- 平 仁
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- 平 仁
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今朝、政府与党は、2015年度までに消費税率を10%まで引き上げ、
原則として社会保障の目的税とする方針を決定した。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/syakaihosyou/kentohonbu/kettei4/siryou1.pdf
今朝8時25分より国会内の院内大臣室で開催された、政府・与党社会保障
改革検討本部第4回成案決定会合において、昨年10月より議論してきた
社会保障と税の一体改革に向け、将来的に安定的な社会保障財源として
消費税を主たる財源とすることを軸に議論がなされてきたが、麻生内閣下の
平成21年度税制改正に付された附則104条が足かせになったかもしれない。
附則104条1項は、「政府は、基礎年金の国庫負担割合の2分の1への引上げ
のための財源措置並びに年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に
対処するための施策に要する費用の見通しを踏まえつつ、平成20年度を含む
3年以内の景気回復に向けた集中的な取組により経済状況を好転させることを
前提として、遅滞なく、かつ、段階的に消費税を含む税制の抜本的な改革を
行うため、平成23年度までに必要な法制上の措置を講ずるものとする。」
と規定していた。
自民党麻生内閣は直後の総選挙で政権を失い、民主党政権に誕生しましたが、
平成21年度税制改正法は法であるが故に消費税を含む抜本的な税制改正の
必要を迫られた、というわけですね。
重要な改正内容をほぼ先送りすることになった修正税制改正法案を提出した
10日の以前において、震災復興会議や社会保障改革論議は活発になされる
一方で、税制調査会は、2011年になってからは2月10日、4月13日、
6月7,8日、10日のわずか5回のみの開催であり、財源問題への本気度が
疑わしい審議日程であったことはご存知であろうか?
政治主導のため、復興会議や社会保障改革と税調とでは主要メンバーが
重複しており、税調で議論すべきこともすでに審議済みだった、という
事情も考えられようが、鳩山内閣から取り組んできた税制抜本改革を
国家戦略相、財務相を歴任しながら知らなかったわけがないですね。
14日の復興会議で配布された資料によれば、復興のための財源措置の資料は
10日提出の修正税制改正法に基づいておらず、修正前の審議内容が記載
されていましたので、財源措置をどこまで理解されるのか、甚だ疑問です。
http://www.cas.go.jp/jp/fukkou/pdf/kentou8/iio.pdf
10日提出の修正税制改正法は、重要な改正を税制抜本改革まで先送りし、
喫緊の課題のみの改正に収めていることから、近い将来、本格的な
税制改正論議が行われるはずです。
財政規律派の急先鋒である与謝野大臣が社会保障改革の陣頭指揮を
執り続ける限り、消費税増税は避けられないのでしょうし、
相続税のあり方は民主党と自民党では水と油ほどの違いがあります。
是非とも税調及び専門家委員会をしっかり活用して、将来に禍根を残さない
十分すぎるくらいの議論を国民に示して、審議を仰ぎたいものですね。
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