早わかり中国特許:第3回 特許を受けることができる発明(第3回) - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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早わかり中国特許:第3回 特許を受けることができる発明(第3回)

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早わかり中国特許

~中国特許の基礎と中国特許最新情報~

第3回 特許を受けることができる発明(第3回)

河野特許事務所 2011年10月19日 執筆者:弁理士 河野 英仁

 

4.特許を受けることができない発明

 専利法第25条は以下の6つの発明について特許による保護を排除している。

(1)科学的発見

 科学的発見とは、自然界の中で客観的に存在する物質、現象、変化過程及びその特徴と法則に対する掲示をいう。例えば、ハロゲン化銀が光による照射下で感光の特性を持つという発見自体には特許が付与されない。しかしながら、当該発見に基づき製造された感光フィルム及び当該感光フィルムの製造方法については特許が付与される。

 また、自然界で今まで知られていなかった、天然形態で存在している物質をみつけたことは、単なる発見にすぎず、同様に特許は付与されない。ただし、自然界から初めて分離、または、抽出された物質であって、その構造や形態又はその他物理化学的パラメータが従来技術では認識されておらず、かつ適切に特徴づけることができ、そして産業上での利用価値がある場合には、当該物質そのもの及び当該物質を取得する方法のいずれについても、特許が付与される[1]。その他、ある化学物質の特殊な性質を発見し、当該性質を利用した「用途発明」についても特許が付与される。

 

(2)知的活動の法則及び方法

 知的活動とは、人間の思考活動をいう。知的活動の法則および方法は、技術的手段または自然法則を利用せず、技術的課題を解決せず、技術的効果をも生じないため、専利法第2条第2項に規定する技術方案に該当せず、同時に、専利法第25条第1項(二)号に規定される特許を受けることができない発明にも該当する。

 

 知的活動の法則および方法に該当するか否かは以下の判断基準に則って判断される。

(i)請求項が、知的活動の関係法則と方法だけに関わる場合、特許が付与されない。

 請求項が、その主題名称(例えば、請求項前段部分の「○○装置において」の部分)を除き、限定する全内容が知的活動の法則と方法である場合、当該請求項は実質的に、知的活動の法則と方法だけに関わるものとなることから、特許は付与されない。例えば、以下の法則および方法は特許を受けることができない。

特許出願の審査方法

組織、生産、商業の実施及び経済などにおける管理方法と制度、

交通運転規則、時刻表、試合の規則、

演繹・推理及び計画の方法、

図書の分類規則、

辞書の編集方法、

情報検索方法、

特許分類法、

カレンダーの編集規則と方法、

器具と設備の操作説明、

各種言語の文法、

字のコーディング方法、

コンピューター言語及び計算規則速算法或いは語呂

数学理論及び換算方法

心理測定方法 教授、授業、トレーニングと動物訓練方法、

各種のゲーム、

娯楽の規則と方法 統計、

会計及び記帳方法

楽譜、料理レシピ、棋譜、

体の鍛錬方法 疾病全面検査方法及び人口統計法

情報の記述方法

コンピュータプログラムそのもの

 

  なお、特許を受けることができない発明の内、「コンピュータプログラムそのもの」がある。ここで、注意すべきは特許を受けることができないのはあくまで、コンピュータプログラムそのものであり、ソフトウェア関連発明は特許を受けることができる。なお、ソフトウェア関連発明についての審査は審査指南第2部分第9章に規定されており、非常に重要であることから回を改めて説明する。

 

(ii) 上述した(i)の状況を除き、請求項が知的活動の法則と方法の内容を含むと同時に、技術的特徴をも含む場合、当該請求項が全体として、知的活動の法則と方法でない場合、特許が付与される。すなわち、請求項中の一部に知的活動の法則および方法を含んでいたとしても、他に技術的特徴を含み全体として見れば知的活動の法則および方法といえない場合は、特許が付与される。


 


[1] 審査指南第2部分第10章2.1

                                                  (月刊ザ・ローヤーズ2011年7月号掲載)

(第4回へ続く)

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