(注)内言=無音の心の中の言葉、エレンコス=反駁的な対話や問答
皆さんは、「そうだ」とされている“当然なるもの”を疑うってことありますか?
例えば・・・テレビや新聞で「事実」とされている「もの」や「こと」をです。
**************************************************
テレビを見ながら朝ごはんを食べる人がいる。
新聞を読みながら通勤する人がいる。
ネットで検索しながら仕事をする人がいる。
私たちはそうやって情報を得、利用し、時にはそれを他人に伝えたりする。
そういうやりとりが「現実」として眼前に現れ、それが集まり、やがて「事実」となる。
しかし、考えてみて欲しい。
テレビで見た/聞いた情報は、どこまで「本当」なのか?
新聞で読んだ情報は、どこまで「本当」なのか?
ネットで拾った情報は、どこまで「本当」なのか?
もちろん、多くの人は「全てが本当だ」とは思っていない。
しかし「全てが本当だとは思っていない」という「個人の懐疑的認識」が集まり、全体性を帯びると、「情報」は「現実」として独り歩きし、いつの間にか正当性を獲得してしまう。
結果として、テレビや新聞やネットの情報は「事実的現象」として認知され、いつの間にか“的”が抜けて「事実現象」となり、次いで“現象”が抜け、最後に「事実」となる。
それが私たちの日常だ。
(出典)http://profile.ne.jp/pf/pensee-tsutomu-nakazawa/c/c-46082/
**************************************************
内言によるエレンコス講座は、いわゆる「読み物」ではありません。
これは「思考の練習帳」です。
「自分に」問いかけ、「自分で」考えて下さい。
【ワーク1】
上の引用箇所を読んだ感想をノートに書いてみて下さい。
【ワーク2】
あなたは、テレビ(及び新聞やネット)が伝える情報が「必ずしも本当とは限らない」ということを知っていましたか?
【ワーク3】
「必ずしも本当とは限らない」と知っていながらそれを「疑わない」(疑ったとしても疑いぬかない)という人にお聞きします。
そういう自分をどう思いますか?
【ワーク4】
「事実的現象」が「事実現象」となり、最後に「事実」となっているものは、テレビや新聞やネットの情報だけですか?
その他にはどのようなもの/ことがありますか?
【ワーク5】
あなたは、「自分の日常」をどう思いますか?
また、「そういう日常を送っている自分」をどう思いますか?
(中沢努「<深く考える>序開き」から抜粋)
このコラムに類似したコラム
12か月で学ぶ哲学用語 アベラルドゥスの「概念論」 中沢 努 - コンサルタント・研修講師・講演講師(2011/10/17 18:00)
せいさつ(041)政権や政治家を変えても社会が変わらない理由 中沢 努 - コンサルタント・研修講師・講演講師(2010/07/23 09:00)
花開け 竹内 和美 - 研修講師(2013/12/10 08:55)
できる!ビジネスパーソンになる 竹内 和美 - 研修講師(2013/08/03 10:00)
思うようになるからありがたいのではないと言われるが・・・ 竹内 和美 - 研修講師(2013/04/24 23:24)