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日経記事;次の成長へ新分野,リコー事務機収益に陰りに関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月7日付の日経新聞に、『電機の選択 第5部 次の成長へ新分野探る、リコー事務機収益に陰り』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日本の精密業界が変革を迫られている。世界シェアはデジタルカメラで8割、事務機で7割と圧倒的な強さを誇るが、市場の成長鈍化や技術革新で競争の構図が変わりつつある。

テレビや携帯電話などで日本企業の存在感が薄まる中、「最後の砦」ともいえる精密各社はどう生き残ろうとしているのか。

「今後は事務機の製造販売だけではもたない。コンシューマー分野での提携や買収を進める。」HOYAからペンタックスブランドのデジカメ事業買収を発表したリコーの桜井会長は、その狙いを「ビジネス+コンシューマー」というキーワードで説明する。

リコーの事務機の世界シェア(販売額)は約20%で2位だが収益に陰りが出ている。2008年度に米国の代理店を約1600億円で買収。欧米中心に400以上の販売拠点を手に入れた直後、リーマンショックで先進国の需要は減少。
低価格機が伸びる中国など新興国の開拓で出遅れた。

画像処理や精密機器、トナーの化学合成など先端技術の擦り合わせが必要だった事務機。デジタル化の進展でパソコンのように部品を組み合わせるだけで開発できる部分が増え、新規参入が容易になった。

10年の事務機市場は前年比8%増の290億ドル(約2.35兆円)と回復したが、08年の333億ドルには及ばない。小型・低価格のA4判複合機に限れば後発のサムスン電子が17%と世界2位に浮上した。

リコーは今後3年間で全世界の従業員の約1割に当たる1万人を削減する。第1弾として国内1600人の希望退職者を募ったばかり。
社内には赤字のデジカメ事業を拡大することへの異論もあるが、「企業文化を変えてでも消費者向けに打って出る」(近藤社長)と危機感は強い。

富士ゼロックスを傘下に抱える富士フイルムホールディングスの古森社長が最も期待する新製品は、今秋の発売を目指すインフルエンザ治療薬だ。

製薬会社買収などに3000億円弱を投じた。医薬・医療機器部門の売上高は10年後に1兆5000億円程度と事務機と同規模にする目標だ。

デジカメも成熟期に入った。カメラ映像器工業会によると、国内デジカメ各社の世界出荷金額は08年の2兆1640億円が最高で、09~10年は1兆6千億円台にとどまる。

デジカメ世界首位のキャノンは検査装置などの医療機器と、産業機器を新事業に見据える。御手洗会長は、買収と共にグループ内の技術資産の組み替えなど「編集力でイノベーションを起こす」と話す。
医療機器は15年に売上高1000億円以上、産業機器は将来1兆円以上規模に育てる予定だ。。。』


7月2日にリコーがペンタックスデジカメ事業の買収について、コラム・ブログで書きました。この時にリコーが勝ち組になれるかどうかは、世界シェアで10%以上取れるかどうかにかかっていると述べました。

私は、デジカメ事業は新興国向けの市場を考えると、未だ成長する産業と見ています。
しかし、新興国では廉価版が好まれますので、販売数量は増えても販売金額でみますと伸びない可能性もあります。

国内市場をみますと、デジカメ事業は成熟化してきています。
リコーがデジカメ事業で勝ち残るためには幾つかの課題があります。

まず、コンシューマー市場は、産業機器市場とは全く異なるものであることを理解することが必要かつ重要です。

産業機器事業は、B2Bです。
お客も市場も比較的安定しており、一旦関係が構築されますと、取引が続く傾向があります。
お客のニーズもつかみやすく、経営スピードをそれほど速く行わなくても良い製品群を持っていれば、事業運営が可能です。

コンシューマー市場の場合、最終顧客は一般消費者であり、B2Cの事業になります。
経営・事業のスピードは格段に速く行う必要があります。
デジカメ事業は競争の激しい市場で行う必要があり、新製品の開発速度や生産数量、在庫数量の決定、宣伝広告の出し方、他社状況の確認と対応、販売ネットワークに対するケアなど、産業機器事業とは質的にも量的にも全く異なる事業展開が必要になります。

リコーはこの違いをしっかりと理解して、ペンタックスデジカメ事業はコンシューマー事業に精通した専門部隊に任せて行うことが大事です。
基本的に産業機器事業のノウハウは役に立たないと考えた方が良いです。

リコーの経営陣は、デジカメ事業で勝者になるために世界シェアを如何にして大きくするか考え、実行する必要があります。更なるM&Aも一つの選択肢です。

上記二つのことをしっかりと行えば、ペンタックスデジカメ事業を買収した価値が出て来ます。

新規事業に参入する場合、成長市場を対象とすることが基本原則の一つになります。
この観点から、富士ゼロックスは既存事業で培った技術を医薬・医療機器市場に応用して、新規事業立上を図ろうとしています。

これは、得意技術を活かしながら新規成長分野で差異化を図りながら足元を固めていくやり方で、異分野市場に入る時のやり方の一つになります。

キャノンも得意のセンサー技術などを活かして医療機器を新規開拓すると共に、産業機器市場でも足元を固める戦略です。

三者三様のやり方です。
どの企業にも世界市場で勝ち残れる戦略の立案と早期実行を期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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