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日経記事;『半導体大手、最先端品へのシフト加速』に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月10日付の日経新聞に、『半導体大手、最先端品へのシフト加速』のタイトルで記事が掲載されました。本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『半導体大手がデータ記憶用半導体であるメモリー分野で、最先端の微細化技術を使った製品への生産シフトを加速する。エルピーダメモリは2012年3月末までに最先端製品の生産比率を現在の約5倍に高める。

東芝は7月中旬に最先端品に生産を特化した工場を稼働、9月には6割に高める。早期に最先端製品の量産体制を整え、投資回収を早める。

DRAMで世界3位のエルピーダは12年3月末までに、広島工場(東広島市)と台湾工場の生産能力に占める回路線幅30ナノ(ナノは10億分の1)メートル以降の最先端品の生産比率を75%に増やす。

6月末時点の比率はおよそ15%だった。DRAMで世界首位の韓国サムスン電子の最先端品比率は50%とみられ、25ナノメートルの量産開始は早くても今年12月になる見込み。
エルピーダは今年中に最先端比率でサムスンを追い抜くことになる。

エルピーダは5月に世界で初めて25ナノメートルを開発し、微細化技術の開発競争で世界の先頭に立った。同時にDRAMの回路設計を見直し、少ない工程数で生産する手法を確立した。

これにより現行世代から最先端品に量産をシフトするのにかかる設備投資を従来の3分の1~約4分の1に抑制。韓国や台湾、米国のライバル企業よりも低コストで最先端品を生産できる体制を整えた。

NAND型フラッシュメモリーで世界2位の東芝は、四日市工場(三重県四日市市)の新工場を最先端品の中核製造棟に位置付け、24ナノメートル、19ナノメートルのフラッシュ量産に乗り出す。
これまで最先端品は少量生産にとどめていたが、新工場立ち上げを機に、9月には最先端品の生産比率を一気に60%へ高める。

東芝はフラッシュの微細化技術開発で世界をけん引し、サムスンに約半年の差を付けている。ただインテルとマイクロン・テクノロジーの米国連合の追い上げなど、競争は激しい。新工場稼働に合わせて最先端品を大量生産し、海外勢に対する優位性を確保する。

半導体業界で競う韓国や台湾企業に比べて、日本企業は法人税や人件費、水や電力などインフラ費用が高い。円高・ドル安で収益が目減りするなど生産活動には逆風が吹いている。このため利幅の大きな最先端品分野の量産を加速し、収益を安定させる必要があった。』


記事によると、DRAMでは、サムスンが37%のシェアを取り、続いてハイソニックが21%、エルピーダが16%の世界シェアを持っています。

NAND型フラッシュメモリーでは、サムスンが39%、東芝が34%のシェアを取っています。

メモリー事業は、典型的な先行者利益が得られます。
最先端の微細化技術でメモリーを作り、パソコンやスマートフォンなどの高級携帯端末に使ってもらい、この技術が旬の間に売上・収益を確保するのが一番効果的なやり方です。

しばらくの間、サムスンが先行者利益を上げてきましたが、事業の見直しなどを行っている間にエルピーダと東芝が巻き返しを行い、サムスンに代わって業界トップのシェアを確保する戦略を取っているようです。

CPUの世界では、インテルが独占的な地位を確保し続けています。
パソコンやサーバーメーカーは、CPUの最先端技術を持つインテルと会話し、常に最新の新製品開発に関して情報交換し、勝者連合を組んでWin/Winの関係を維持しながら、市場を切り開いていく事業展開をしています。
お互いに開発ロードマップ情報の交換が出来、共同開発や市場導入のタイミングの調整が可能になります。
メモリーの世界では、サムスンがインテルの立場でした。
国内企業は二番手の地位にあったため、最先端企業同士の動きは少なく、常に価格下落の影響を受けやすい体質になっていました。

記事によると、エルピーダは08年度及び09年度に累積2000億円以上の赤字を計上したとのこと。

メモリーの世界では、ナンバーワンの企業しか利益を確保できないようです。
この観点からみますと、エルピーダと東芝は常にナンバーワンの地位を確保し続ける必要があります。
両社が開発先行型の企業として継続できるかがポイントです。


中小企業の場合、大手企業のように多額の開発投資を行い、常にナンバーワンの地位を維持し続けることは出来ません。

しかし、ナンバーワンの地位を確保して独占的に事業を行うやり方は大いに参考になります。
中小製造業者がニッチな市場で徹底的な差異化を行い、他社の追随を許さない事業環境を作れれば、一定の売上・利益の確保が可能になります。

医療、バイオ、環境などの成長市場である特定分野に特化した多くの中小企業が世界市場で活躍しています。
輸出も積極的に行っています。

差異化できる技術と、その技術を発揮できるニッチ市場があれば中小企業も世界市場で勝ち残れます。
例えば、ニッチ市場の発掘は、インターネット上の二次データ・情報を活用して確認・調査し、当たりをつけて潜在顧客に直接アプローチする方法などで行っています。

私も微力ながらそのような中小企業の経営支援を引き続き行っていきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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