店舗集客とSNS-3 facebookの危機感とリクルートの焦り(前編) - Webマーケティング全般 - 専門家プロファイル

前田 勇介
スモールメディア 代表
東京都
ITコンサルタント

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閲覧数順 2024年04月23日更新

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店舗集客とSNS-3 facebookの危機感とリクルートの焦り(前編)

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店舗におけるIT利用 集客編

前回、店舗集客とSNS-2 facebookチェックインでリクルート先走り?は、

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問題4)付けてもらったコメントなどに適切に対応ができない

⇒これはどのタイプのお店にも、別け隔てなく降りかかってくる問題です。

特にfacebookに登録していないお店にとっては、顕在化していない大問題です。

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というくだりで終わりましたが、そこからの続きです。
※前回の記事をお読みで無い方は、そちらを先にお読みください。



さて、付けてもらったコメントなどへの対応ですが、

極端な話「放置する」というのもひとつの選択肢ではあります。

しかし、「美味しかったです。」「今度は友達を連れて行きたい」といったコメントだけならまだしも(もちろん返信した方が良いことは言うまでもありません)、質問であったり、ネガティブなコメントに対応せず、放置しておくのは最悪です。

クチコミ効果を期待しているはずなのに、放っておいては”負”のクチコミが広まってしまいます。


つまり普段facebookを見ていないお店の場合、気がつかないうちに悪い評判が広まる可能性がある、ということです。

これが顕在化していない問題点です。


「でも、お店ができないなら、クーポンを発行したリクルート社(以下R社)が代わってコメント管理するべきじゃないの?」と思う方もいるでしょう。

確かに筋論としては、「アリ」ですね。

これを

【R社のフォロー課題1】コメント管理・返信を代行して行う



としておきましょう。


【課題1】としたからには他にも課題を挙げる必要がありそうです。


中には、R社が作ってくれたfacebookアカウントを自分で使ってみようとやる気を出すお店もあるでしょう。

ただ、その場合もR社はお店がfacebookを使えるようになるまで、操作方法を教えたりフォローする必要があります。

これを

【R社のフォロー課題2】facebookの使い方を教える


とします。


R社は腹をくくっているのか?


上記のフォロー課題は現場の担当者からすれば、かなりな負担です。

となれば、結果は2通り、「実際にはあまり手をかけない」or「とことんフォローする」

いずれかに分かれるわけですが、普通の会社なら前者の「放置」になる確率が高いと思います。

ただ、私は基本的にR社のサービスクオリティに対する姿勢というのは、競合他社を全く寄せ付けない、「崇高」と言ってもいいレベルにあると考えています。

これは以前、私が務めていた会社(一時期R社との合弁会社を作っていた)で何度もお仕事をさせていただいた経験から確信を持って言えます。

そのR社の事なので、もしかすると、本当にやってのける覚悟があるのかも知れないとも思います。

ある前提条件を満たしていれば・・・ですが。


前提条件とは、この取組によってR社に収益が発生することです。


実はfacebookチェックインクーポン(以下fbクーポン)はお店側も無料で出せるサービスです。

ですので、有料サービスなら期待できるはずのキックバックは発生しないはずです。

また、ホットペッパー掲載店へのサービスなので、ホットペッパーの掲載料を収益として捉えることが出来るかもしれません。

しかし、オプション料金でも取るなら別ですが、あくまで間接的な収益です。

もしかすると、いずれ有料化する目録見があるのかも知れませんが、
現状、直接的な収益がなく、ボランティアでこれだけ手厚いフォローをする理由というのは、外からはうかがい知ることができません。

ひとつ考えられるのは、

R社が自社媒体からfbクーポンに顧客が流出することをかなり警戒している

ということです。

fbクーポンはかなり高いポテンシャルをもった新しい媒体です。

王者が自らの存在を脅かすニューカマーを放っておくわけが有りません。

となれば、取るべき選択肢は2つ。

・徹底的に潰す

・味方として取り込む

つまり、今回の件は後者を選び、まずは他に先んじて圧倒的シェアをとり、収益化はその後考える・・・という戦略です。


そう考えると色々と合点がいきます。

fbクーポンのポテンシャルを脅威に感じ

なにより先に市場を支配するため

現場やお店への周知が行き届かなくても独断専行ですすめる

その結果、今回のような騒動が起きた

この仮説は納得感があると思いますが、いかがでしょうか?


前回の最後に予告した「R社の焦り」とはこれを指します。



前回の予告と言えばもう一つ「facebook日本市場開拓への危機感」が残っていました。

前々回「店舗集客におけるソーシャルメディア活用-1 Facebook」の後半で、
fbクーポンが普及しない懸念について触れていますが、もしこのあたりの話を大きな経営課題として、facebookが捉えているなら、表向き好調に見えるのとは、うらはらに「危機感」も結構あるのかな・・・と思っています。

「自前では日本の中小店舗には拡販できない」と。


ところで、お店がfbクーポンを出すには、まず「スポット」のオーナー承認を受ける必要があります。

「スポット」というのはfacebookで予め用意された位置データで、お店の名前や住所などがリストになっている、まあ電話帳みいたいなものです。

そこに自分のお店が載っていれば、「そのスポットは自分の店だよ」と申請をすることができます。
(お店が登録されていなければ追加することもできます。)


で、その申請が承認されれば、自由にお店情報を編集したり、クーポンを出したりできるようになります。

それが、スポットのオーナー承認です。

このオーナー承認ですが、誰でも申請すれば自由に認められてしまうようだと困ってしまいます。

なので当然、それなりの審査があります。


実は、私も試しにオーナー申請をしてみました。

ですが、承認はされませんでした。

以下、却下された時にfacebookから届いたメールの引用です。

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お問い合わせいただき、ありがとうございます。残念ながら、必要な証明書類をお送りいただけなかったため、スポットのオーナーであることを確認できませんでした。スポットのオーナー承認を受けるには、以下のような公的な事業書類をご提出いただく必要があります。

- 公共料金の請求書
- 事業免許
- 確定申告書 (受領印のあるもの)
- 会社定款

このメールへの返信に、上記のいずれかを添付してください。

スポットについては、その場所の所有者または公式代理人の方が所定の書類を提出した場合のみ、オーナーとして認められますので、ご了承ください。

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次の記事に続く

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