店舗集客とSNS-2 facebookチェックインでリクルート先走り? - SNS・ソーシャルメディア活用 - 専門家プロファイル

前田 勇介
スモールメディア 代表
東京都
ITコンサルタント

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店舗集客とSNS-2 facebookチェックインでリクルート先走り?

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店舗におけるIT利用 集客編

前回のコラムでfacebookチェックインクーポンについて軽く触れました。


私はリアル店舗への集客手段として使えるソーシャル系サービスの中でも本命候補に挙げていいものだと思っています。

ところが最近、一部でかなり話題になっている、とある騒動が起きました。

リクルート(以下R社)がお店に承認を得ないで、facebookチェックインクーポン(以下fbクーポン)を大量に掲載しているという事件ですが、そもそもチェックインクーポンて何?という方も多いと思いますので、本題に入る前に使い方をおさらいしておきます。

チェックインクーポンのあらまし

1)スマートフォンのfacebookアプリから今いる場所の近隣店舗の情報を取得する

2)近所のお店リストがずらずら出てくるので、その中のクーポン印が付いた店を選ぶ

3)ミニストップのコーヒー20円割引クーポンがあったので、それを画面上に表示

4)店員さんに見せると割引してくれる

というのが利用者の流れです。

参考までに公式ガイドへのリンクを載せおきますので、もっと詳しく知りたい方はこちらご覧下さい。
利用者向け公式ガイド
お店向け公式ガイド

最大の特徴は、クーポンを使うと、その人の「友達」に〇〇さんが△△という店に行ってクーポンを使ったことが知らされるということです。

利用者は特にレビューを書いたりする必要はなく、ただクーポンを使うだけで言わば自動投稿されるわけです。

(もちろん、書きたければコメントを投稿できます。)

ここまで聞くと、プライバシーに関する問題を気にする方が多いと思いますが、ここでは店舗集客の観点で話を進めていくので、一旦、横に置いておきます。

mixiとfacebookの相違点として、「実名登録」「実際の知人以外とは友達にならない」という運営ポリシーがよく挙げられます。

このやり方だと、拡がりは遅いが密度の濃いネットワークが形成されてゆく様子が想像されます。

そのようなつながりの中で、知らされる知人の行動。

上手くいけば、相当な口コミ効果が期待できるでしょう。

スマートフォンや位置情報、ソーシャルネットワークを活用した店舗集客の例としては、非常に分かりやすいと思います。

ここまでなら、「興味深い話」で終わるところですが、7月のはじめにその「騒動」は起きてしまいました。

リクルートの先走りとは?


概略はこうです。

ホットペッパーの掲載店舗のクーポンをfbクーポンでも掲載するというR社のオファーが加盟店に対してありました。

希望店舗に対して行うのではなく、”掲載拒否の意思を示さない”店舗に対して自動的に行うという内容です。

しかも一部の店で、その意思確認が掲載に間に合わず、知らないうちに、先行してクーポンが出されてしまった。

ざっくりですが、こんな顛末です。

詳しくは下記urlのブログに、当時の生々しい様子が描写されています。

豚組の社長さんのブログ


エーピーカンパニーの松岡氏のブログ 

ちなみに、やはり同じリクルートの「じゃらん」でも同じことが起きています。

http://www.bunn.jp/2011/07/02/3331/

上記のブログは店舗側、しかもこの取組に対してはどちらかというとネガティブな立場の方々が執筆されています。

本当は反対の意見も載せたかったのですが、寄せられているコメントやソーシャルメディア内での様子を見る限り、ほとんどネガティブな意見しか拾えませんでした。

(ちなみにユーザーサイドはかなり歓迎ムード)


ところで皆さんはR社が自分に代わってfbクーポンを作ることに対してどのように感じられたでしょうか?

立場や状況が違えば見方もまた変わってくることでしょう。

私なりにいくつか分類してみました。


【1】勝手に自分の店のクーポンを作られて困る

【2】そもそもよく分からない

【3】自分の代わりに作業をしてくれて助かる


前述のブログやソーシャルメディア内の論調は圧倒的に【1】でした。

理由としては、下記が挙がっていました。

問題1)何も把握しない状態でお客さんにクーポンを提示されては現場が混乱する

問題2)自分でできるものを頼んでもないのに作ってもらう必要がない

問題3)自分でクーポンを作ろうとしたら、先に作ってあるホットペッパーのクーポンの重複とみなされ、申請が通らなかった

問題4)付けてもらったコメントなどに適切に対応ができない

なるほど、ネガティブな反応になるわけです。

問題1)を除くと「自分で作れる」または「作る意思がある」という前提条件が付きますね。

つまり、fbクーポンの設定をできる程度のネットリテラシーがあるお店に限った理由とも言えます。

ソーシャルメディア内の論調が一様にネガティブになっている所以でしょう。

原状ではfacebookにアカウントを作っているお店というのは、全体からすればごくわずかです。

すなわち、ネットリテラシーがかなり高いお店以外はあまりfacebook内で発言をしていないので、かなり偏った論調になっていることが想像できます。


では、逆にネットリテラシーが低い層のお店はどのように反応するのでしょう?

これについては、全くの想像でしか無いのですが、おそらく【2】よく分からないが圧倒的多数を占めるでしょう。

「フェイスブック?最近たまに聞くようになったけど、ツイッターと違うの?」くらいな感覚でしょうか?

【3】はこれにポジティブなおまけのついた派生型と言えるかも知れません。

「よく分からないけど、クーポンをタダで出してくれるんでしょ?お客さんが来てくれるならいいんじゃない?」

ただ、この【2】【3】の意見の方々は、ある問題を見落としている可能性が高いので注意が必要です。


何が問題なのか?

見落としている問題とは・・・

 問題1)何も把握しない状態でお客さんにクーポンを提示されては現場が混乱する

 ⇒これは分かりやすいですね。現場に周知が出来ていない状態で先走りされては困ります。


 問題2)自分でできるものを頼んでもないのに作ってもらう必要がない

 問題3)自分でクーポンを作ろうとしたら、先に作ってあるホットペッパーのクーポンの重複とみなされ、申請が通らなかった

 ⇒これらは大問題ではありますが、【2】【3】のお店には当てはまりません。

  ですので、百歩譲ってこの問題は一旦置いておきます。

  もちろん後述しますよ(^^ゞ

 

 問題4)付けてもらったコメントなどに適切に対応ができない

 ⇒これはどのタイプのお店にも、別け隔てなく降りかかってくる問題です。

   特にfacebookに登録していないお店にとっては顕在化していない大問題です。


これからが本題なんですが・・・文字数制限に達したので持ち越し。

次回は「R社の焦り」「facebook日本市場開拓への危機感」がテーマです。

乞うご期待。




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