311震災に学んだ建築士が言わなければいけない言い難いこと。 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

加藤 一枝
晴ハレ住環境設計 所長
愛知県
建築家
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311震災に学んだ建築士が言わなければいけない言い難いこと。

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 平成23年7月、所属する建築士の団体の勉強会で、地震工学の権威、福和伸夫先生のお話しを伺った。

 福和先生は、前置なしで情熱的に訴え始められた。

 戦後の建築・都市の原理は、3.11震災で否定された。科学は、知識人により、面倒なことをしなくてもいい言訳に使われてきてしまった。何もかもが細分化しすぎ、専門家は専門内の責任範囲にしか関心が無くなり総合力を失った。そして、日本の科学技術、安全安心に対する国際的信用も失ってしまった、と。

 そして、その信用を取り戻して立ち直るには、次の震災に耐えて見せるしかないと訴えられ、今後必要となる私たち建築士の取組み姿勢を示された。

 この国は既に多債、超高齢社会となっており、次の震災では、経済的支援も人命救助等も期待できないため、自助の準備をしておかなければ、次世代は回復不能となってしまう。

 故に、建築士が果すべき役割は大きい。と。

 具体的には、勇気を出して本当のことを言い、国民が生命と財産を守れるよう導こう!と。

 例えば、その土地が危険であること、液状化地域は救援も遅れること、人生の節目を利用して安全な土地に移り住むといいこと、利用者の維持管理が悪いと建物は弱くなること等。そして、設計者は、利用者が理解でき、自ら維持管理できるように、身近な技術を使い、強・用・美を備えた共助も可能とするデザインをし、まちを安全に造り変えていこう!と。

 3.11震災に酷似の貞観津波地震(869)の18年後に東海・東南海・南海地震が起きている。今すぐにやろう!と福和先生は、温かく叱咤激励をされ、研修会を締め括られた。

 このセミナーを機に、私も早速、液状化の怖れのある地域に住む知人に声をかける、という行動を起こした。

 感謝をしてくれた。これまで、遠慮をしてきたことを深く反省した...。

 

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