中国におけるソフトウェア/ビジネス関連発明の保護適格性(2)(第4回) - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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中国におけるソフトウェア/ビジネス関連発明の保護適格性(2)(第4回)

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中国特許判例・審決紹介:中国におけるソフトウェア/ビジネス関連発明の保護適格性(2)(第4回)

~ビジネス関連発明の保護適格性と審査~

河野特許事務所 2011年9月26日 執筆者:弁理士 河野 英仁

雅迅ネットワーク有限公司
                       復審請求人

 

5.結論

 復審委員会は、国家知識産権局が2005年4月8日に01134137.8号発明特許出願に対してなした拒絶査定を取り消した。

 

 

6.コメント

 復審委員会における判断に見られるように、BM関連発明の審査手法はCS関連発明の審査手法とは相違する。技術三要素手法を用いる点で両者の審査手法は共通する。しかしながら、BM関連発明に対しては現有技術に対する貢献が商業的なものでなく技術的なものか否かが判断される点で、そのような判断がなされないCS関連発明の審査手法と相違する。

 

 もう一点注意すべきは、従来技術と課題設定である。BM関連発明の審査においては、まず出願人自身が設定した従来技術と、当該従来技術に対する課題とを出発点として、請求項に係る発明がなす貢献が評価される。この出願人自身が設定した貢献が商業的なものであれば、出願人自身の手で保護適格性を否定してしまうこととなる。

 

 例えば、金融取引に関する発明であり、従前の手法に比して投資によるリターンが最大化される等、その貢献が明らかに商業的であれば専利法第25条第1項(2)に該当するとして即座に拒絶される。課題、解決手段及び効果の記載についてはパリ条約に基づき中国へ優先権主張出願する際に商業的な面を排除し、本事件における請求項のようにハードウェアを多く記載し、技術的な側面が強調されるよう記載することが必要である。

 

 出願人自身が設定した現有技術に対する貢献が技術的なものであっても、保護適格性を有さないと判断される場合がある。審査官が新たにサーチを行い専利法第22条第5項にいう現有技術を発見した場合である。審査において新に発見された現有技術に対しても、貢献が技術的なものであることが必要とされる。つまり2つのハードルを乗り越える必要がある。

 

 出願時点ではこの後者の現有技術は把握できないため、当該現有技術に対する差異が商業的と指摘された中間処理の段階で、当該現有技術に対し技術的な差異・技術的な効果が出るよう補正を行う。その上で、意見書にて現有技術に対する貢献が解決課題及び獲得される効果面において、技術性なものであり、技術三要素要件を具備する旨主張することが必要とされる。

 

審決 2006年6月13日

以上

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