日経記事;リコー,ペンタックス買収発表デジカメ強化に関する考察 - 事業・企業再生戦略 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:事業再生と承継・M&A

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;リコー,ペンタックス買収発表デジカメ強化に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 事業再生と承継・M&A
  3. 事業・企業再生戦略
M&Aコンサルタントとしての活動 M&Aの事例と経営手法としての活用と課題

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月2日付の日経新聞に、『リコー、「ペンタックス」買収発表 デジカメ強化』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。
記事の主な内容は以下の通りです。


『リコーは1日、HOYAが「ペンタックス」ブランドで展開しているデジタルカメラ事業を10月に買収すると発表した。リコーはペンタックスの一眼レフの技術と販路を取り込み、新興国を中心にカメラ事業を拡大。事務機に次ぐ事業の柱に育成する。
医療機器などに経営資源を集中させたいHOYAと思惑が一致した。価格競争の激化を背景にデジカメ業界の本格再編が幕を開けた。

HOYAがペンタックスのカメラ事業を新会社として切り出したうえで、リコーが100%子会社にする。買収額は非公表。生産拠点や従業員を引き継ぐ一方で、リコーのカメラ事業も本体から新会社に移す。
医療機器などほかのペンタックスブランドの事業はHOYAに残す。

リコーはペンタックスが欧米などで築いてきた販路を取り込み、中国などの新興国でも攻勢をかける。
ペンタックスの一眼レフカメラを核に市場開拓を進め、3年後のデジカメ事業の売上高を年間1000億円、現在の両社合算の2倍弱に増やす目標を掲げた。

リコーの近藤史朗社長は「一般消費者市場の攻略は長年の課題」と強調。ペンタックスの販路を活用し、プロジェクターやプリンターなどの製品を個人にも売り込む。

リコーは2007年に米IBMのデジタル印刷機部門を約830億円で、08年には米事務機販売大手、アイコンオフィスソリューションズを約1600億円で買収。米国での事業基盤を一気に拡大したが、人件費が膨らみ収益が悪化。今年5月には今後3年間でグループ従業員の約1割にあたる1万人を削減する計画を打ち出した。

ただデジカメのように成長分野と位置付けた事業には今後も積極的に投資を振り向け、事務機以外に収益源を多角化する方針だ。

ペンタックスの前身の旭光学工業は、1952年に日本で初めて35ミリ一眼レフカメラを開発した。その光学技術には定評がある。
HOYAは07年に内視鏡など医療機器事業を強化するため、ペンタックスを買収。翌年には吸収合併したが、HOYAの鈴木洋最高経営責任者(CEO)は当初から、不採算のデジカメ部門に関して「単独では生き残れない」として売却を検討していた。』


日経記事によると、国内メーカーのデジタルカメラの国内シェアは、以下の通り。
・キャノン;20.8%
・ソニー;13.7%
・パナソニック;13.4%
・カシオ;13.1%
・ニコン;12.1%
・富士フイルム;9.9%
・オリンパス;8.7%
・HOYA;3.6%
・リコー;2.6%

リコーがHOYAのペンタックスを買収すると、シェアは6.2%に上昇します。
このシェアは、オリンパスの8.7%を下回ります。

さらに、韓国のサムスン電子が廉価版のコンパクト型で積極的な市場参入を行っており、国内メーカーとの間で激しい競争が起こっています。

デジカメ市場は、世界市場で見ますと新興国中心に拡大しつつあり、今後の大きな成長が期待できます。
新興国市場の場合、現在の売れ筋モデルは、廉価版のコンパクト型になります。

ここでの競争に勝ち残るには、シェアを可能な限り大きく取り、量産効果で製造コストを下げ、価格競争力をもって売上と利益の確保・拡大を図る必要があります。
韓国や台湾メーカーが得意とする手法です。

記事によると、1000万台以上の売上規模を持たないと勝ち残れません。国内メーカーでコンパクト型で利益を出しているのは、キャノン、ソニー、ニコンの三社はとのこと。

つまり、国内シェアで最低10%以上を持ってないと勝ち組に入れないことになります。

事業の特性や海外企業との競争を考えると、国内メーカー数は多いように感じます。
リコーが、ペンタックス買収後のシェアは6.2%です。

今回の買収は、このシェア数字だけ見ますと、勝者連合になるとは考えられません。
競合他社は、独自の商品競争力を持っています。たとえば、キャノンやニコンは一眼レフの技術で価値を出して、売上・利益の確保を図っています。

HOYAの鈴木CEOは、もっと再編が続くべきだ、今回の合意はその先駆け、とおっしゃっているようです。

市場が大きくても売上のメインストリームとなる部分が、価格競争力になる事業は、規模の確保による「残存者利益」を獲得する以外に勝者になる道はありません。例えば、半導体や液晶テレビと同じです。

可能であれば、1社で少なくとも30~40%を取る位の規模の企業を作り上げることです。
この位の規模の会社が国内に2社あって、海外メーカーと競争する状態が望ましいです。

M&Aや事業連携は、市場状況・事業構造に合わせて「勝者連合」になることが成功のポイントです。
リコーがその先兵となるかどうか判りませんが、デジカメ市場で勝者となる戦略の構築と実行が今後の国内メーカーが勝ち残れる可能性を持っています。

海外メーカーは待ってくれません。
貪欲に突き進んでいます。

経営のスピードが重要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「M&Aコンサルタントとしての活動」のコラム

このコラムに類似したコラム

日経記事;エルピーダ台湾大手と資本提携交渉統合も に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2011/12/22 13:10)

日経記事;"ルネサスを官民で買収へトヨタ/パナソニックなど"考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/09/22 10:26)

日経記事;"企業収益 復活への条件 買収と撤退、採算を向上"考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/05/23 07:58)

日経記事;"エルピーダ,米マイクロンが買収へ 3000億円支援"考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/05/06 10:57)

日経記事;"パナソニック最終赤字7800億円環境/エネ拡大急ぐ"考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/02/04 10:15)