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税制改正法案の大修正で最高裁逆転もあるか!?

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税制改正 平成23年度税制改正

菅政権は、6月10日、3月の予算案の審議において、棚上げにしてきた

予算関連法案のうち、税制改正法案について、「現下の厳しい経済状況及び

雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する

法律案」と改名して、その内容を修正した法案を衆議院に提出した。

 

年末の税制改正大綱、閣議決定を経て提出された税制改正法案が、

大幅に修正されるのは細川政権以来だったでしょうか?

 

こういう事態が出てくると、平成16年改正の土地建物等の譲渡損失の

遡及適用を巡って最高裁で争われている、いわゆる不利益遡及立法事件の

結果にも影響を与えそうな気がしますね。

 

例えば、東京地裁平成20年2月14日判決(TAINSコードZ888-1313)では、

「自由民主党の決定した平成16年度税制改正大綱が日本経済新聞に掲載

された平成15年12月18日には、その周知の程度は完全ではないにしても、

平成15年分所得税から土地等又は建物等の長期譲渡所得について損益通算

制度が適用されなくなることを納税者において予測することができる状態に

なったということができる。したがって、確かにかなり切迫した時点では

あったにせよ、平成16年1月1日以降の土地等又は建物等の譲渡について

損益通算ができなくなることを納税者においてあらかじめ予測できる

可能性がなかったとまではいえない。」と判示し、控訴審東京高裁平成21年

3月11日判決(TAINSコードZ888-1413)でも納税者が敗訴している。

 

しかし、税制改正大綱の内容は、あくまで政府与党の見解であって、

国民の代表者である議員たちによる国会での審議を経た結果ではない。

 

いみじくも、最高裁平成23年2月18日判決(TAINSコードZ888-1572)、

いわゆる武富士事件最高裁判決における須藤裁判長の補足意見が、

「納税は国民に義務を課するものであるところからして、この租税法律主義

の下で課税要件は明確なものでなければならず、これを規定する条文は

厳格な解釈が要求されるのである。明確な根拠が認められないのに、安易に

拡張解釈、類推解釈、権利濫用法理の適用などの特別の法解釈や特別の

事実認定を行って、租税回避の否認をして課税することは許されないと

いうべきである。そして、厳格な法条の解釈が求められる以上、解釈論には

おのずから限界があり、法解釈によっては不当な結論が不可避であるならば、

立法によって解決を図るのが筋であって、裁判所としては、立法の域にまで

踏み込むことはできない。後年の新たな立法を遡及して適用して不利な義務を

課すことも許されない。結局、租税法律主義という憲法上の要請の下、

法廷意見の結論は、一般的な法感情の観点からは少なからざる違和感も

生じないではないけれども、やむを得ないところである。」

とまで判示したように、国民の権利である私有財産権を侵害せざるを得ない

租税法においては、国家の審議を経た法律がなければ課税できないのだ。

 

この度の税制改正法案の大修正は、税制改正大綱の内容がいかに脆弱なもの

であるかを露呈したものであるが、もし不利益遡及立法事件が納税者敗訴で

終わるのであれば、我々税理士は、改正されないかもしれない大綱の段階で

クライアントにその趣旨を説明をし、そのリスクを理解して頂かなければ、

税理士の専門家責任を回避することさえ許されない事態となりかねない。

 

しかも、税理士の情報提供義務については、高度の税務判断に当たるため、

税理士賠償保険の免責事項になる。いかに不条理なことであろうか。

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