日経記事;トヨタ電子手形導入1000社に要請 市場拡大に関する考察 - 経営戦略・事業ビジョン - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:経営コンサルティング

丹多 弘一
丹多 弘一
(経営コンサルタント)
山本 雅暁
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2016年12月05日更新

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;トヨタ電子手形導入1000社に要請 市場拡大に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 経営コンサルティング
  3. 経営戦略・事業ビジョン
情報・知識 ビジネス雑感

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月17日付の日経新聞に、『トヨタ電子手形導入 1000社に要請、市場拡大弾み』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。
 
記事の主な内容は以下の通りです。

『トヨタ自動車は来年1月から、電子手形(電子債権)取引を導入する。約1000社の取引先に対し、紙の手形などを電子化し、インターネット上でやりとりするよう要請する。

トヨタは印紙代などのコストを削減する一方、取引先は資金回収期間を短縮できるようになる。トヨタの導入により、日本の電子手形市場は一気に2倍以上に拡大する見通しだ。

トヨタは8月にも取引先向けに説明会を開き、取引の電子化を要請する。すでに三菱東京UFJ銀行子会社の日本電子債権機構、三井住友銀行子会社のSMBC電子債権記録と電子手形発行に向けて協議を始めている。

トヨタに続き、ダイハツ工業やデンソーなどグループ企業も電子手形発行に踏み切る公算が大きい。中核16社の取引先は約2万6000社ある。

電子手形は紛失や偽造などのリスクが少なく、印紙税や印紙代もかからないため、発行元の企業はコストを削減できる。

電子手形は受け取った企業が取引と同時に現金化できるほか、小口に分割して譲渡することもできるため、資金調達にも活用しやすい利点がある。

トヨタの導入に合せ、三菱東京UFJ銀が電子手形を担保にした資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)を組成し、低金利で資金供給する。

日本電子債権機構で電子手形を発行できる体制を整えた企業は5月末で9000社超。トヨタが発行した手形や買掛金の金額は2011年3月末で約1兆5000億円。

トヨタが取引の3割程度を電子化した場合、2000億~3000億円拡大する計算となる。』


やっと巨人トヨタが電子手形の活用を決めてくれたと感じています。

電子手形は、政府が施行した「電子記録債権法」に基づいた決済サービスです。

従来の紙ベースの手形取引に代わり、「電子手形割引」「電子手形譲渡」「期日決済」「分割割引・分割譲渡」といった多様な債権取引がパソコンやFAXによる操作で行えます。

電子手形のメリットは以下の通りです。

◆債権の割引や譲渡(従来の裏書)が、パソコンやFAX送信で行うことができる。

◆上記電子債権記録機関の記録原簿へ電子的な記録を行うことで、債権が第三者に認知化され、資金の流れが低コストで安全確実かつ迅速にされる。

◆納入企業など電子手形の受取側にとっては、売掛債権を早期に資金化することが容易になり、資金繰りの改善が可能になる。

受領した電子手形は、パソコンまたはFAXで簡単な申請をするだけで、無審査での資金化が可能。既存の不動産担保や預金担保に基づく借り入れ等に依存することなく、資金調達の選択肢が拡大します。

◆資金を受け取る決済口座は送金同様、普段取り引きしている全国の預金取扱金融機関の口座が利用可能になる。

電子手形では、支払期日の2営業日前に記録機関から売り手にFAXまたは電子メールで知らせてくれます。
銀行に出向いて取り立て依頼をしなくても、支払日に記録機関が取引に使っている口座に自動振込します。
振込決済が終わると記録機関の原簿から電子手形が消えます。

紙の手形の場合、物理的な手渡しが必要。手形割引を受けたり、支払ってもらう場合、銀行に手形を持参しなければなりません。遠隔地の企業と手形取引をする場合は輸送が必要となります。

◆受け取った電子手形を異なる額面に小口分割ができる。

1000円以上1円単位で分割することができます。電子手形の一部を割引して資金調達にまわし、残りはそのまま保持できます。さらに一部を譲渡して資金決済にあてることもできます。

◆ペーパーレスだから、従来の手形の発行保管に関するコストや印紙税の負担を削減。支払事務の効率向上につながる。

◆紙の手形は紛失・盗難リスクがない。
手形の盗難や紛失が起こった場合、盗難や紛失した手形であることを知らない第三者に手形が渡ると、もとの所持人は手形上の権利を失います。

今回の大震災や津波で多くの中小企業が手形を失ったと聞いています。電子手形だと紙の手形の紛失・盗難リスクがありません。


さらにトヨタのような支払企業は、期日現金振込・手形支払・一括決済の各支払方法を一本化ができ、事務処理コストの削減が見込まれます。


電子手形の最大メリットは、納入業者の資金調達が低コストで容易に出来ることです。
特に中小の納入業者にとって、売掛金の回収は資金調達と裏表の関係にあり、短期間に売掛金を回収できるメリットは計り知れません。
理想形は、現金による銀行振込ですが、取引額が大きい場合、紙による手形決済となります。
この紙の手形が電子化されますと、上記のように売掛金回収が柔軟にかつ効率的に低コストで出来ますので、そのメリットは非常に大きいものがあります。

紙の手形決済は、未だ国内市場で多く使われていますが、この取引を全て電子化・IT化すると、完全に紙を使わないでお金のやり取りが出来るようになります。

トヨタに続いて他の大手企業も電子手形導入を早期に決めて実施することを期待します。

国内取引は、IT技術を活用してもっと効率的に行い、生産性を上げる必要があります。
今回のトヨタによる電子手形導入がその起爆剤になって、流通やサービス業界で電子化・IT化が広がって欲しいと考えます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「情報・知識」のコラム

このコラムに類似したコラム

日経記事;"電子債権の利用急増 手形不要,1年で倍の5万社に"考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/11/27 10:13)

日経記事;電子手形の普及,三菱東京UFJ系 2社と提携 に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2010/10/16 11:13)

PC・携帯電話の世界出荷台数 長谷川 進 - 経営コンサルタント(2016/10/13 11:14)

デジタル広告問題 長谷川 進 - 経営コンサルタント(2016/10/03 09:42)

【IT活用・インターネット活用】無料経営相談会のお知らせ 長谷川 進 - 経営コンサルタント(2016/08/15 10:20)