日経記事;三洋白物パナソニック売却 中国ハイアールに関する考察 - M&A - 専門家プロファイル

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日経記事;三洋白物パナソニック売却 中国ハイアールに関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月28日付の日経新聞に、『三洋の白物家電、パナソニックが売却 中国ハイアールに』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。
記事の主な内容は以下の通りです。

『 パナソニックは子会社の三洋電機の洗濯機と冷蔵庫事業を、中国の家電大手、海爾集団(ハイアール)に売却する。

2011年度中をメドに日本と東南アジアにある開発・製造・販売拠点を譲渡する。パナソニックは12年1月に三洋との事業統合を控え、懸案だった重複事業を解消する。ハイアールは三洋の技術やブランドを活用してシェアが低かった日本などで事業を拡大する。

中国企業が日本の大手製造業から主力事業を買収する初のケースとなる。

三洋とハイアールが近く基本合意し、発表する。売却対象は日本と東南アジアにある三洋の洗濯機・冷蔵庫関連 の子会社や関係会社合わせて10社程度の持ち株すべて。年間売上高が約700億円の事業で、ハイアールへの売 却額は約100億円とみられる。約2000人いる従業員の大半もハイアールに移る見通しだ。

国内では全額出資子会社の洗濯機メーカー、三洋アクア(大阪府守口市)や、冷蔵庫の開発を手がけるハイアール三洋エレクトリック(東京・港)など3社が対象。同社は三洋とハイアールとの合弁で三洋が40%を出資しているが、株式を売却して合弁を解消する。

東南アジアではインドネシアやベトナム、フィリピンなどで洗濯機や冷蔵庫を製造・販売する子会社や関係会社の持ち株をすべて譲渡する。同地域では一定期間、「SANYO」ブランドの使用も認める。三洋は日本と東南アジア地域での同事業から完全に撤退する。

ハイアールの白物家電の10年の世界シェアは冷蔵庫が13%で首位、洗濯機が9%で2位。
ただ日本の電機メーカーのブランド力が強い国内や東南アジアでは販売が伸び悩んでいる。三洋は日本の洗濯機で15%、ベトナムの冷蔵庫で30%のシェアを持ち、こうした事業基盤を取り込むことで販売拡大を狙う。
三洋は中国などでも洗濯機や冷蔵庫事業を手がけるが、ハイアールが強い地域は売却の対象外とする。三洋の 洗濯機・冷蔵庫事業の売上高は200億円程度まで縮小、パナソニックとの重複はほぼ解消する。

三洋はパナソニックの子会社になった09年末から重複事業の削減に取り組み、物流、半導体、小型モーター事業などを売却してきた。重複の目立っていた白物家電事業の整理にメドが付いたことで、事業再編は大きな山を越え、蓄電池など成長事業で攻勢をかける体制が整う。

三洋とハイアールは02年に家電分野で包括提携したが、現在は冷蔵庫事業を残して協力関係を解消している。今回、冷蔵庫開発の合弁も解消することで、両社の協力関係は完全になくなる。

中国企業の対日M&A(合併・買収)としては、7月にレノボ・グループがNECと日本のパソコン事業を統合したほか、家電量販最大手の蘇寧電器集団がラオックスの子会社化を決めたばかり。日本の技術やブランド力を買収する動きが活発になっている。』


パナソニックは、三洋の買収以降事業が重複している分野や、将来性がみえない事業について見直しを行う選択作業を行ってきました。
今回、その集大成として三洋の白物家電をパナソニックに集中し、三洋の事業部門をハイアールに売却することを決めました。

事業売却するときの判断基準の一つに、その時の市場環境と自社商品の位置づけがあります。
白物家電の場合、国内市場では既に飽和状態ですが、新興国を含む世界市場でみると未だ伸びる市場です。

また、世界シェアでみますと三洋の数字は大変低く、パナソニックと重複して白物家電を持っている理由が見当たりません。パナソニック自体の世界シェアをみても4~5%です。
今後成長が見込まれる世界市場で、白物家電の事業展開をパナソニック本体に集中・強化し、シェアアップを狙うものと考えます。


この市場環境下、白物家電事業をパナソニック本体に集中すると決めたのは、極めて合理的な考えです。

記事によると、パナソニックはこれで三洋買収後の「集中と選択」作業が終わり、三洋が得意とする蓄電池事業に集中する体制が出来るようです。

かねてより、パナソニックは環境事業に経営資源をシフトし、彼らが目標に掲げる「2018年に世界の電機業界でナンバーワンの環境革新企業」の実現を目指すことになります。

大震災とその後の原発事故は、日本にとって大きな痛手となりました。
しかしながら、この逆境は、パナソニックや東芝、日立などの大手企業が、環境関連分野でナンバーワンを目指す必要性とその実現速度を加速させる原動力の一つになっています。

環境事業は、地球温暖化対策だけでなく、世界的に限られた電力供給量を効率的に、発電、送電、蓄電、消費の全ての過程で合理的・効率的に使うかという大きなニーズがあります。

このニーズは、どの地域・国からも解決策の提示が求められることを意味し、技術・商品・システムの形で供給できれば、大きな事業機会が得られます。
 
パナソニック、東芝、日立などの国内大手電機メーカーは、環境対応を主事業分野の一つにおいて活発な活動を行っています。

ただ、この分野でも、韓国、台湾、中国メーカーなどとの競争が激しさをましています。今までの事例をみていますと、国内企業が最新技術を開発しても、事業化のうまみは海外企業に持って行かれることが多。

上記大手電機メーカーへの期待は、集中と選択で行っている環境事業への対応を加速度つけて行い、自動車メーカーや住宅メーカーなどと連携して、早期にオールジャパンで商品化・事業化を達成することを期待します。

集中と選択のスピードを高めるために、M&Aや連携は有効な経営手法の一つです。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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