助言のレコフ(東京・千代田)によると、日本企業による海外M&Aは今年1~8月で総額3兆8842億円。すでに昨年1年間の実績(3兆7596億円)を上回った。

武田薬品工業によるスイス製薬企業の1兆円を超す買収が全体を押し上げているが、ビールメーカーや日用品など生活関連企業が目立つのが今年の特徴だ。

例えば食品企業による海外M&Aは1~8月だけで14件。2007~10年は毎年9~13件で推移しており、今年は群を抜く多さだ。

ニュージーランドでの買収に力を入れるアサヒグループホールディングス。飲料メーカーに続き、酒類大手インディペンデント・リカーの買収も決めた。オセアニアでのM&Aは4件で投資額は累計2000億円。
今後は東南アジアに重点を移す方針で、7月にはマレーシアの飲料2位の買収を決めている。


10年で約7%にとどまる海外売上高比率を15年までに20%以上に高める目標を掲げるアサヒ。「長期ビジョンの達成に向けて、意思決定を早くしようと考えている」(泉谷直木社長)として7月に持ち株会社体制に移行した。その後、矢継ぎ早にM&Aを発表した。

「将来性があり、約2億4千万の人口も魅力だ」。サントリーホールディングスの佐治信忠社長は7月に参入を決めたインドネシアの成長性に期待をかける。現地の食品企業ガルーダフードと清涼飲料事業の合弁企業を立ち上げる。「飲料分野は世界でサントリーブランドを伸ばせるチャンス」とみて、今後もM&Aの機会を探る方針だ。

米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)など欧米大手に比べて世界展開が遅れていた日用品や化粧品メーカー。そうした中でグローバル化を急いでいるのがユニ・チャームだ。

今秋に約100億円を投じて、ベトナムの乳幼児用紙おむつ大手、ダイアナ社を買収することで合意した。インドネシアやタイなどトップシェアを誇る市場では自前で工場を建設して開拓してきたが、苦戦しているベトナム攻略にはM&Aを活用した。

生活関連企業の世界展開はアジアやオセアニアが中心だが、M&Aの対象があればより広域に手を伸ばすようになってきている。

キリンホールディングスは8月、2000億円を投じて、ブラジルのビール2位スキンカリオール社を買収すると発表。日本たばこ産業(JT)は7月、アフリカのスーダンのたばこ会社の買収を決めた。

ただM&A戦略はリスクと背中合わせでもある。多額の資金を投じた買収先の企業の業績が悪化すれば「減損が本体の利益を吹き飛ばす規模になりかねない」(アサヒグループの泉谷社長)。
キリンのブラジル社の買収では、同社の創業家の一部株主が買収に反対して訴訟を起こしており、先行きが不透明になった。

食品や生活用品は国によって消費者の好みが異なるため、日本流を持ち込んでも成功は難しい。急速な海外展開に見合ったグローバル人材の育成が各社共通の課題だ。』


記事によると、今まで海外展開に消極的だった内需企業が、海外展開を目指し短期間に事業体制を構築できるM&A活動を加速しているとのことです。

企業の論理からみますと当然のことです。均衡縮小が続く国内市場を中心に事業を行っても成長限界は見えています。
企業は、成長して売上・利益を伸ばして何ぼの世界です。縮小していく狭い市場で出来ることは、値下げと合理化が中心になります。

製造業は当初から多くの企業が海外に出て行きました。狭い市場で勝負しても大きな事業展開が出来ない限界を知っていたためです。

内需産業がM&Aを活用して海外市場に出ていくことは大変良いことです。例えば、多くの内需中心の企業は、国内固有の商習慣になれていますが、海外展開する場合、そのやり方は通用しません。

国内商習慣には良いところもたくさんありますが、意思決定の遅さや、業界特有のやり方などにより、高コスト体質になっている企業が多いとみています。

海外市場に出ますとその様な国内固有のやり方は通用せず、合理性が事業判断の物差しになります。必然的に海外市場の物差しに応じたやり方を取り入れる必要があります。

大手製造業の場合は、長い海外の事業経験を持っていますので、M&Aで海外企業を買収し、自社の経営組織に融合して取り込むことが出来ます。
しかし、内需中心だった企業が急に海外企業を買収して、既存の組織に融合させようとすると無用な摩擦を生み、結局多くの海外従業員が辞めてしまうことになりかねません。

海外従業員が辞めてしまうと、海外市場の工場、商圏や商品・サービスなどを手に入れても砂上の楼閣になりかねません。M&Aが活発になった初期のころ、多くの欧米企業が買収後の組織融合に失敗しました。

「隣の芝生が良く見える」的な安易な発想で、海外企業のM&Aを行うと大やけどを負う可能性は非常に高くなります。これは歴史が物語っています。

M&Aは、買収後の組織融合が上手く行って初めて成功となります。
今後、M&Aをやろうとする企業は、先ず海外展開のやり方を良く研究し、人事、組織、給与体系、海外子会社への権限の渡し方、海外子会社の管理体制・仕組みなどを明確にすべきです。

安易にM&Aを行うと、やけどをするのが落ちです。社内にM&Aを担当できる社員が少ない場合、外部の専門家を使ってM&A実施前から必要性、やり方などを事前確認して行う姿勢が大事です。

M&Aは経営戦略ではありません。売上・利益拡大を行うための経営手法の一手段です。合理的なやり方が必要です。

私は、今までこのような考えで中小企業の海外M&Aを支援してきました。今後も同じです。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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