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日経記事;欧州エネルギー企業,独脱原発で事業改革 に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月14日付の日経電子版に、『欧州エネルギー企業、独「脱原発」で事業改革』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『欧州のエネルギー関連企業がドイツ政府による2022年までの原子力発電廃止の決定を受け、事業構造の改革を迫られている。エーオンなど電力大手は原発の操業停止で業績が悪化し、人員削減など合理化に着手。

原子力大手の仏アレバなどは代替電力源となる風力など再生可能エネルギーの関連設備の事業拡大に乗り出した。

独国内で発電事業を展開する欧州電力大手の独エーオン、独RWE、スウェーデン・バッテンフォールの3社は、1~6月期に「脱原発政策」に伴い合計39億ユーロ(約4300億円)のコストが発生した。

福島第1原子力発電所の事故を受け、独政府が決めた原発操業の緊急停止に伴う関連費用や核燃料税が負担となった。原発の操業停止は現在も続き、電力会社は燃料が高騰する火力での発電強化などで対処している。

エーオンは脱原発が19億ユーロの減益要因となり、4~6月期は16億ユーロの赤字(前年同期は16億ユーロの黒字)と四半期ベースで初の最終赤字に転落。

ヨハネス・テイセン最高経営責任者(CEO)は「事業環境は一気に暗転した」と指摘し、従業員の14%に相当する最大1万1000人を削減することを決めた。15年までに年間ベースで15億ユーロのコスト低減を目指す。

RWEは非中核事業の整理を加速し、13年までに事業の価値ベースで110億ユーロ規模の事業から撤退する方針。当初は80億ユーロの予定だったが、脱原発の決定で規模を引き上げた。すでに水道事業からの撤退を決めた。

年間の設備投資額も、14年から現状より15億ユーロ程度少ない40億ユーロに圧縮する。事業改革により「Aランクの社債格付けをなんとしても維持したい」(RWEのユルゲン・グロスマン社長)考え。

エネルギー関連設備を手掛ける重電業界への影響も大きい。独シーメンスは原発関連事業の縮小を急ぎ、仏アレバとの合弁事業を解消。
欧州メディアによると、ロシア国営の原発大手ロスアトムとの合弁解消も検討する一方、ロシアでの事業基盤を保つため、現地のガスタービン大手と提携するなど軌道を修正する。

一方、製造業など大口需要家の間では、原発の代替として火力ではなく、風力や太陽光をエネルギー源とする再生可能エネルギーの活用が急速に広がってきた。

自動車大手の独BMWが独東部に建設中の工場では、13年から始める電気自動車(EV)の量産に必要な電力をすべて再生可能エネルギーでまかなう予定。敷地内に風力発電所を設置することも決めた。

独鉄道最大手のドイツ鉄道はRWEの水力発電所から今後15年間にわたり、年間9億キロワット時の電力を購入する契約を結んだ。
RWEはドイツの再生可能エネルギーの発電設備に対し、13年までに合計13億ユーロを投資する。』


ドイツ政府は、脱原発を国の方針として決めて動き出しています。代替エネルギーは、再生可能エネルギーとなります。

当面の課題は、再生可能エネルギーのコスト高です。すでに各電力事業会社の経営を圧迫し始めており、各企業はリストラや、集中と選択によりコスト圧縮を図っています。

原発に依存しない中で、コストを抑えながら発電能力を高めていくことに挑戦しています。再生可能エネルギーを中心とする発電コストは、原発に比べて1割ほど高くなると見込まれています。

この発電コスト圧縮も、ドイツ産業界の維持強化のために今後の大きな課題になると考えます。

もともと、環境を重視してきた国民性から、脱原発を大前提として色々な工夫をしながら、再生可能エネルギーのコスト抑える努力と、省エネ化の徹底により消費電力を下げる努力を官民一体となって行うでしょう。

大口需要家でもBMWのように、自社工場敷地内に風力発電を含めた再生可能エネルギーによる発電設備を持とうとする企業も現れています。

国内の場合、原発への依存度を下げながら、再生可能エネルギーをどのようにして活用していくのか考える必要があります。

ポイントは、発電能力とコストです。

月内に関連法案が成立する見通しとなった再生可能エネルギーの全量買い取り制度があります。

確かにこの制度により、売電目的の太陽光発電の電気も割高な価格で買い取られるようになり、国内で事例が少なかった大規模太陽光発電所の建設を後押しするとみられています。

今後、試行錯誤しながら、再生可能エネルギーをどう効率的に使っていくのか早急に道筋を見極める必要があります。

解決すべき課題は、以下の通りです。

1.低い発電効率の改善
2.高い設備投資
3.安定しない自然環境
4.厳しい土地利用規制
5.電力会社の買い取り姿勢などを含めた独占的な立場の改善、など


1及び2項の課題は、技術的な進化により改善されます。太陽光発電に対する需要が増えて生産数量が伸びれば、新規開発やコストダウンに向けた投資が進み、改善・改良が可能になります。

3項については自然相手なので、対応するには蓄電装置との組み合わせで解決するしか方法がありません。現在蓄電池は大きな技術改良が進んでおり、より効率的な当該装置との組み合わせが可能になります。
後押しするのは需要拡大です。

4項については、例えば、工場立地法があります。この法律は、主に工場用地に占める生産設備の容積率を規定しており、電力供給事業者にも適用されます。
発電所の土地に占める発電設備の面積は50%以下にする必要があります。太陽光発電の建設用地を確保しても、半分は直接発電には使えないこといなりますので、規制緩和が必要です。

政府はこの規制緩和について早急に検討・実行する必要があります。昨年、建築基準法を緩和してコンテナ型のデータセンターが容易に作ることが出来るようになり、多くのデータセンターが生まれています。

5項についても、政府のイニシアチブでより弾力的な発電・給電・売電の仕組みに作りかえる必要があります。
4及び5項の規制緩和は国内に新規産業の育成効果も期待できます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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