日経記事;カメラ/車一気に進化,超微細部品の実力に関する考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:新規事業・事業拡大

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;カメラ/車一気に進化,超微細部品の実力に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 新規事業・事業拡大全般
情報・知識 ビジネス雑感

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月1日付の日経新聞に、『カメラ・スマホ・車…一気に進化、超微細部品「MEMS」の実力』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。
記事の主な内容は以下の通りです。

『オリンパスのデジタル一眼カメラ「PEN E―P3」の発売日の7月22日。東京都内のある家電量販店はあっという間に品切れとなった。

消費不振のなか約10万円もする高級カメラが好調に売れたのは「初心者でも精度の高い写真が撮れる」こと。夕闇を時速250キロ超で走り抜ける新幹線など「高級一眼レフでないと無理」とされた写真が簡単に撮れる。

理由の1つはPENに組み込んだジャイロセンサー。半導体の製造技術を応用、電子部品に超微細加工を施し機械構造などを組み込んだMEMS(微小電子機械システム)部品だ。

手掛けたのは電子部品メーカーのセイコーエプソン。このセイコーエプソンのジャイロセンサーの持つ手ブレ補正技術が初心者の高精細な写真撮影を可能にした。

MEMS技術は電子部品を一足飛びに微細化し、機能も向上させる。デジカメや自動車など様々な製品に入り込みその常識を覆そうとしている。

ジャイロセンサーの力を決めたのが内部にひそむ6つの水晶片。半導体製造技術を応用、化学薬品を使い細部を腐食させながら、一辺わずか70マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルの世界最小レベルに仕上げた水晶片だ。

この小さな水晶片がカメラのほんのわずかな傾きも検知、手ブレを自動的に補正する。MEMS技術を使わず、ダイヤモンド粉末により水晶を研磨していた従来の製造方法では、一辺が数ミリメートルからせいぜい数百マイクロメートル。この水晶片の大きさの差が手ブレの補正力の差となる。PENの手ブレの補正精度はMEMS部品を使わない他社製品の数倍に高まった。

ジャイロセンサーを手掛けたセイコーエプソンはデジタルカメラ向けで世界シェアトップ。躍進のきっかけとなったのは2005年、MEMS技術を使いジャイロセンサーをこれまでの2分の1程度に小さくしデジタルカメラへの搭載を可能にしたことに始まる。コンパクトデジタルカメラでも本格的な写真撮影が可能になるとあって引き合いは増え、シェアは見る見る拡大した。

パナソニックが半導体製造で30年超かけて磨いてきた薄膜形成技術。この技術もまたMEMSと融合、新しい市場を切り開こうとしている代表格だ。

新市場は自動車の横滑り防止装置(ESC)市場。欧米では日本より一足先に自動車に標準装備することが義務化されたが、日本でも12年10月から義務化が始まる。これによりESCの主要部品である角速度センサーの需要は一気に高まる。

パナソニックはすでに角速度センサーを使い車体の傾きを感知、横転事故を予防する安全装置市場には参入済み。市場規模は数百億円で、パナソニックはこの市場で「50%超と世界トップレベルのシェアを持つ」。ESCが立ち上がれば横転事故予防装置と合わせて「数千億円市場に成長する」ことは間違いなくパナソニックには大きなビジネスチャンスとなる。

パナソニックの角速度センサーの強さの秘密は感度にある。他社製品に比べ感度は10倍高い。背景にあるのはMEMSの力だ。

角速度センサーはシリコン製のセンサーの上に圧電薄膜を重ねて形成する。感度の鍵を握るのは圧電薄膜の薄さ。揺れた時に発生する慣性のエネルギー(動いた方向とは逆の方向に戻ろうとする力)を感知するには圧電薄膜が薄いほど感度が上がる。

パナソニックは薄膜を蒸着させて形成するMEMSの技術を活用、厚さ10マイクロメートル以下と極薄の圧電薄膜を形成し、高感度センサーの製品化にこぎ着けた。感度が10倍になるだけでなく体積もこれまでの2分の1となり、自動車の制御基板に搭載することが可能になる。

工事現場からかけた電話もまるでオフィスからの電話のよう――。MEMSの力はいずれこんなスマートフォン(高機能携帯電話)を当たり前にしてしまうかもしれない。。。

電子部品市場では液晶Xパネルなど台湾や韓国勢に対し劣勢に回ることが目立つ日本。しかし、センサーなどでは依然、世界市場でも存在感は強い。上るか下るか――。分水嶺に差しかかりつつある日本の電子部品メーカーにMEMSは大きな武器となる可能性を秘める。MEMSの力で部品市場での競合を勝ち抜いていけば、最終製品を含めた日本のものづくり再興の切り札となるかもしれない。』


この記事では、本文以外にMEMS(微小電子機械システム)部品の代表例を紹介しています。微小・極小化技術は、国内電子・電気メーカーの得意分野の一つです。

この中でもセンサー技術は日本のお家芸の一つになります。
記事の中にあるセイコーエプソンやパナソニックなどのMEMS化されたセンサーは、新市場を開拓するけん引力となりますし、これらの部品の付加価値も高まります。

差異化された技術・部品は、価格競争に巻き込まれず一定の収益をあげられる事業になります。
部品・技術開発の理想的な姿の一つは、国内企業が最先端のMEMS部品の開発を進め、製品搭載時に新規市場を開拓し、売上の拡大と差異化された技術により利益を確保出来ることです。

電子・電気部品の分野では、韓国、台湾、中国の追い上げが激しく、多くの分野で国内企業が勝ち残れなくなりつつあります。
その環境下で、微小・極小化技術は国内企業が優位性を保ち、今後も市場をけん引していける分野です。今までに蓄積された技術にさらに磨きをかけて、世界市場を開拓し続ければ、売上と利益を確保していくことが可能になります。

セイコーエプソンやパナソニックなどの事例や、その他表にリストアップされたTDK、横河電機、オムロン、旭化成などのセンサー部品も今後の成長が楽しみなものです。

中小企業の場合も同じで、微小・極小化技術で優位性を持っている多くのものがあります。市場規模は小さくてもその分野ではナンバーワンとなれますので、一定の利益を確保できます。特化し専門化して他社の追随お許さない技術の集積が必要です。

今回の記事は、今後の日本の製造業のあり方を示唆しています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「情報・知識」のコラム

このコラムに類似したコラム

日経記事;太陽電池の国内出荷3割増住宅用4割伸びる に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2011/11/17 15:53)

日経記事;コニカミノルタLED照明参入 薄型で差異化 に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2011/07/08 09:10)

日経記事;次の成長へ新分野,リコー事務機収益に陰りに関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2011/07/07 18:44)

「お客様満足」って何の為? 松下 雅憲 - 店長育成・販売促進ナビゲーター(2013/09/05 06:00)