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還付実例(2) ~隣のクレーマー~

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相続税還付・実例集

フジ総合グループは、18年で1,500件以上の相続税還付・減額実績を誇る相続・不動産に特化した専門事務所です。

それらの実務経験の中から、いくつか実際に還付・減額になった実例をご紹介しようと思います。本コラムをお読み下さっている皆様のご参考になれば幸いです。

 

今回は、ある地方都市で兼業農家を営まれているT様ご一家のケースです。T様ご一家は父親を亡くされての相続で、相続人は配偶者である母親、長男、長女の3人です。

当事務所へのご相談は、実家の跡継ぎとして、納税額も一番大きいご長男からで、「相続税申告を依頼した税理士さんがあまり相続税にも不動産にも明るくなさそうなので、念のために一度セカンド・オピニオンを受けてみたい」とのことでした。

 

いくつかある土地の中でも、T様が一番心を痛めていらっしゃるのが市街化区域内の住宅地域にあるA土地。なぜなら、A土地の隣には「○田△男」という、近所でもちょっと有名な人物が住んでいるのです。この「○田△男」という男、普段はテキ屋の親分のようなことをやっており、暴力団との関係も深いらしいのだが、T様ご一家がそのA土地に建物を建てる計画で造成工事を始める度に、「工事の音がうるさい!」、「工事車両が邪魔だ!」と因縁をつけ始め、工事がストップしてしまうのだそうです。

このA土地は市街化区域内の良い立地条件の場所にありながら、「○田」の執拗な嫌がらせのために建物がまったく建てられない土地、つまりは有効活用が一切できない土地となってしまっているのです。

 

もちろんT様は、相続税申告の際にも、依頼した税理士さんに相談しました。しかし、その税理士さんは困ったように苦笑いをするばかりで、結果的にA土地の評価は、高い正面路線価×画地補正×地積で算出されてしまったようです。

 

私は、まずA土地の事実関係の調査のため市役所内にある「暴力団対策室」に相談してみました。担当の男性職員は、警察のOBなのでしょうか、暴力団以上に迫力のある強面の方でしたが、「○田△男」の名前を挙げると、「聞いたことある名前だぞ…?」と言って、すぐに○暴のリストを調べてくれ、「確かにその男はリストにもあります。10年前まで○○会系暴力団の××一家に所属していた奴ですが、まだそんな悪さをしているのか…」と経歴等を詳細に教えてくれました。

 

これを受けて、事実上建物の建築が不可能であった経緯や、その原因となっている「○田△男」に関する調査結果を「評価意見書」に折り込んで、税務署に提出しました。

その結果、税務署員もきちんと調査をして裏付けを取ってくれ、当事務所の請求通りにA土地の減額が認められたのです。

A土地以外にも、土地の利用区分変更や賃借権の減価等いくつかの減額要素もありましたから、T様ご一家には約900万円の相続税が還付されたのです。

 

T様にしては、税金がいくら戻ってきたかよりも、評価額に納得がいかなかったA土地について、我々がきちんと向き合い、しっかり調査して「意見書」をまとめ上げ、その意見書を税務署側もきちんと調査して認めてくれたという事実が何よりも嬉しかったとのことで、大変感謝下さいました。

 

相続税財産評価基本通達第1章(総則)の1(評価の原則)の(3)(財産の評価)には『財産の評価に当たっては、その財産の価額に影響を及ぼすすべての事情を考慮する』と定められています。

A土地の評価にあたっては、まさにこの「評価の原則」に基づいて評価し、それを税務署も応じてくれる結果となりました。

 

皆さまが所有している土地の中で、一般的な評価方法では減額しきれない土地、今の評価額には納得できない土地等がありましたら、まだまだ減額される余地があるかも知れません。

その減額要素に、所有者自身が気づいてないケースも多数あります。

念のため、一度専門家のセカンド・オピニオンを受けてみることをお勧めします。

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