- 増井 真也
- 建築部門代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
埼玉県川口市にて設計中の「猫と暮らす家」打ち合わせを行いました。
女性と猫の二人暮らしという、珍しい暮らし方の住宅の設計です。この住宅は敷地を囲むように作られた外壁の中に、二つの庭を持ちます。この庭は中庭と呼べば中庭だし、内部空間といえば内部空間、つまり部屋のような庭を造ることを意図しています。
玄関を入るとまず一つ目の庭に足を踏み入れることとなります。そこには自然石で作られた路地と、いくつかの小さな植栽が置かれ、木製の建具を通して内部とつながっています。玄関引き戸を潜り抜けるとそこからが内部空間です。一つにつながった暮らしの場に中心にはもう一つの庭がおかれ、その向こう側にはダイニングスペースがあり、庭をとおして家中を見渡すことができます。正面奥のちょっと背の高い部屋が猫の部屋です。水廻りなどはその両サイドのスペースに収められています。この家において暮らしの中心は決められていません。二つの庭を囲むように配置されたそれぞれのスペースで、それぞれの時間を楽しんで貰えればと思います。内部とも外部ともつかない中間領域は人の暮らしを豊かにし、何よりも人と自然とのつながりを呼び起こし、人に安らぎを与えるはずです。