- 平 仁
- ABC税理士法人 税理士
- 東京都
- 税理士
対象:税務・確定申告
- 近江 清秀
- (税理士)
- 平 仁
- (税理士)
小規模事業者にとっては、売上時に預かった消費税と仕入時に支払った
消費税について、領収書や請求書をすべて帳簿に記録して保存しておく
というのは、大変だろうということから、課税売上高(消費税の対象となる
売上の本体価格)5000万円以下の事業者に、簡易課税制度を認めています。
簡易課税というのは、業種によって異なる概算経費率で計算した概算経費を
課税売上高から引くことで消費税額を計算しましょうね、というものです。
つまり、原則通りに計算した場合に収めなければならない税額がいくらに
なるかは無視して、課税売上高さえ決まれば税額が出せることになります。
第一種 概算経費率90%(卸売業)
第二種 概算経費率80%(小売業)
第三種 概算経費率70%(農林漁業、製造業等)
第四種 概算経費率60%(その他の事業)
第五種 概算経費率50%(不動産業、運輸・通信業、サービス業)
業種区分は以上の5つに分類されるのですが、境目や複数業種にまたがる
事業を行う方にとっては、自分の事業がどこに当たるのか判断できず、
トラブルになるケースもあるようです。
例えば、お肉屋さんがコロッケを揚げて販売をしているケースでは、
お肉の販売は小売業ですから第2種ですが、コロッケは製造販売ですので
第3種になってしまうんですね。さらにお店で食べられるとなると、
飲食業はサービス業ですが、第4種のその他の事業になるんです。
それぞれ区別してレジを打たないと正確な区別ができないですね。
多くの業者は概算で分けている、というのが実情なのかもしれませんが。
業種区分自体がどこに当たるのかが判断できなかったケースとして、
最高裁平成18年6月20日判決(TAINSコードZ256-10431)があります。
原告の歯科技工士は、自分が作成した義歯の製造を業とする製造業だと
認識していたのですが、判決では、歯科技工所は、日本標準産業分類が
平成14年改訂前はサービス業、改訂後は医療・福祉に分類されており、
この分類に従えば、第5種のサービス業に当たる、と判断しました。
義手義足の製造は製造業だということを考えると、どこか違和感を感じる
判決なのですが、裁判所は業種区分を日本標準産業分類を参考にすることを
要求していますので、注意が必要ですね。
このコラムに類似したコラム
消費税ってどんな税?(8、酒税にも消費税が!?) 平 仁 - 税理士(2011/05/06 18:20)
逆進性についての理解 高橋 昌也 - 税理士(2012/04/13 01:00)
消費増税論議大詰め 平 仁 - 税理士(2012/03/28 11:56)
実例で考える 高橋 昌也 - 税理士(2012/03/25 01:00)
消費税は2段階で10%へ 平 仁 - 税理士(2011/12/30 11:59)