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丹多 弘一
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山本 雅暁
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閲覧数順 2016年12月04日更新

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日経記事;ホンダ再出発)(上)世界6極で並行開発 に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月8日付の日経新聞に、『ホンダ再出発)(上)世界6極で並行開発 コスト削減、二輪に学ぶ 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ホンダがクルマ造りを抜本改革する。グローバル化で先頭を走っていたはずが、先進国から新興国への需要シフトで競争条件が一変。

国内では年100万台の生産維持へ商品構成の見直しが待ったなしだ。縮む内需、大震災と電力不足、円高――。強まる逆風に従来の常識は通じない。変化のスピードが鈍っていないか。危機感を募らせる伊東孝紳社長は「早く、安く」と現場に訴える。

世界115カ国で年間50万台近くを販売する戦略小型車「フィット」。2014年に発売予定の次期モデルで、ホンダは業界でも例のない開発手法を採用する。

日本、中国、アジア・太平州、北米、南米、欧州の6つに分かれた開発・調達拠点で同時並行で現地仕様に作り込む。骨格やエンジンなど基幹部品は同じだが、仕様や部品調達先はバラバラ。似て非なるフィットを世界各地で生み出す試みだ。

これまで国内外で販売するクルマの基本仕様は本田技術研究所(栃木県芳賀町)で決めてきた。開発に没頭できるよう別会社として本体から切り離されたホンダの“聖域”だ。開発の現地化は研究所の権限を奪うことに他ならないが、伊東社長はためらわない。

「そんな車が売れるわけないだろ」。2年前、伊東社長は烈火のごとく怒った。当時、新興国で売り出すクルマは先進国向けの図面をそのまま現地の工場に送り、過剰な仕様で高コスト部品を使って造っていた。

「研究所に好きなように動かれては良い商品は生まれない」とみる伊東社長は研究所社長兼務という異例の体制を敷いていた。

世界の四輪車市場は金融危機を境に激変した。10年には新興国市場が3600万台を突破し先進国を逆転。ホンダは連結営業利益の半分を北米で稼ぐ1本足構造から脱却できないでいた。

突破口が見つからないまま、伊東社長は09年11月、インドを訪れた。足を運んだ二輪車工場で目の当たりにした光景に思わず声を上げた。「なんだ、二輪はちゃんとやっているじゃないか」

現地好みのデザインを採り入れ、現地の安い部品で生産。7万~10万円と地元メーカー並みの安値を実現し、造るそばから売れていた。「二輪車は年1000億円以上の利益を稼ぐ体質ができている」(財務担当の池史彦専務執行役員)

帰国するや伊東社長は四輪車の開発部門に二輪車の手法を学ぶよう号令をかけた。お互い対抗心すらある両部門。渋る技術者を埼玉県朝霞市の二輪車の開発拠点や熊本県大津町の工場に送り込んだ。四輪車担当者の意識が徐々に変わった。

ホンダがインドで10月末に発売する新興国専用車「ブリオ」の開発も常識との戦いだった。
「この原価じゃ、まだダメじゃないか」
「ちゃんと社内計画を達成しています」
「円高になったんだから、お客に届ける時には未達になるだろ。もう一回がんばってくれ」

研究所を訪れた伊東社長は技術者にこう告げ、7合目まで進んだ作業をひっくり返した。インド事業で先行するスズキの小型車を解体して部品メーカーを調べ、重さを多少犠牲にしてでも安いインド製鋼板を選んだ。何よりこだわったのは安く造ることだ。

ブリオの部品の現地調達率は9割だが、材料までたどれば6割止まり。価格は90万円程度と割安感はない。「まだまだ立派な車じゃないか」。伊東社長は通常なら新車発売後に解散する開発チームを残し、

より安い代替部品を探すよう宿題を課した。山下雅也常務執行役員は「日本の関与を上手に減らしていかなければならない」と部品調達の方向性を示す。

金融危機後も赤字を出さず、11年3月期の連結営業利益で自動車業界トップに立ったホンダ。だが12年3月期はトヨタ自動車、日産自動車の後じんを拝する見通しだ

。震災の打撃が他社より大きかったのが直接の理由だが、韓国・現代自動車や独フォルクスワーゲンなどライバルは待ってはくれない。世界6極による次期フィットの並行開発をクルマ造り再出発の一歩とする覚悟だ。』


この記事は、乗用車だけでなく国内製造業が世界市場で商品を製造・販売していく時のやり方の参考になります。

従来、国内製造業にとって主要海外市場は欧米を指していました。ここ、数年間の間に、中国やインド、ブラジルに代表される新興国市場が台頭してきました。同時に、日本や欧米市場は不況状態にあり、多くの需要は新興国から来るようになりました。

現在の新興国と欧米市場間の決定的な違いの一つが、市場で受け入れられる価格差にあります。どんなに機能や性能が良くても、価格が当該市場の顧客の常識より高ければ、売れません。

新興国が貧しくて購買層が富裕者層に限られていた時代には、先進国仕様の商品をそのまま持ち込んでも、一定の売上を確保できました。

新興国では、中間所得層が激増しています。その国・地域で売上を伸ばすには、この中間所得層に購入してもらう必要があります。

また、新興国では現地企業が力を付けてきています。インドの自動車業界ではタタが代表格です。国内乗用車メーカーが、新興国で売上を伸ばすには、各国・地域のニーズに合った現地仕様と適切な価格で提供する必要があります。

上記ホンダの動きは、世界市場の変化に合わせた開発・製造のやり方を示唆しています。開発に関して言いますと、現地ニーズの発掘、早期開発、低コスト化を同時に実現しないと、競合他社に勝てません。

しかも、今後ガソリンエンジン車からハイブリッド車(PV)や電気自動車(EV)に需要がシフトしていきます。車に使う部品点数が大幅に下がり、ガソリンエンジンやブレーキシステムなどで差異化を可能に出来た部分が少なくなります。

極論すると、バッテリーやモーター、その他車を構成する部品を入手出来れば誰でもPVやEVを作れる時代になりました。このことは、パソコンや高級携帯達末などのデジタル家電分野で、製造業の構造が水平分業になって低コスト化・低販売価格化が進み、差異化が難しくなった先例で将来の自動車産業の姿が予想できます。

ホンダは先手を打って勝ち残りを図ろうとしています。
今後の動きに注目します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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