日経記事;大塚製薬,結核治療で連携 ビルゲイツ財団 に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事;大塚製薬,結核治療で連携 ビルゲイツ財団 に関する考察

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皆様、おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

5月7日付の日経新聞に、『大塚製薬、結核治療で連携 ビル・ゲイツ財団と』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。


『大塚製薬が結核治療の分野で、米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏らが設立した世界最大級の慈善団体と連携する。
同団体の影響力が強い非営利の団体や基金と組むことで開発や市場開拓のリスクを軽減しながら途上国で普及可能な低価格薬の早期投入につなげる。日本の製薬会社ではまだ珍しく、他社に同様の取り組みが広がる可能性がある。

結核では世界で1年に170万人が死亡し、今も主要な死因の一つ。「ビル・アンド・メリンダ財団」系の非営利団体などと組み、大塚製薬が治療薬、同社が筆頭株主の栄研化学は診断薬を開発・発売する。

大塚製薬が協力するのはゲイツ財団などが資金援助する「結核アライアンス」。同団体には世界中の政府系機関から知的財産権や、各国・地域特有の奨励や薬剤履歴などのデータが集まる。

大塚製薬が途上国を含む世界市場向けに結核治療薬を本格開発するのは初めて。
開発の早い段階からこれらの知財やデータを活用し期間や経費を圧縮する。

大塚製薬が約9%出資する栄研化学は来夏にもゲイツ財団が資金提供する非営利基金「FIND」と共同開発した結核診断薬をインドやウガンダなど22カ国で売り出す。

これらの国では一般的に菌は顕微鏡で検出するため、1組5~10ドル(約400~800円)と手ごろな価格で提供する。

独自の遺伝子増強技術で結果は2時間以内に分かり検査精度も従来の100倍。世界保険機関(WHO)の推奨を得る手続きも進めており、4200万人分の需要を見込む。

FINDも仮想の製薬会社のような機能を持ち、様々な企業の技術や資産を持ち寄り感染症診断薬を開発する。提携企業はそうした技術や設備を有効活用することで開発効率を高められる。

結核は毎年900万人が新たに発症。従来薬効かない耐性菌も広がり世界人口の3分の1を占めるという。』


今回の動きは、国内の製薬企業が海外新市場を開拓するための施策であり注目しています。
国内製薬市場は、人口減や健康保険制度の見直しから横ばいか減少傾向にあります。さらに企業数も多く国内市場中心に事業を行うことは困難になっています。

一方、世界市場を見ますと大企業が多数存在し、簡単に海外展開できる状況ではありません。

新興国・途上国は、人口が増えており、同時に結核のような病気を持つ患者数も増えています。
記事によりますと、世界で販売する医薬品の臨床試験には、1製品で数百億円規模の投資が必要ということです。
途上国で販売する製品は投資規模の割に販売額などが小さく、1社だけでは開発の負担が大きく、かつ、確実に売れるかどうかリスクが伴います。

WHOのような世界的な保健団体や現地政府系機関などが購入をコミットする仕組みが出来れば、市場開拓が容易になります。

ゲイツ財団やWHO、或いは、現地政府は、高品質で廉価な製薬が大量に手に入れば、結核のような患者を助けることができます。
製薬会社は、顧客と市場が担保されれば安心して新薬の開発・供給をできます。

「Win/Win」関係が成立します。

今回の大塚製薬の動きは、途上国の結核患者を救済すると同時に、新規市場開拓を低コスト・低リスクで行えるメリットがあります。

エイズ対策では、米製薬大手のメルクがゲイツ財団と組んで製薬提供をしています。

国内製薬会社は、発想を変えて、需要があり確実に売れる仕組みが担保できるのであれば、積極的に対応することを勧めます。大塚製薬の事例は大いに参考になります。

1社単独では難しいですが、患者救済を行いたい事業体と連携することで、共通目的達成のための協力を得られながらリスク低減しながら新規事業を立ち上げられます。
これが連携のだいご味の一つです。

英グラクソンスミスカライン、仏サノフィ・アペンティスクなどの世界の製薬大手も、大塚製薬と同様の動きを行っているようです。

国内を中心に事業活動を行ってきた企業が、海外展開を始めると今まで経験できなかったことがノウハウとして吸収できます。
この無形のノウハウは、当該企業にとって大きな財産の一つになります。

大塚製薬も今回の新規展開を機会に海外展開を本格的に行うと考えます。
今後の動きに注目します。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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