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丹多 弘一
丹多 弘一
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山本 雅暁
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閲覧数順 2016年12月05日更新

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日経記事;富士通 ソニー国産パソコン輸出拡大 に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月9日付の日経新聞に、『富士通とソニー、国産パソコン輸出拡大 日中コスト差縮小』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『富士通、ソニーがパソコン輸出を拡大する。富士通は生産ラインに複数の作業をこなせる多機能型ロボットを導入し、2013年度に11年度の3倍強にあたる220万台を輸出する。

ソニーはパソコンの設計から生産までを長野に集約して「日本製」の旗艦機種をアジアなどに輸出する。国内工場の生産革新と中国の人件費高騰で日中のコスト差は縮まりつつあり、各社は高品質の「日本製」で新興国市場を開拓する。

日本のパソコン輸出は1996年に年間約3500億円に達したが、現在は1000億円前後にとどまる。人件費の安い中国などへの生産委託を増やしてきた。

しかし中国の製造業の人件費は過去5年に2倍に高騰。「世界の工場」としての立場が揺らいでいる。
日中のコスト差が縮んだため、「日本で生産革新を続ければ、品質維持や納期を考えた場合、遠からず日本で生産したほうが有利になる」(富士通)とみている。

富士通は13年度にパソコンの世界販売台数を1000万台とし、輸出を11年度の3倍の約220万台に増やす方針。輸出比率は3割程度まで引き上げる。主に東南アジアや中近東向けに輸出を増やす。

富士通はファナックのロボットに独自開発のソフトウエアを組み込み、はんだ付けや部品組み付けなど4種類の作業をこなせる多機能ロボットを開発する。グループ5社と共同で新型ラインを構築し、13年度からパソコンや携帯電話などを生産する国内6工場に導入する。

現在、すべて人手に頼っている組み立て工程の約3割を多機能ロボットに置き換え、人件費を3割削減する。開発から生産開始までの期間も短縮できるため、需要期を逃さずに製品を市場に投入できるようになる。

富士通は03年に国内のパソコン工場などでトヨタ生産方式(TPS)を導入。毎年10%以上の生産性改善を続けてきたが、新興国企業との競争や将来的に予想される国内の労働力不足に対応するには新たな生産技術が必要だと判断した。

ソニーは8月から「VAIO」の最上位機種を輸出し始めた。同社は昨年、パソコンの設計から生産までを長野県安曇野市のソニーEMCS長野テクノロジーサイトに集約して生産効率を高めた。「メード・イン・ジャパン」の高品質を前面に打ち出し、東南アジアなど新興国市場でブランドを確立する狙い。

外資の日本ヒューレット・パッカード(日本HP)も8月から日本で販売するノートパソコンの生産を中国から日本に移管した。国内生産台数を1.5倍の140万台に引き上げる計画を打ち出した。「日本で生産すれば納期を短縮できコスト面でも遜色ない」(日本HP)としている。』


中国は、世界の工場としての位置づけから変化しつつあるのは確実です。最大の要因は、人件費の高騰です。記事にあるように、中国の人件費は過去5年間でほぼ倍増しました。

中国で作って世界に輸出するといった事業構造は難しくなりつつあります。中国企業自体も人件費を含めた製造コストの高騰により、安い価格を武器にした海外市場への輸出は難しくなるとみています。

もっとも中国企業の特徴の一つだと思いますが、太陽電池のように供給過剰になっても増産を続け、市場価格を下げて自らも赤字に直面するという傾向もあります。
もちろん、赤字を永久に垂れ流し続けることは出来ませんので、長期的にはそのような経営姿勢は継続できません。

中国内で未だ経済発展を実現していない省では、今後も工場誘致を積極的に進め、雇用の確保に努めるでしょうが、全体的には豊かになりつつあります。

中国では、中間所得層が増えつつあります。この購買力を持った層は、消費地として大きな魅力です。今後の中国ビジネスは、中間所得層を囲い込むための知恵が国内企業に求められます。

中国は、かって日本が歩んだ道を同じように急速に走っています。労働力・労働コストの観点では、一人っ子政策の影響により、近々に若年層の急激な減少が起こり、更に人件費が高騰するとみています。

中国を輸出商品の工場ではなく、巨大な国内市場をもつものとしてとらえ、事業展開することが重要です。

海外市場への輸出のための工場設置は、他の新興国、インド、ベトナム、インドネシア、タイ、マレーシア、バングラディッシュなどへの展開を考える必要があります。

トヨタは、300億円を投資してインドネシアで大幅な増産に乗り出すことを発表しました。これは輸出目的ではなく、インドネシアが東南アジア最大の自動車市場への成長が見込まれているためです。中国から輸出するのではありません。言わば地産地消の考えです。

インド、ベトナム、バングラディッシュなどは、社会インフラ未熟だったり、汚職を含めて非効率な行政の仕組みなどの課題もありますが、日本企業の誘致に積極的です。
世界の工場地域として、今後大きな存在になるとみています。

現在でも、国内企業の海外進出先として中国が最も大きな比率を占めていますが、進出目的、市場状況、他社状況、扱い商品の競争力などの情報・データを事前に入念に収集・分析し、行動することが大事です。

現在は、超円高もあって国内工場の海外移転が話題になっていますが、片一方で国内の主力産業であるデジタル家電商品で、日中間のコスト差が縮小し、日本製パソコンを輸出する企業も出始めている事実もあります。

海外展開を成功させるためには、上記しました様に、入念な事前調査と分析を行って採算性を含めた可否を慎重に見極める姿勢が必要です。

最近、複数の中小企業から海外展開前の事前調査やその結果に基づく対応策の構築について相談を受けています。
日本国内で、事前に入手できる情報・データは多くあります。この情報・データをもとに分析し、対応策を決めます。

このような引き合いが多いので、現在複数の研修セミナー会社と、企業向けに海外市場の情報入手・調査と分析、対応策の決定までのプロセスを体感・理解できるセミナーを計画中です。

具体的になりましたら、ブログ・コラムで発表いたします。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁

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