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日経記事;電力危機が生む市場技術結び,輸出産業創るに関する考察

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皆様、
こんにちは。グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

5月18日付の日経新聞に、『電力危機が生む市場 技術結び、輸出産業創る 新しい日本へ 企業再興、難局バネに(2 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。
 
記事の主な内容は、以下の通りです。

『「かつては東京電力で話題にするだけで露骨に嫌な顔をされた」。電源装置メーカーの幹部は苦笑する。

情報技術を使い地域全体で電力を効率的に使うスマートグリッド(次世代送電網)のことだ。電力供給の主導権を渡したくない東電は導入に背を向けていた。

その東電が巨大地震と原発事故で供給責任を果たせなくなった。状況は一変。電力危機に直面する需要家側が動く。

6月末、第一生命保険で「疑似スマートグリッド」が稼働する。対象は電力使用量が多い関東や東北の保有ビル約100棟。電気の流れをリアルタイムで把握し、使用量が膨らむと必要性の低い順に供給を止める。

空調や照明を短時間停止してでも、コンピューターの電源を落とさないといった管理が可能。複数のビルの連携で東電管内の節電目標15%をクリアするような設定もできる。

人工知能技術を応用してシステムを開発したベンチャー企業エービル(東京・新宿)は、「従来の発想を超えた節電を実現する」新市場づくりを狙う。
横浜市も同様のシステムの導入を決めた。

省エネ先進国の日本。技術は至る所に散らばっている。
「夏までに何とかならないか。」ガス自家発電設備を生産するIHIに問合せが相次ぐ。発電タービンには航空機エンジンン部品の低燃費技術を活用する。
社長は「発電効率の高さは世界最高標準」と胸を張る。

日本の課題解決に役立つだけではない。電力需要に供給が追い付かない新興国はいずれ日本の課題を追体験する。富士通社長は「節電型の町づくりを輸出産業に」と説く。

震災後、日本の輸出は激減した。3月は貿易黒字が前年比8割近く減り、4月は20日までの貿易赤字が7868億円。自動車や電子部品の生産停滞が直撃した。
震災は世界で稼げる分野が一部の業種に偏っている実態を浮き彫りにした。

1970年代の石油危機を機に、日本の産業のリード役は大量に燃料を使う鉄鋼、化学などから自動車や電機に移った。
世界市場を切り開き輸出立国を支えたが、これらの分野では新興国企業との競争が激しい。新興国市場の伸びを日本の経済成長に取り込む新しい産業モデルが必要だ。

省エネ、創エネ産業は発電機器や電池、制御技術など裾野が広い。その輸出拡大は「脱自動車」「脱家電」ではない。輸出産業の創出に今の日本の強みを生かす発想が求められる。

トヨタのハイブリッド車の電池は被災地で携帯電話の充電に使われた。家庭向け蓄電池は容量2.5キロワットで180万円前後と高額。
ほぼ10倍の電池を積む日産の電気自動車は補助金を使うと299万円。

量産技術に優れる自動車との連携でスマートグリッドの初期投資を減らせる余地が生まれる。

パナソニックは家庭の配線システムで世界標準を狙う。
太陽光発電が生む電気は直流。現在はいったん交流に変換後、直流に戻して使っている。新型配線は直流を曽於のまま流せ、最大3割とされる変換ロスが消える。スマートグリッドとの接続実験を繰り返す。。。』


国内企業の強みの一つに、記事に書かれているように省エネ対応力があります。脱温暖化や省エネなどの環境関連事業は、世界中で必要とされるものです。

今回の大震災後の電力供給量不足に直面しているのは、日本だけではありません。
中国、インド、ベトナムなどの新興国でも同じ課題です。

これらの地域・国では日本の省エネ技術・製品は多いに受け入れられます。
必要は発明の母といいます。

東電の発表によると大地震の後、数時間後には福島原発で炉心が炉心溶融(メルトダウン)が起こったということであり、現在稼働中或いは計画中の全ての原発の安全性を再確認・再構築する必要があることを意味しています。

現在の日本は、各地で原発の稼働に制約を受けて、どの地域でも電気供給量が制限される事態が当分続く状況です。
発電、給電、蓄電、電気消費のどのステップでも、創意工夫が求められます。そこに大きなビジネスチャンスが生まれます。

国内企業が上記ステップが差異化を確保できれば、世界中で優位性を保ったまま事業展開が出来ます。
例えば、蓄電技術や省エネ技術はこのまま既存の主力産業である自動車や家電に応用が可能であり、更に家庭用・オフイス用蓄電池への応用も可能です。

既存事業の競争力を向上させ輸出にも大いに貢献しますので、関連企業はこの機会を利用して一気に技術力を向上させる絶好の機会です。
パナソニック、ホンダ、日産、東芝などの企業が積極的に動いています。

従来スマートグリッドは国内には不要と、電力会社から言われて来ました。
これは、国内の電力供給は原子力を含めて必要量を安定的に確保して行われるので不要であるとの理由によるものでした。

しかし、震災後は状況が一変しました。
スマートグリッドはIT技術を活用することから、国内企業は米国勢に遅れを取っていると言われています。

もしこのことが事実なら、M&Aや事業連携で弱い部分を補強すれば良いのです。
例えば、東芝は5月16日、次世代送電網「スマートグリッド」に不可欠なスマートメーター (通信機能付き電力量計)製造大手のランディス・ギア(LG)を買収する方向で、 LG株の大半を握る豪州のファンドと最終調整に入ったと、新聞発表されました。

東芝は、パナソニックと並んで蓄電池やスマートグリッド対応を積極的に行っている企業です。
この様な積極性を多いに歓迎し、期待します。

環境・省エネ対応は、大きな実需があります。
国内メーカーは、企業の規模の大小に関係なく、安全・安心・環境・温暖化対応に向けて大きく舵を取って技術力・開発力を向上させましょう。家電と自動車が業界の垣根を越えて送電・蓄電技術で協業し、短期間に技術を進化させることも可能です。

この時に大事なことは、過大な投資への対応です。
1社単独では対応できないと判断した時は、他社との連携で大きな果実を分かち合う姿勢で柔軟に事業計画を作成・実施する姿勢が重要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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