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茅野 分
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市原 真二郎
(カイロプラクター)

閲覧数順 2024年04月19日更新

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うつ病をブッとばせ!セルフ&ラインで育む会社の心の健康(7)

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  1. 心と体・医療健康
  2. 心と体の不調
  3. 疲れやすさ

(続き)・・以上のようなセルフケアに続き、職場に於けるラインケアについて考えてみましょう。社員の心の健康状態を保つために、上司や管理職は日常的にどのような点に注意しておく必要があるのでしょうか。

職場内にセクハラやパワハラ等の野蛮な行為があれば、社員の大きなストレス源になりますが、そのような極端な例だけでなく、日々の業務管理や社員間のコミュニケーションなどに細心の注意を払い、問題点が発生すれば早急に対策を考える必要があるのです。

 

第一にコントロールしなければならないのは社員の勤務時間です。過重な残業や休日出勤などの長時間労働は、社員が充分な休養や睡眠をとる時間を奪い、また規則的な食事やライフスタイルを阻害し、基本的な健康維持が難しくなります。さらに家族や友人と過ごす時間が犠牲になり、ストレスを発散させる機会も激減します。

特にひと月あたり80時間を超える長時間労働になると、必要最低限の睡眠時間さえも確保できなくなり、メンタルも含め健康状態が危惧されます。

 

それでは、そのような長時間労働さえなければ健康状態は維持されるのでしょうか。ところが現実にはそうではなく、労働時間が長くない社員にも多くのメンタル不調者が続出しています。つまり労働時間が長いことはストレス要因となりますが、それ以外にも多くのストレス要因が職場内には存在するのです。

実際に残業がやや多い社員に対して、定時の17時に仕事を終えて退社するように命じたところ、逆に社員のストレスが増えて不満を訴えた、という例も少なくありません。

 

長時間労働以外のストレス要因としては、どのようなものがあるのでしょうか。ここで世代間の意識の差によるストレス要因の違いに着目する必要があります。特に注目すべきは若い世代に於ける労働の「質的負荷」です。

20~30代の若い社員にとっては、仕事量が多いのがストレスの原因なのではなく、仕事のやり方や意義が分からなかったり、仕事に於ける自分の役割分担が不明確であることが、主要なストレス要因となっているケースが多いのです。

 

そうだとすると若い世代に対しては、単に残業時間を減らすといった量的な対応よりも、仕事の具体的なやり方や基本的な意義について丁寧に教えてあげたり、社員の役割について細かく解説してあげる、といった対応が求められています。

実際に世代毎の意識を調査した結果では、上司に求める資質として、40~50代では「リーダーシップの優れた上司」、一方の20~30代では「丁寧に教えてくれる上司」といった具合に、世代間の意識の差が浮き彫りになっています。

 

若い世代も含めて、メンタル面の不調者を多発させるような職場とは、どのような職場なのでしょうか。例えば社員の仕事量や勤務時間が長いにも関わらず活気があり、社員の満足度も高いような職場があります。

そのような職場では社員の活動に比較的大きな裁量度が認められており、また社員の貢献に対する承認の気風があるというのが共通しています。すなわち仕事はハードなものの、自分のペースで仕事が出来て、また仕事をやり遂げた時の達成感が高いのです。

 

その一方で、仕事の分量が多く勤務時間が長いだけでなく、一方的に与えられる仕事であったり、また結果を出しても社員が周囲から承認されないような職場は、ストレスがたいへん溜まりやすくメンタル不調者が多発しやすい職場といえます。

つまり仕事がハードで、なおかつ裁量度も達成感も低いような職場です。近年の傾向として、うつ病など心の病を続出させている職場の多くが、このようなパターンを示しているとされています。

 

それに対して仕事量や残業の少ない職場では、社員のストレスが少ないのでしょうか。仕事量が少なく裁量度が高いような職場は、確かにストレスを感じにくく、一見して理想の職場のように見えますが、上記のハードだが裁量度の高い職場に比べると、やる気のある社員はどこか物足りなさを覚え、少なくとも達成感は感じにくいと言えるでしょう。

さらに仕事量も裁量度も低いような職場では、仕事に対する達成感をきわめて感じにくく、虚無感さえ感じるのではないでしょうか・・(続く)

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