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日経記事;ルネサス,共同開発に参加次世代半導体連合に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月10日付の日経新聞に、『 ルネサス、共同開発に参加 次世代半導体の企業連合始動』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ルネサスエレクトロニクスや半導体受託生産(ファウンドリー)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は、次世代半導体の製造技術を共同開発する国際企業連合に合流する。

同連合には旭硝子や信越化学工業など世界シェアの高い国内関連材料メーカーの参加も明らかになった。日本勢が主導して6月中旬から研究開発を始め、半導体や関連材料の国際競争力確保につなげる。

半導体の技術革新に欠かせない、波長が極めて短い紫外線を使う露光方式に対応した製造技術を2015年末までに開発する。

参加各社は同技術で、NAND型フラッシュメモリーやシステムLSIなど自社の半導体製品の性能向上を目指す。

このほど日本企業11社が出資して、研究開発の母体となるEULV基盤開発センター(EIDEC)を設立した。
共同開発には世界シェアで首位のインテル、2位のサムスンの参加に加え、世界中の半導体会社が顧客で10年の売上高が1兆1600億円のTSMCが合流。実質的に世界の半導体トップ3がそろった。

フォトマスク(回路原版)最大手の大日本印刷、感光材最大手のJSRまど材料各社も参加した。

茨城県つくば市の研究開発センターに各社から第一線のエンジニアを約40人集める。世界最高水準の研究開発力を持つ海外大手が加わることで、研究スピードを加速できる。

研究開発の対象はEUV(極紫外線)を使った半導体の製造技術。EUVを使った露光装置は、12年にオランダのASML社が量産技術を市場導入する。

ただ半導体の設計図であるフォトマスク、露光工程で使う感光材をはじめ、材料や装置の開発が遅れていた。

連合では、課題克服で、現行技術では製造が難しい回路線幅10ナノメートル台以下の半導体製造技術を目指す。

東芝は3~5年後には、NAND型フラッシュメモリーの量産にEUVが必要になる。単独での技術開発は巨費が必要なため、経済産業省の協力を受け、材料メーカーや海外大手を巻き込んだ枠組みづくりを主導してきた。

ルネサスは28ナノメートルより小さい回路線幅の半導体は自社で製造せず、TSMCなどに生産委託してコストを大幅圧縮する計画。他社に委託するとしても、技術が分からないと発注がが難しいため参加を決めた。
スマートフォンに搭載する最先端システムLSIの製造に応用する。』


この記事によると、今回の国際研究開発組織の発足は、東芝が経産省の協力を得て推進してきたことになります。
東芝は、半導体と環境インフラシステムに事業を集中する方針ですので、この方針のもと、他の関連企業の協力を取り付けて連合が設立されたようです。

特徴的なのは、国内関連製造業の強みの一つとなっています材料各社が参加していることです。

感光性樹脂では、JSR、信越化学、東京応化工業が参加します。世界シェアは7割。
フォトマスクでは、大日本印刷、凸版印刷などの世界シェアは5割。

フォトマスク、露光工程で使う感光材の開発が遅れているのは、国内に最先端技術を使って生産できる半導体メーカーが減り、次世代市場への参入にリスクを感じているためです。
新技術を活用した次世代半導体市場がなければ、開発費は無駄になります。

東芝は、その状況を変えるため、大口顧客となるインテルやサムスン、TSMCと交渉して、連合体への参加について同意を得ました。
東芝が次世代半導体市場のプラットフォーム作りを行ったことになります。

材料メーカーにとっては自社の優位性を維持するためのノウハウ提供のリスクがあります。
しかし、スマートフォンに代表される次世代IT製品に搭載される最先端LSIの市場は大きく、流出するリスクと、巨大市場を確保できるプラス面を評価して、参加を決めたのでしょう。

大きく成長が見込める市場参入へのためらいは、海外企業に当該市場を取られてしまうリスクもあります。

連合体に参加する以上、各社は積極的に役割を果たして、計画されたロードマップ通りに協力し合って行うことが重要です。

東芝は、この連合体が所定の成果をスケジュール通りに出せるよう中核的な役割を果たす必要があります。
中核企業の積極的な動きがない限り、大所帯の連合体は機能しません。Win/Winの関係を維持しつつチームワークで動く体制を確立・運営する必要があります。

たぶん、東芝はその必要性を十分に理解しており、連合体が期待される成果をだせるように役割を果たすと考えています。

今後大きな成長が期待できる業界での大型連合ですので、今後の進展に注目すると共に、国内企業の強みが出るように期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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