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日経記事;合併審査,国際シェア重視 公取委が新指針 に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月15日付の日経新聞に、 『合併審査、「東アジア」でも判断 国際シェア重視 公取委が新指針 市場縮小なら容易』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『公正取引委員会は14日、企業合併の新たな審査指針(ガイドライン)を公表した。

企業の国際競争力強化を重視し、商品が国境を越えて取引されている場合は「世界市場」「東アジア市場」など国際市場でのシェアを重視して判断する方針を明記した。

また市場規模が縮小傾向なら合併をしやすくする。事前相談制度も廃止し、審査期間も短くする。

7月から新制度に移行する。公取委はすでに審査の始まっている新日本製鉄と住友金属工業の合併審査にも、新制度を適用する方針だ。

合併審査はまず、その企業が扱う商品と取引されている地理的範囲でのシェアをもとに進める。
今回の改正で公取委は、国境を越えて取引がある場合について、世界市場と東アジア市場の2つを例示した。

日中韓の東アジア3国で同じような価格で取引されていて、需要家が各国のメーカーから調達先を選んでいる貿易商品の場合は、東アジア市場のシェアを重視して審査する。
市場範囲を東アジアに広げれば、国内市場に比べてシェアが下がるケースが多く、合併が認められやすくなる。

2012年10月の合併を目指す新日鉄と住友金属の粗鋼生産シェアは、国内で合計40%(09年度)だが、世界では3%強にとどまる。
東アジアには宝鋼集団(中国)や武漢鋼鉄(同)、ポスコ(韓国)など新日鉄を上回る競合がひしめく。東アジアでのシェアは国内に比べて大幅に下がる。

公取委は、市場規模が縮小している場合は合併を認めやすくすることも明記した。
市場が小さくなる一方で供給余力があれば、企業合併で値上げしようとしても需要家が調達先を別の競争相手の企業に乗り換えることが可能なため。合併が競争を制限するとは考えにくいと判断する。

企業合併の届け出を受理する前の事前相談制度は、企業から「審査にかかる時間が見通しにくい」などの批判を受け、廃止する。
事前相談制度は法律で定められていない手続きだが、大型案件を中心に事実上の審査になっていた。改正後は法定審査に一本化し、審査が早く終わるようにする。

公取委は企業との意思疎通をこれまでより円滑にしたい考え。
企業から要求があれば審査の論点を説明し、審査結果は理由を含めて書面で示す。最終審査の2次審査の結果は原則公表し、先例として他の企業も参考にできるようにする。

政府は昨年6月に、合併審査の迅速性、透明性を高めるために基準を見直す方針を決定。
公取委は改革案をまとめた3月からパブリックコメント(国民からの意見)を募集し、最終案作りを進めていた。』


今回の政府決定は、今までの公取委の歴史上画期的なことであり、初めてグローバル市場の国際シェアを重視して、合併案件を独占的地位に当たるかどうか、判断する方針を決めて対応することになりました。

これは、英断であり、国内企業・経済の再強化を支援する施策として強く支持します。

日経によると公取委の合併審査改革のポイントは以下の通りです。

1.手続きを透明化
・事前相談制度を廃止
・最終審査の結果は理由含めて書面で回答

2.判断基準をわかりやすく
・東アジア市場を認定する場合を例示
・需要縮小市場では合併を認めやすく
・輸入実績がなくても輸入可能性を考慮
・類似商品による競争も考慮

3.企業との意思疎通を充実
・企業の要求に応じて審査の論点を説明
・合併を認める案件も文書で通知
・最終審査の結果を一般に公開


鉄鋼市場で考えますと、東アジアには宝鋼集団(中国)や武漢鋼鉄(同)、ポスコ(韓国)など新日鉄を上回る企業がいて、国内製造企業のシェアは高くありません。

つまり、新日鉄が住友金属が合併しても粗鋼生産シェアは、世界では3%であり、国内ユーザーが本合併から一方的な不利益を受ける可能性がほとんどゼロになります。

国内ユーザーは、いつでも海外鉄鋼メーカーから鉄を買えますので、両社の合併は国内取引の形態・条件にマイナスの影響を与えないことになります。

また、事前相談制度がなくなることにより、合併審査の過程で担当官の恣意的な思惑が入る余地がなくなりますので、透明かつ合理的な判断基準で各案件が処理され、可否の理由も含めて文書で回答されることになります。

グローバルな判断基準で、今までより短期間に審査されます。

最終審査結果も一般に公開されますので、情報共有の観点からは非常に画期的なことになります。
この公開情報は市場の参考情報として蓄積されていきますので、将来の合併案件を考えるときの社会的な判断基準の物差しになっていきます。

当然、異論があれば公開質問状も出されますので、公取委は説明責任も出て来ると考えます。

公取委は、新日鉄と住友金属の合併案件を新ガイドラインで審査するとのことであり、結果に注目しています。

国内企業は、現在グローバル市場で競争しています。この競争化、M&Aや合併は短期間に経営資源を確保・集中するための有効な手段です。
今回の公取委の対応は、国内企業の経営活動を大きく後押しするものになります。

 なお、公取委のガイドラインは、下記Webサイトでご覧になれます。

http://www.jftc.go.jp/sosiki/houreiindex.html

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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