日経記事;東芝/日立/ソニーが液晶統合新会社年内に に関する考察 - 事業・企業再生戦略 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:事業再生と承継・M&A

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;東芝/日立/ソニーが液晶統合新会社年内に に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 事業再生と承継・M&A
  3. 事業・企業再生戦略
M&Aコンサルタントとしての活動 M&Aの実行と課題

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月31日付の日経新聞に、『東芝・日立・ソニーが液晶統合新会社 革新機構と年内に』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『東芝、日立製作所、ソニーと官民ファンドの産業革新機構は31日、中小型液晶パネル事業の統合新会社を年内に設立すると発表する。

高機能携帯電話(スマートフォン)などに使う液晶パネル市場で唯一、シェアが20%を超える世界最大手の企業が誕生する。最先端の技術を3社が持ち寄り、革新機構の資金を活用して生産能力を増強する計画だ。韓国や台湾勢に競り負けてきた液晶パネル分野で巻き返せるか。

米ディスプレイサーチによると2010年の中小小型液晶市場ではシャープが14.8%、3社連合でのシェアは21.5%とシャープを抜いて1位となる。

スマートフォンやアップルのタブレット端末などに搭載する中小型パネルの需要増に応えるには、1000億円規模の新工場が不可欠だ。

ただいったん供給が過剰になると、価格が急落するのもパネルビジネスの宿命。日立と東芝、ソニーの3社は高精細パネルなど技術が優位性があるうちに、事業基盤を拡大することが必要との認識で一致した。

3社が革新機構と統合交渉を本格化したのは6月末。3社統合の成果が問われるの新工場を、どこに建設するかを巡って調整が続けられた。

日立は千葉県茂原市にあるパナソニックのテレビ向け大型液晶パネル工場を買収し、中小型パネル向けラインに転用する案を主張している。同工場は日立ディスプレイズに隣接しており、日立の技術を移転しやすい。新工場を更地から建設するより短期間で量産体制を築けるのが利点だ。

東芝は既存工場を使っても製造装置の入れ替えが必要なほか、老朽設備の廃棄費用などを考えると、新工場を建設するよりコスト高になる可能性もあるとみる。

新工場の立地を巡る調整が難航しているのは、統合交渉の組み合わせが何度も変わったことが背景にある。昨秋から今春にかけて日立は電子機器の受託生産で世界最大手の台湾・鴻海精密工業に、液晶パネル事業を事実上、譲渡する交渉を重ねた。その際、能力増強策としてパナソニックの工場活用を検討したのが始まりだ。

東芝とソニーは革新機構の出資を得て2社の事業統合を模索。両社の拠点がある石川県や愛知県に新工場を設けることを検討していた。

6月末に日立が鴻海との交渉を打ち切り、東芝ーソニー連合の協議に合流したため、それぞれの思惑がぶつかる形となった。

革新機構は新会社に約2000億円を出資する。立地の決定権は新会社に7割を出資する革新機構にあり、「徹底的に経済合理性で判断する」(革新機構)と強調する。

中小型パネルで勝ち残るには、世界規模の特需を誰よりも速く囲い込むスピードが必要。新工場を迅速に決定できるか、統合新会社の競争力を占う試金石となりそうだ。』


M&Aや経営統合を行う際に重要なことは、迅速さです。迅速に行わないと、秘密保持が難しくなったり、関係企業間で疑心暗鬼などが起こり、頓挫することが多くなります、

今回の3社統合は、新聞記事になっていますので、関係企業間で大枠の仕組みに合意が得られていると推測します。

オールジャパンで中小型パネル事業で世界ナンバーワン企業となり、台湾や韓国企業との競争に打ち勝つためには、積極的かつ迅速な意思決定に基づく攻めの経営が必要となります。

記事にある通り、統合の過程で3社に意思の不一致がある場合、今後の経営体制にも影響が出る可能性があります。

統合の目的や成果は、明確であったと推測します。記事によると、東芝とソニーの2社で統合を進めていた途中段階から日立が参入して、3社体制になり意思決定に時間がかかっているようです。

このような場合は、リーダー格の企業の役割が重要になります。強いリーダーシップを発揮して、統合の目的や期待成果を物差しにして、関係企業と話し合いながら、統合の支障になる事項や課題を早期に解決・排除していくことが重要です。

また、統合過程で関係企業間で思惑や方針に顕著な違いが出てきた場合は、当該企業を排除するか統合自体を止める決定も行う勇気も必要になります。

良くあることですが、一旦始めたプロジェクトなので何とかなるだろう的な気分で進めてしまうことがあります。国内企業間のM&Aや統合に見られるケースです。

経験則で言いますと、このようなケースは絶対に上手くいきません。途中でやめる仕組みを統合開始前に決めておき、関係企業間で明確化していくことが必要です。

これもリーダー格企業のリーダーシップ発揮がポイントになります。

今回の場合、リーダー企業は革新機構になります。革新機構は、3社の思惑をみながら早期に事業化する道筋を明確化することが求められます。

記事からは、統合の中身や最新状況は読み取れませんが、オールジャパンで世界ナンバーワン企業を作るという大目標に向けて、4社の早期調整を進めて早く果実を生み出すようにすることが重要であり、期待します。

統合過程でも統合後でも迅速な経営スタイルが勝者となるために重要であることを理解して推進して欲しいと考えます。

統合やM&Aを考えている中小企業は、この3社統合の動きを大いに参考にしてください。上手く行っても行かなくてもその原因と対策を知ることは、大いに役に立ちます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「M&Aコンサルタントとしての活動」のコラム

このコラムに類似したコラム

経営改革に成功する会社の必要条件(5) ドクトル・ホリコン 堀内智彦 - 経営コンサルタント(2011/09/21 08:00)

金融円滑化法終了後も、まず検討すべきは? 萩原 貞幸 - 経営コンサルタント/起業家(2013/04/16 14:25)

シャープ再建は、おそらく、、 萩原 貞幸 - 経営コンサルタント/起業家(2013/03/27 00:32)

シャープ再建は、おそらく、、 萩原 貞幸 - 経営コンサルタント/起業家(2013/03/27 00:49)