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村田 英幸
(弁護士)
村田 英幸
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閲覧数順 2016年12月06日更新

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結婚にまつわる節税その2~贈与税の配偶者控除

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前回のコラムでご案内した通り、婚姻にまつわる節税シリーズとして、今回は生前の節税である「贈与税の配偶者控除」についてお話していきたいと思います。


民法上でもそうであるように、共有財産は相続税法上でも「夫婦の協力なくして築くことができなかった財産」として、例え夫婦のどちらか一方の名義であったとしても、それは「実質的共有財産」として夫婦双方に同等の権利があると認識します。

被相続人と家計を同じくしていた配偶者(夫もしくは妻)が、被相続人が亡くなることで、その住んでいる住居や貯金といった財産のすべてに高い税金がかけられるとなると、国民として最低限度生活を営む権利さえもが不安にさらされかねません。


ですから、配偶者にはさまざまな特例・規定が設けられている訳ですが、相続税の生前対策ともいうべき贈与税の特例は、ずばり「家」です。

居住用の不動産であれば、土地でも、家屋でも、その購入資金でも構いません。

以下の条件であれば、元々設けられている贈与税の基礎控除の110万円のほかに、2,000万円までが控除の対象となります。

(1)婚姻期間が20年以上であること。

(2)家屋、敷地、借地権、金銭のいずれでも構わないが、いずれも「居住用不動産」、もしくは「居住用不動産の購入資金」であること。

(3)翌年の3月15日までに居住していること。


この「配偶者控除」を適用した贈与は、相続開始前3年以内の「生前贈与加算」の対象とはなりませんので、例えば、贈与した年に配偶者が亡くなり、相続開始となったとしても、この特例は有効となります。

注意すべき点は、この婚姻期間という条件に内縁関係、もしくは内縁関係にあった期間は含まれません。そして、この特例は、同じ配偶者間では一生に一度しか適用を受けることができませんので、「一度800万円の範囲で控除を受けたので、数年後に1,200万円分の控除を受け直す…」という風に分けて適用することはできません


この配偶者控除は、例えば、老後は自宅を売却して、ふたりでシルバーマンションに移り住もうと考える夫婦の節税対策としても有効な特例で、自宅の贈与税評価額の2,000万円(2,110万円)分を配偶者に名義変更し(贈与税は控除)、自宅を「共有名義」にしておくことで、将来、自宅を売却する際に、夫婦合わせて6,000万円までの売却益に対して所得税の控除を受けることが可能となります。


もう少し細かい話をすれば、1階が店舗で2階が住居用スペースといった感じの「店舗兼住宅」に住んでいた場合、この特例はあくまでも「居住用不動産」を対象した場合のものなので「店舗部分」には適用できないのですが、納税者に有利なよう、「上限の2,000万円の範囲は、住居部分から優先的に贈与がなされた…」とみなして贈与税の計算をすることができます。

また、居住部分が概ね90%以上ある場合には、全体を居住用不動産として扱うこともできます。


「居住用不動産を取得するための金銭の贈与」の場合には、贈与年の翌年3月15日までに居住用不動産を取得して住み始めなければならないという規定ではありますが、住居の建築工事等が遅れるなどして、やむを得ない場合には、「家屋の表示登記が可能な状態まで工事が進行」していれば、一定の条件下で「配偶者控除」を認めてもらうことは可能です。


個々のケースによって節税効果は大きく異なってきますから、適用前にはぜひ一度、資産税専門の税理士に試算をお願いしてはいかがでしょう。


次回は、相続税における「配偶者の税額の軽減」について、お話する予定です。どうぞ、お楽しみに。

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