法改正&介護給付費見直しで介護事業者の淘汰が始まる!? - 医療経営全般 - 専門家プロファイル

福岡 浩
有限会社業務改善創研 代表取締役 業務改善コンサルタント
神奈川県
経営コンサルタント

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対象:医療経営

原 聡彦
原 聡彦
(経営コンサルタント)
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閲覧数順 2016年12月07日更新

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法改正&介護給付費見直しで介護事業者の淘汰が始まる!?

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6月15日に参議院でやっと可決した介護保険法改正案は、正式には『介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律』というそうです。それはどうでもよいことですが、「高齢者が地域で自立した生活が営めるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが切れ目なく提供される『地域包括ケアシステム』の実現に向けた取組を進める」という、絵に描いた餅になりそうな説明書きが付いています。

改正法は来年24年4月に施行され、同時に介護報酬も改定される予定です。また、診療報酬も改定です。医療、介護の公定価格が変わり、新しい介護サービスの種類も増えたりするので、前回の法改正時と同様に介護事業者は混乱するのではないでしょうか。

混乱しているだけなら未だしも、事業の継続性が危ぶまれる状況も想定できます。その理由は簡単です。1つは、介護報酬(介護の公定価格)が上がる可能性は極めて低いこと、2つ目に、新たに創設されるサービスは参入規制が色々とあり、大手介護会社には有利になること、3つ目に介護と医療の連携が確実に行える事業者でなければならないことです。

3月11日に未曾有の大震災があったために、財政的見地からも復旧、復興にかける予算を考えると介護報酬だけを引き上げる可能性はほとんどないと言えます。

そのような状況下で、最近、「これから介護事業に参入したい」という方からのご相談がありましたが、私の答えは「ノー」。勿論、「Yes, You Can」と言う経営コンサルタントもいらっしゃるかも知れません。それには強力な指導と支援があるからなのでしょう。

しかし、私が「No!」という理由は、ただ1つだけです。現在、介護事業所を経営している経営者や管理者、施設長などの方々にこんな質問をしました。「来年法改正と介護報酬改定があるこの時期に、あなただったら介護事業に新規参入しますか」と。すでに5年から8年も介護事業を続けてこられた方々数人の答えは、7人中6人が「ノー」。1人だけは条件付きで参入するだろうという回答でした。それは、初期投資と当面の運転資金が十分に確保できれば、参入するかも知れないということでした。

8年前や10年前には、介護事業への参入の障壁になるような問題は少なかったから、現在何らかの介護事業所を運営している経営者は、「今やるのはリスクが大きい」と感じているようです。そのリスクとは何か。次期法改正の内容を簡単に項目だけ列記しておきましょう。

1.医療と介護の連携の強化等

2.介護人材の確保とサービスの質の向上

3.高齢者の住まいの整備等

4.認知症対策の推進

5.保険者による主体的な取組の推進

6.保険料の上昇の緩和

という6項目ですが、詳しくは『介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律』をインターネットで検索して熟読してください。既存の介護事業関係者の皆様、医療法人の皆様には特に目を通していただく必要があると思います。

6項目を列挙しただけでは無責任だと言われかねないので、1つだけ例を挙げましょう。

4番目の「認知症対策の推進」について簡単にお話します。何らかの介護事業の経営者、またはこれから介護事業に参入しようと計画しておられる起業家の方々で、この認知症についてどの程度ご存じでしょうか。「アルツハイマー」と言う言葉は知っていますとか、「認知症って、何にも分からなくなってしまう病気だ」と思っている方はいないでしょうか。

その程度ならば、介護事業への参入を考える前に「認知症」についてしっかり理解することをお勧めいたします。

最後に、改正法施行とともに介護報酬の改定も重要です。16日に『第76回介護給付費分科会』を傍聴しましたが、とても介護報酬が上がるような雰囲気ではないことだけは確かです。この先、介護給付費分科会は12月頃まで月に2回程度開催され、最終的に来年1月頃には報酬単価が決まる予定です。

その介護報酬の金額によっては、来年度以降の介護事業の運営が厳しくなる恐れもあり、介護事業をしっかり経営してきたかどうか、経営者としての真価が問われる時期が来るのではないかと思います。神奈川県のように年間300の介護事業者が指定を受けて開業しながら、そのうちの20%の事業者が翌年には廃業する現況を鑑みると、介護事業者はすでに自然淘汰される段階を迎えているのでしょう。

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