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日経記事;『有機EL技術、韓国に集積』に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月26日付の日経新聞に、『有機EL技術、韓国に集積 アルバック装置の開発拠点』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。
記事の主な内容は以下の通りです。


『液晶より高精細で消費電力が少ない有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)の最先端技術を持つ日本の企業が韓国に相次いで進出する。
製造装置をつくるアルバックは研究開発拠点を新設するほか、住友化学や宇部興産は高機能素材を現地生産する。スマートフォン(高機能携帯電話)向け有機ELパネルの量産で先行したサムスンやLGは、巨大な需要が見込めるテレビ用の開発を急いでおり、韓国で関連産業の集積が加速する。

液晶テレビなどの薄型パネル製造装置で世界最大手のアルバックは7月、海外初の研究開発拠点を韓国平沢市に新設する。有機ELは発光材料をガラスに塗布し高温で定着させる。
テレビ用の大型ガラス基板を使う場合、発光材料を均一に塗布する技術が課題となっている。

新設する「韓国超材料研究所」には半導体分野を含め技術者を20人程度置く。
有機ELではサムスンやLGと共同開発を進め、テレビ用パネルの装置受注を狙う。

東京エレクトロンは韓国華城市に50億円を投じ、研究開発拠点を建設中で2012年1月の稼働を目指す。
三原色を低コストで大型ガラス基板に定着させる「インクジェット方式」をセイコーエプソンと開発しており、実用化を急ぐ。
 
住友化学はサムスングループと合弁でスマートフォン用のタッチパネルの工場を韓国に建設する。12年1~3月の稼働予定で、投資額は190億円。デジタル製品は陳腐化が速く、素材の開発や生産もスピードが要求されるため「顧客の近くに拠点を構えることが重要」(住友化学の出口敏久常務執行役員)という。

宇部興産はサムスンと合弁で耐熱性の高い樹脂材料を生産する。新会社を8月に設立。ガラスの基板を樹脂に置き換え、折り曲げ可能なパネルの実用化につなげる。

サムスンは「5.5世代」(130センチ×150センチ)と呼ばれるガラス基板を使ったパネルの生産を6月から始めた。主にスマートフォンに採用している。サムスンとLGは13年にも「第8世代」(220センチ×250センチ)のガラス基板を使ったテレビ用パネルの量産を検討している。

ガラス基板が大きくなるにつれ製造技術は難しくなるが、克服すればコストは大幅に下がる。米ディスプレイサーチはテレビ用有機ELパネルの市場規模が17年には23億5400万ドル(約1880億円)と13年の10倍に膨らむと予測する。

半導体メモリーや液晶パネルなどデジタル家電の中核部品は、日本企業が開発で先行し、普及段階で韓国勢がシェアを奪うパターンが続いてきた。
日本の電機大手ではパナソニックやソニーなども有機ELの開発を進めているが、量産化で韓国勢に後れをとった。日本でパネル生産が始まらなければ、装置や素材などの中核技術が流出する懸念もある。』


私はこの記事をしょうしょう複雑な思いで読みました。
確かに企業論理からしますと、開発の環境が整い、需要が見込める顧客の近くで製造することが基本です。

日本と韓国を比較すると、製造コストで見た場合、韓国の電気料金は日本のほぼ半分で、中国よりも30~40%安いと言われています。

韓国は川上の素材・部品産業が弱く、多くの部分を日本に頼っています。韓国は国策として税制優遇措置なども充実してこうした分野の企業を国内に呼び込み、優位な立場を築く努力をしています。

上記有機EL関連メーカーも、韓国を中心に事業展開する計画の様です。
有機ELの中核技術は韓国に流出する可能性があります。

日本政府や官僚は、大震災後の経済復興策の中に、新規事業立ち上げ支援策を具体的に盛り込まず、基本的には増税と電気料金の値上げを行おうとしているように見受けられます。

東北地域の復興と共に、これからの日本経済を支える新規事業分野立上のための、規制緩和、事業に関する税金の値下げ、電力の安定供給と料金値下げなどの支援策も早期に実行すべきです。

国内の製造業の競争力の強化が、日本経済を支える原動力です。
輸出なしに国内経済は立ち行きません。

政治家と官僚に、今回の有機EL技術・事業が韓国に集中する事態に対する認識と今後の対応について聞きたいと思います。
特に増税を中心に考えている政治家と官僚は、今後の日本の製造業を支えていく施策について明確にする義務があります。
それが出来なければ、簡単に増税施策を発言・実行すべきではありません。

コア技術の海外流出が続けば、国内産業は衰退します。
今は、国内に最先端技術・製品を集中させ、世界市場を席巻する施策を取る必要があります。


よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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