- 中沢 努
- パンセ・ソバージュ・アンド・カンパニー 代表
- 東京都
- コンサルタント・研修講師・講演講師
対象:人材育成
ローコストキャリア(LCC)と呼ばれる格安航空会社があります。
従来の航空会社よりもコストを下げた経営/運航を行うことで低価格を実現しているキャリアのことです。
消費者にとって安さは魅力ですし、それを実現させるための知恵と努力は大したものです。
でもこのLCC、とっても不思議なことがあるんです。
[ローコストを可能にするもの]
・ なるべく同じ種類の航空機を使用する
・ タラップを使用する
・ 客室乗務員が機内清掃も行う
・ 機内食を有料にする
などなど
要するに、
◆ 機体やその整備にお金をかけず、
◆ 人件費を圧縮し、
◆ 食事などの一律サービスを廃止する(欲しい人には自費で購入してもらう)
ってわけです。
確かにローコスト経営。格安というのも納得です。
では何が不思議なのか?
・・・それは「人件費」です。
(1) 従業員の人件費は圧縮
(2) だから社員の給料は高くできない
・・・ここまでは「常識的に」分かる。
問題はその次です。
(3) では社長の給料はどうなのか?
(4) 社長の給料は従業員のようにコストダウンされているのか?
だってローコスト経営するんですよ。
だったら従業員の人件費を圧縮した分、いやそれ以上に社長や役員の報酬も圧縮したらいいのに。
「従業員には厳しく」、「自分には甘く」、なんでしょうか?
・・・まあこれは企業側の問題ですから、各企業が決めればいい。
実際にそういう(社長の給料もコストダウンされた)企業もあるのかもしれません。
でも、もっと不思議なことがあるんですよ。
分かりますか?
それは、「私が持っているこの疑問、他の人はあまり持っていないみたい」ということです。
つまり・・・
★ 「ローコスト経営」なのだから社長の給料も当然「ローコスト」とは思わない。
★ そもそも、そういう発想をしない。
★ メディアや識者が与えてくれる説明で安心し、それに納得してしまっている。
受け身。
自分で考えない。
既存のものに疑問を持たない。
いやいや実に不思議です。
ところで、あなたはこれらの「不思議なこと」に気がついていましたか?
(中沢努「日常を哲学する」から抜粋)
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