日経記事;次世代送電網外資が参入,スイスABBや米IBMに関する考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;次世代送電網外資が参入,スイスABBや米IBMに関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月16日付の日経新聞に、『次世代送電網外資が参入 スイスABBや米IBM 電力ピーク抑制に狙い』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。


『エンジニアリング大手のABB(スイス)や米IBMなど海外のスマートグリッド(次世代送電網)構築で実績を持つ外資が日本市場に進出する。

太陽電池や風力で発電した電力を高圧直流で送電する装置などを日本向けに投入する。米欧ではスマートグリッドによるデマンドレスポンス(電力需要ピークの抑制)が電力政策の主軸になりつつある。
外資各社は日本でもスマートグリッド導入の可能性があると見て布石を打つ。

米欧各国はスマートグリッドを使って電力需要のピークを抑制する政策を推し進めている。米国はIT(情報技術)を使って各戸の電力使用状況を把握するスマートメーター(次世代電力計)をすでに1000万戸以上に設置。
エネルギー省は2020年までに全戸に普及させ電力需要のピークを2割引き下げる目標を掲げている。

欧州ではイタリア、スウェーデンがほぼ全戸にスマートメーターを設置済み。欧州連合(EU)指令は20年までに80%の世帯にスマートメーターの導入を求めている。

日本の電力政策は需要のピークに合わせて供給力を増やす考え方が中心で、需要抑制策の導入は遅れている。しかし外資各社は、今後のエネルギー政策見直しの中で「スマートグリッドが導入される可能性が高い」と見て、日本でも関連事業を展開する。

ABBは日本に「スマートグリッド事業部」を設置し、受注活動を始めた。
今後、国内で増加が見込まれる太陽光・風力発電所の設備設計から、送電網の設置までを一括で請け負う。

同社は現在の送電方法に比べ送電ロスが半分程度になる高圧直流送電(HVDC)の技術で先行している。独南西部で1000戸規模のスマートグリッドのインフラ構築を担当した実績もある。

日本IBMはIBMが持つスマートグリッドのノウハウを生かし、竹中工務店と共同で、複数の事業所の電力使用状況を一括管理し、効率よく節電する「スマートビル」事業に乗り出す。
電力使用を約3割引き下げられると見ている。

 都内の本社と首都圏の支店といった複数の事業所の使用電力状況を監視し、人がいない場所の照明を消したり、使っていないパソコンの電源を切ったりする。日本でも広域スマートグリッドが導入される可能性があると見ており、まず企業向けで実績を積む。

米ゼネラル・エレクトリック(GE)は今年度中に企業向けのスマートメーターを日本で発売する。製造業が工場の電力量を管理し、省エネに役立てる用途などを想定している。
同社は富士電機との合弁会社で家庭向けのスマートメーターを開発中だが、企業の節電意識の高まりを受け、産業用の販売を先行する。』


上記記事にあります、「デマンドレスポンス」とは、ITを使って不要不急の電力使用を抑制して需要のピークを引き下げる考え方です。
やり方は、需要が増える昼の時間帯の料金を引き上げ、需要が減る朝や夕方、夜間の料金を引き下げて需要を調整する方法などがあります。

ITを使って国内で需要抑制策が使われますと、今までの電力供給体制が大きく変わります。
今までは、国内電力会社は需要の増加に伴ってそれを満たし、安定した供給を行う体制を目指して、発電・送電の仕組みを作ってきました。

原発は、石油や石炭の化石燃料に頼らなくて済む頼もしい存在で、電力の安定供給に貢献してきました。
今のコスト計算スキームでは、石油よりも安く発電できます。

しかし、福島原発事故で状況が一変しました。
今後、原発は今以上に発電能力を増強せずに、太陽光、風力、地熱などの自然再生エネルギーによる発電比率を増やしながら日本にとってベストなやり方を探し、構築することになります。

新しいやり方を作る時のポイントは、二つです。
安定供給と低コスト化です。

日本は輸出で経済が成り立っている国です。
従いまして、国内産業、特に製造業とIT産業の維持強化は、日本経済の維持・発展の為には必要不可欠です。

電気は言うまでもなく、国内の市民生活及び産業活動のためのライフラインです。
この電気を如何にして安定的かつ低コストで発電、送電、蓄電、消費出来るか考え、その仕組みを作ることが非常に重要です。

福島原発事故後に、全ての原発を直ちに廃炉すべきだとの意見がありますが、これは国内産業を崩壊させる可能性がありますので、冷静な対応が必要です。

片一方、原発依存をこれ以上増やせない現実があります。
この状況下、より効率的に発電、送電、給電、蓄電などを行う仕組みであるスマートグリッドの導入が重要になります。

ITを使ってその時の発電量と消費量を自動計測で図り、送電、給電、給電、蓄電の最適方法を自動的に行うことがスマートグリッドです。

国内の電力会社は、現時点でもスマートグリッドに対して前向きであるとの印象は持っていませんが、今後の日本にとって必要不可欠のものです。

海外メーカーがこれに目をつけて国内市場に参入しようとしています。
大変結構なことです。

東芝、日立、パナソニック、トヨタ、ホンダ、日産、三菱などの家電や自動車メーカーがスマートグリッドを使った電気供給・消費・蓄電システムへ参入すべく積極的に動いています。

海外メーカーと競争し、或いは、連携して国内にスマートグリッド網を早期に構築することを期待します。
政府は、国内電力会社が独占している発電・送電の仕組みを変更し、スマートグリッドを導入しやすい環境を作ることが必要です。

独占からはフェアな競争は生まれません。
フェアな競争を通じて安定化してかつ低コストな電力供給網をスマートグリッドで早期に構築します。

このスマートグリッドノウハウは、東芝や日立などの国内企業の大きなノウハウになって、海外市場開拓にも貢献します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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