- 中沢 努
- パンセ・ソバージュ・アンド・カンパニー 代表
- 東京都
- コンサルタント・研修講師・講演講師
対象:顧客満足・コンプライアンス研修
- 中沢 努
- (コンサルタント・研修講師・講演講師)
- 中沢 努
- (コンサルタント・研修講師・講演講師)
(注)内言=無音の心の中の言葉、エレンコス=反駁的な対話や問答
東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)とその後の原発事故(福島第一原子力発電所事故)。
学者、技術者、識者、財界人・・・。多くの人が(自分たちの)「これまでの常識を反省する」言明を行いました。
◆ でも、彼らは「本当に反省した」のでしょうか?
◆ まだ、彼らの中に「その時の言葉」は生きているのでしょうか?
そして、私たちは・・・
◆「以前の日常」に戻ってしまっていないでしょうか?
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誰もが知っていることだが、宇宙旅行に丸腰で行くことはできない。
水や空気や食物がないからだ。
この事実からもわかるように、人間は人間だけで生きることができない。
あたりまえのことだが、私たちはこのあたりまえのことを日常において忘れている。
例えば地球環境。
・科学(サイエンス)の力で環境を保護する。
・技術(テクノロジー)の力で地球を守る。
聞こえはいいが、私にはとても危うく感じる。
なぜか?
なぜなら「サイエンス」も「テクノロジー」も「人間が自然や環境を支配/操作する」という思想や意志がその根本に潜んでいるからである。
その意味において、科学や技術で地球を守るというのは50パーセントの正解でしかない。
残りの50パーセントは何か?
「人間は人間だけで生きられない」という事実を直視し、その事実にひれ伏し、謙虚になることである。
中世ドイツの神秘思想家ニコラス・クザーヌスは、“ドクタ・イグノランティア”=「知ある無知」ということを言った。
それは「人間が持つ知性の限界を知り、考えるのではなく直観することではじめて人間は神を捉えることが可能になる」という意味である。
悟性で神を理解することなどできないというのだ。
私はこれを「知性で自然を捉えることなどできない」と読み替える。
自然はただの“もの”ではない。
木にせよ、水にせよ、空気にせよ、それらがトータルに循環してはじめて意味をなす有機物である。では、自然を有機体としてトータルに循環せしめているものは何か?
それは人間ではない。
それは人間を超えた“何か”であり“超越物”であり、“神”である。
悟性で神を理解することなどできないように、人間は知性の産物である「サイエンス」や「テクノロジー」で自然をものにすることなどできないのだ。
だから私たちは自然や、自然を自然たらしめている“何ものか”をいじろうとするのではなく、ひれ伏し、只々謙虚にならねばならない。
(出典)http://profile.ne.jp/pf/pensee-tsutomu-nakazawa/c/c-46425/
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内言によるエレンコス講座は、いわゆる「読み物」ではありません。
これは「思考の練習帳」です。
「自分に」問いかけ、「自分で」考えて下さい。
【ワーク1】
上の引用箇所を読んだ感想をノートに書いてみて下さい。
【ワーク2】
地球は誰のものでしょうか?
【ワーク3】
人間は「地球に生きている」のでしょうか?
それとも「地球に生かされている」のでしょうか?
【ワーク4】
「科学(サイエンス)の力で環境を保護する」
「技術(テクノロジー)の力で地球を守る」
この2つの言葉に対するあなたの考えを述べて下さい。
【ワーク5】
あなたは「以前の日常」に戻ってしまっていませんか?
(参考)メモ「東北地方太平洋沖地震(東日本大震災2011.03.11)東京」
http://profile.ne.jp/w/c-53046/
(無断転載や無断複製禁止)
中沢努 「人間としてのコンプライアンス原論」の内容をコラム用に書き換え
※ これは、弊社が行っている教育やコンサルティング で実際に使用しているものです。
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