日経記事;低品質石炭 発電燃料に 神鋼/三菱重実用化に関する考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;低品質石炭 発電燃料に 神鋼/三菱重実用化に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月24日付の日経新聞に『低品質石炭 発電燃料に 神鋼・三菱重など技術実用化』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日本企業が低品質の石炭の利用技術を相次いで実用化する。神戸製鋼所はインドネシアの資源大手と組み、1000億円を投じて火力発電用の高品質燃料をつくるプラントを建設する。

三菱重工業は次世代の石炭火力発電向けの燃料処理技術を開発した。石炭は世界の発電燃料の4割を占める。豊富な埋蔵量がありながら使い道のなかった低品位炭の利用が進めば、エネルギー消費が急伸する新興国の需給緩和につながりそうだ。

神鋼はインドネシアのブミ・リソーシズの傘下企業などと、スマトラ半島で燃料製造プラントを建設する事業化調査に着手した。2012年に着工し、15年稼働を目指す。

「褐炭」と呼ばれる石炭から火力発電燃料をつくる。低品質の石炭は世界の石炭資源の約半分を占める。今回加工する石炭は水分を60~70%(重量比)含むため燃えにくく、熱量も低く発電には向かなかった。

生産能力は年500万トン。安価で販売することで競争力はあるとみている。ブミがアジアで販売、神鋼も自社の大型発電所の燃料として利用する。

三菱重工は開発中の石炭ガス化複合発電(IGCC)システムの前工程として、褐炭を燃料に変える設備の実証実験を12年度にも始める。
発電の排熱を有効利用する乾燥技術を開発、水分比率を半分程度に減らす。

IGCCは石炭をガスに変えて燃焼させ、排熱を再度発電に利用する技術。三菱重工は16年にも実用化する計画。これに低品位炭の利用技術を組み合わせ、褐炭の多い中国やオーストラリアなどに売り込む。』


今まで、石炭は低コストの発電用燃料として使われてきていますが、大量の二酸化炭素を発生させることや扱いにくさなどもあって、石油のように多くの発電所では使われていませんでした。(中国は環境への配慮より産業を優先しており、現在大量の石炭を使用し公害問題が起こっています。)

このような環境下、神鋼や三菱重工などの国内企業が低品質の石炭を発電用燃料に変える技術の実用化を2~3年以内に実現することは大きな意義があります。

日本のように天然資源がない新興国は、高騰する石油以外の発電用燃料として原子力を選択しています。地震がない国では、福島原発事故のような深刻なトラブル発生の可能性が低いとみており、積極的に採用する姿勢を持っています。

福島原発事故の再発生を防ぐための安全システムを確立し、運用も安全を保つために要求されるレベルの質を確保出来るのであれば、原発は発電用施設として今後も需要が見込まれますし、現実的な解の一つになります。

日本のように地震と津波が今後も継続的に起こることが予想される国では、事情が異なり、原発を新規に建設することは現時点では現実的な方法ではありません。
多分国民的コンセンサスとして、原発の使用比率は落とすことになるでしょう。

この時に有望な発電方式が発電用燃料として褐炭を利用するやり方です。
安価な点が魅力です。

(株)クリーンコールパワー研究所のWebサイトによると、IGCCは石油火力とほぼ同等のCO2排出量で石炭利用発電が可能となるのとのこと。
URL;http://www.ccpower.co.jp/igcc/dimension.html

この情報が正しければ、神鋼と三菱重工は褐炭を低価格で石油と同程度の使いやすさで発電用燃料として使える技術を近々に実用化するメドをつけていると言えます。

これは二重の意味で国内経済に貢献します。
一つは、神鋼や三菱重工の発電用装置が海外市場で売れ、輸出事業の拡大に貢献することです。国内企業が得意な環境技術で、過度な石油依存度を下げて、新興国を含む世界の発電用燃料需要緩和に貢献しつつ、CO2排出量を抑えることが可能になります。

二つ目は、国内発電所で褐炭を積極的に使える状況が整えられることです。菅首相は早急な脱原発を進め代替エネルギー源として太陽光発電などの再生エネルギーの使用比率を高めるとしていますが、どう考えても現実的なやり方ではありません。

将来的に再生エネルギーの使用比率を高めることも常識的に正しいやり方ですが、問題はコストや発電効率向上を含めた現実的な実施ロードマップが現在ないことです。

まず、上記褐炭の使用を含めた代替エネルギーに関する現実的なロードマップを作成して、国民的なコンセンサスを取ることが必要です。
褐炭利用は日本にとって大きな援軍になると考えます。

神鋼や三菱重工の早期実現に期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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