日経記事東芝半導体種類半減震災で少量多品種見直しに関する考察 - 事業・企業再生戦略 - 専門家プロファイル

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日経記事東芝半導体種類半減震災で少量多品種見直しに関する考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月13日付の日経新聞に、『東芝、半導体の種類半減 震災で少量多品種を見直し』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『東芝はマイコンなど自動車や電子機器に広く使われる半導体の種類を削減する。用途や顧客、機能に応じて5000~6000種類ある製品を、2011年度中に半分にする。

自動車メーカーなど顧客の要望に合わせて設計してきた特注品を減らし開発・生産効率を高める。地震などで工場が被災した場合に、他の拠点で代替生産しやすくする狙いもある。

半導体業界ではルネサスエレクトロニクスもマイコンなどの設計共通化に着手している。自動車や電気製品の部品メーカーを中心に、収益の圧迫要因になってきた少量多品種の構造を見直す動きが広がりそうだ。

東芝は東日本大震災で被害を受けた岩手県の半導体生産子会社が復旧したのに伴い、製品構成の見直しを決めた。対象となるのは特定の部品の動きを制御したり、画像や音声を処理したりするのに使うシステムLSI(大規模集積回路)やマイコン、アナログ半導体。

半導体は円盤状のシリコンウエハーに電子回路を焼き付けてつくる。直径が200~300ミリのウエハーが主流で、製品の絞り込みにあたってはコストが割高な150ミリウエハーでつくる半導体をできるだけ廃止する。

ソフトウエアを書き換えるだけで顧客が必要とする機能を追加できる半導体も増やすことで特注品を減らす。製品は岩手と大分県にある2工場で生産できる設計にする。

東芝の11年4~6月期の半導体部門は16億円の営業黒字だった。電子機器のデータ保存などに使う主力のフラッシュメモリー事業は150億円程度の黒字だったとみられるが、マイコンを含むシステムLSI事業の赤字が帳消しにした。

日本の半導体大手は、少しでも競合他社の製品との違いを出したい顧客の求めに応じ、用途は同じでも個別に設計を変えているケースが多い。

ただ震災で半導体などの調達ができず減産に追い込まれた自動車メーカーなども特注品のリスクを再認識し、調達体制の見直しを始めている。東芝は顧客の了解を得ながら、半導体の統廃合や設計の共通化を進める方針。』


多品種少量生産は、多様化する顧客・市場の要求に合わせるために必然的になっています。問題は、多品種少量生産自体を否定するのではなく、そのやり方です。

事業は利益をだして何ぼの世界です。顧客の要求に従って供給した半導体が赤字であれば、その事業を行う意味は全くありません。

その観点からみますと、東芝はようやくその赤字問題の解決に着手したのだと考えます。
記事によると、コストが割高な150ミリウエハーでつくる半導体を廃止するとのこと。このサイズの半導体がLSI事業の足を引っ張っていたのでしょう。

顧客には他のサイズである、直径が200~300ミリのウエハーへの変更を求めるとみています。顧客にとっても汎用サイズへのシフトを決めれば、東芝以外からの調達も可能になります。

直径が200~300ミリのウエハーに生産を集約し、差異化はソフトウエアで行うのでしょう。

今までこのような赤字の半導体事業を継続してきたのは、国内企業同士の密接な関係があり、赤字でも自動車や電気製品メーカーとの関係を考慮して生産・供給を継続してきたのだと推測します。

大震災後のサプライチェーン分断が見直しのきっかけとなったようですが、世界市場をベースに半導体事業をみた場合、東芝は他事業で行っている集中と選択を当該事業にもっと早く手をつける必要があったと考えます。

東芝は、現在、環境・社会インフラ事業に大きく舵を切りつつあります。
この事業環境下、事業の足を引っ張る赤字ビジネスは、改善の見込みがなければ、縮小・撤退を相当なスピードで行う必要があります。

東芝は、今後の国内産業の主力産業の一つである環境・社会インフラ事業のリーディングカンパニーになってもらう期待があります。

集中と選択を加速して、筋肉質の企業になり、環境・社会インフラ事業の世界市場で勝ち組になって欲しいと考えます。
パナソニックや日立にも同じような期待があります。

中堅や中小企業にとっても同じことが言えます。自社製品・事業の強み・弱みを見直して弱い部分は徹底的に縮小もしくは止める大胆な発想が必要です。

世界市場での勝ち組になるための方向性の明確化と早期実行が求められます。
国内製造業者は、差異化可能な技術を持っています。その技術をいかした製品を開発し、得意分野で他社を凌駕して世界市場で勝負する発想が大事です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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