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日経記事;東芝,スイス社買収応札次世代送電網網関連に関する考察

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経営戦略 M&Aの事例と経営上の課題

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

5月10日付の日経新聞に、『東芝、スイス社買収へ応札 次世代送電網網関連 落札額2000億円前後』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。


『東芝はスイスのスマートグリッド(次世代送電網)関連企業、ランディス・ギアの売却を巡る入札に参加する。

米ゼネラル・エレクトリック(GE)など欧米企業も買収に意欲を見せており、最終的な落札額は2000億円前後になる見通しだ。
IT(情報技術)を活用して一般家庭などの電力を効率利用するスマートグリッドは、地球温暖化対策の切り札として世界の有力企業が事業化にしのぎを削る。電力計など基幹技術を握る企業の争奪戦も激化してきた。

買収対象のランディス・ギアはスマートメーター(次世代電力計)の製造大手で、1896年の創業。
世界30カ国以上に拠点を持ち、従業員数は5000人以上にのぼる。2008年の売上高は13億6000万ドル(約1100億円)。

現在はオーストラリアのバヤード・キャピタルが大半の株式を保有しているが、このほど株式売却を決め、入札を実施した。

関係者によると東芝、GEが応札したほか、米機械大手のハネウエル・インターナショナル、スイスのエンジニアリング会社であるABBなどが関心を示している。

各社ともランディス・ギアが持つ世界的な販売網や、発電・送変電システムとつなぐ通信技術などを取り込み、事業拡大につなげたい考え。

東芝は単独の応札だが、入札で競り勝った場合はファンドの産業革新機構や欧米企業と連携することも検討する。

東芝は原子力事業を経営の柱に据えてきたが、東電福島第1原子力発電所の凍結や修正が相次ぐ可能性がある。

一方、太陽光発電や風力発電を効率よく使うスマートグリッドの関連市場は拡大が続いており、東芝は電力関連事業のすそ野を広げる必要がある。

東芝は09年に、仏アレバの送変電事業を6000億円超で買収しようとしたが、仏重電のアルストムに競り負けた経験がある。

送変電システムや電力計はスマートグリッドの中核技術で、世界展開するには企業買収が有力な手段との見方は多い。』


スマートグリッドとは、日経のWebサイト上で以下のように定義されています。

「次世代送電網のこと。
IT(情報技術)を使い、電力の流れを制御する送電網を指す。家庭や工場に双方向の通信機能を持たせた電力計(スマートメーター)を設置し、電線や通信回線経由で電力使用量を把握。使用量にあわせて自動的に最適な発電量や蓄電量を調整する仕組み。
発電量が不安定な太陽光や風力などの自然エネルギーの比率を高めることができる利点がある。米欧では実証実験が始まっており、将来は電力計や送電網に付随する変圧器の更新などで巨大市場が生まれると見られている。」

図で表示しますと上記のようになります。(この図は日経のWebサイトからコピーさせてもらいました。)


中部電力は、5月9日に政府の要請を受けて、浜岡原発の4~5号機を、津波対策の防潮堤がなどが完成するまで2年程度停止することを発表しました。

東京電力及び中部電力の管内は、電力供給が制約を受けることになります。

今回の大震災が起こるまで、日本ではスマートグリッドは必要性が無いと疑問視されていました。しかし、制約された電力供給量の状況でその必要性が大きくクローズアップされるようになりました。

昨年、電力会社は「日本の電力網はすでにスマート」と言っておりました。この言葉に代表されるように、国内の電力業界はスマートメーターを使って電力需給を制御するスマートグリッドの導入には消極的でした。

供給量が制約された環境では、重要なことは電力のピーク需要の抑制であり、スマートメーターを各家庭やオフイスに設置されれば、需要側・供給側の双方が電力使用量を共有化して、きめの細かい消費量・供給量調整が可能になります。

太陽光発電、蓄電池、電気自動車、ハイブリッド車などとスマートメーターを組み合わせ、インターネットでつなげば電気使用量に合せてきめの細かい調達・供給体制の構築が可能になります。

スマートメーターを全国に配備するだけでも、1兆円以上の市場が新たに発生すると見られています。太陽光や風力、燃料電池、Liイオン電池の大量導入も数兆円規模の市場を生み出すと予測されています。

普及には政府の支援が必要です。制約された電力供給量下での経済活動の維持と、次世代新規事業の立ち上げの両立を図るために大胆に考える施策が必要です。

しかし、間違いなく次世代の国内産業の重要なコアの一つになります。

東芝やパナソニックは、この状況を理解し積極的に動いています。
今回の記事は東芝の動きについて書かれています。

国内企業は、国内だけでなく海外市場・需要を取り込む積極的な対応が重要です。
自社で持っていない技術やノウハウを短期間に取り込むには、M&Aは極めて有効な方法です。

本日の日経記事によると、東芝は今期も最高益になるとの見通しを発表しました。
エネルギー関連では、東芝は原子力に大きな投資を行い、経営の柱に育てるための施策を行ってきました。

今回の福島原発の事故で、一時的に原子力事業は足踏みする可能性があります。
しかし、蓄電池事業や今回のスマートグリッドに対する積極姿勢は、エネルギー・環境事業を事業の柱に一つにおくことを明確にしています。

東芝の積極姿勢は、国内企業対応の仕方に関する指針の一つになります。
世界的に需要が伸びる市場で、差異化可能な技術を持ち総合力で勝ち残る施策が大事です。

自社で持っていない技術やノウハウは、連携やM&Aで確保・補充していきます。

今回の買収は、東芝は多少高額になっても買い取ることが重要と考えます。
東芝の積極姿勢に期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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