日経記事;ルネサス音声処理半導体事業売却村田製作所に について - 事業・企業再生戦略 - 専門家プロファイル

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日経記事;ルネサス音声処理半導体事業売却村田製作所に について

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月29日付の日経新聞に、『ルネサス、音声処理用の半導体事業売却 村田製作所に 不採算部門を削減、マイコンに集中』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『半導体大手のルネサスエレクトロニクスは、不採算事業の削減に着手する。第1弾として村田製作所に、携帯電話などに使う音声処理用の半導体事業を売却する。

ルネサスは自動車や電子機器に搭載するマイコンでは世界シェア3割を握る最大手。東日本大震災の影響などで2011年3月期に大幅な最終赤字に陥った。主力のマイコン事業に経営資源を集中し、収益構造の改革を急ぐ。

売却するのは携帯電話などで音声を信号に変換する際に使う半導体の複合部品で、事業の年間売上高は300億円弱。部品を組み立てている長野県小諸市の生産子会社や半導体の設計資産などを譲渡する。
開発技術者や工場従業員など約650人も村田が引き継ぐ。

年内にも売却する予定で、譲渡額は今後詰める。音声処理用の半導体は特注品が多く、
通信機器メーカーなどの要望に合わせて細かく性能を変えて回路を設計する。顧客が製品モデルを切り替えるたびに一から設計し直すため、開発費用がかかり赤字が続いていた。

村田製作所はスマートフォン(高機能携帯電話)など通信機器向けの電子部品に強い。微弱な電波から信号を取り出す部品などで世界トップ水準のシェアを持つ。

主要顧客である通信機器メーカーは、製品の開発期間短縮などを狙って、様々な機能の電子部品や半導体を組み合わせて納入するよう求めている。

ルネサスの事業を買収し、これまで手薄だった音声処理用の半導体を製品群に取り込む。顧客への提案力が増し、電子部品でも大口受注を獲得しやすくなると判断した。

ルネサスの11年3月期決算は1150億円の最終赤字となった。東日本大震災で工場が被災した影響に加え、多品種少量の製品が多い「システムLSI(大規模集積回路)」と呼ばれる部門が大幅な赤字となっているため。同部門は売上高が約3100億円と全体の約3割を占める。
村田に売却する事業もシステムLSI部門の一つ。』


昨日は、パナソニックによる三洋ブランド白物商品事業の中国ハイアールへの売却についてコメントしました。
本日も、ルネサスによる事業売却に関して考えを述べます。

半導体事業は、国内企業が韓国・台湾・中国メーカーとのし烈な競争にさらされています。今までに多くの企業が撤退したり、事業売却を行いながら、集中と選択を行ってきました。

今回のルネサスの動きもその一つです。

ルネサスは、音声処理用の半導体を手始めに赤字になっている事業を順次売却し、不採算事業を縮小し、その売却益を主力のマイコン事業強化につなげる狙いです。
不採算事業を無くす選択と、マイコンに経営資源を集中させる、「集中と選択」を行う方針です。

規模を縮小して経営効率を高める狙いもあると考えます。
半導体事業は、上記の通り海外勢との戦いです。

これらの企業と戦って勝ち残るには、経営効率の向上、意思決定の速さ、主力半導体事業での競争力確保などを強く意識して事業展開する必要があります。

ルネサスは多分その必要性を感じて経営のスリム化を始めたのだと考えます。

一方、村田製作所はスマートフォンや通信機器向けの電子部品や半導体が好調で、震災後も好調な事業環境を維持しています。

ルネサスから音声処理用半導体事業を買収して、商品ラインアップを強化して顧客の多様な要望に応えるようにする方針です。

ルネサスはマイコンに集中して勝ち残る戦略を取り、村田製作所は商品ラインアップを増やして多様な顧客の要望に応えられるようにします。

両社のやり方が異なるのは、経営状況の違いです。
半導体・電子部品が好調な村田製作所と、半導体事業で赤字部門を持つルネサスとの経営戦略の違いです。

しかし、今回の売却は両社とも「Win/Win」の関係が成り立つM&Aになっています。


ルネサスは、今後も一気呵成に赤字事業の売却を進めて、マイコンで世界ナンバーワン企業を目指さないと勝ち残れません。
時間との戦いです。海外企業との競争に打ち勝つためのポイントの一つが意思決定と行動の早さです。

中小企業のように柔軟かつ合理的にスピード感をもった経営で、競合他社を圧倒することを期待します。
頑張れ、ルネサス!

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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