東日本大震災の法律問題(2)――災害弔慰金・障害見舞金制度 - 書類作成・申請 - 専門家プロファイル

鮫川 誠司
慶友綜合リーガルサービス 司法書士(簡裁訴訟代理等関係業務認定)
神奈川県
司法書士

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対象:法律手続き・書類作成

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東日本大震災の法律問題(2)――災害弔慰金・障害見舞金制度

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前回は,被災者生活再建支援制度について,取り上げました。

第2回は,災害により死亡された方のご遺族に対する災害弔慰金,災害により心身に著しい障害を受けた被災者に対する災害障害見舞金の支給制度について,取り上げます。

 

災害弔慰金及び災害障害見舞金制度について定めたのが,「災害弔慰金の支給等に関する法律」です。

 

まず,災害弔慰金は,1市町村において住居が5世帯以上全壊した自然災害等により,不幸にして,家庭の生計を維持していた方が亡くなられた場合には,金500万円が支給されます。

また,それ以外のご家族がなくなられた場合には,金250万円が支給されます。

 

受給できるご遺族の範囲は,i)配偶者,ii)子,iii)父母,iv)孫,v)祖父母です(兄弟姉妹は含まれていません)。

ただし,これらの者の全員が,同時に受給できるというわけではなく,i)配偶者がいれば配偶者のみ,ii)配偶者がいない場合には子,iii)子がいない場合には父母,iv)…というように,一定の順位に従って,受給資格が与えられることなります。

 

この災害弔慰金の受給資格を有するご遺族の範囲と順位は,民法上の相続権(配偶者とその他の親族は同順位で同時に相続人になること,配偶者以外の相続人の順位は子→孫→父母→祖父母→兄弟姉妹となる)とは,異なっていることにも注意が必要です。

 

その他にも,受給資格との関係で,注意すべき点を若干補足しておきます。

1)「配偶者」について

民法上の相続権を有する「配偶者」は,法律上の配偶者(婚姻の届出をしている夫婦関係)に限られます。

それに対し,災害弔慰金制度の関係での「配偶者」には,婚姻の届出をしていないくても,婚姻関係と同様の事情があった方(いわゆる内縁の配偶者)も含まれます。

2)安否不明の場合について

今回の東北地方太平洋沖地震においては,大変残念なことに,震災から1箇月半以上経過してもなお,安否が確認できない方も大勢いらっしゃいます。

その場合でも,震災から3箇月を経過すれば,申請により,災害弔慰金は支給されることになっています。

 

次に,災害障害見舞金は,上記の災害弔慰金の支給対象と同様の自然災害により,不幸にして,i)両眼失明,ii)咀嚼及び言語機能の喪失,iii)常時介護を必要とする心身の障害が残った,等の重い障害を受けた方に対して,災害弔慰金の半額(生計維持者250万円,その他の方125万円)が支給されるものです。

 

具体的な申請手続きは,災害弔慰金・障害見舞金ともに,前回取り上げた被災者生活再建支援金と同様,「市町村」の窓口において行うこととなります。

特に,今回の大震災により,心身に何らかの障害が残ってしまったという方は,医療機関に相談されるとともに,災害障害見舞金の対象となる重度の障害に該当しないか,市町村の担当窓口にもご相談されることをお勧めします。

 

ところで,大切な家族・大好きだった家族の生命や存在は,決して,お金であがなえるものではありません。

ただ,生き残った人間には,生きられなかった人を弔い,偲び,そして,その人の分まで生きる責任があるように思います。そのためには,今日は無理でも,いつかは,前を向いて,一歩を踏み出すべき時が来るはずです。

災害弔慰金制度は,そのために,大好きだった家族が,生きなければならない自分に遺してくれたもの――そう思うことは,できないでしょうか。

 

裁判事務専門の「慶友綜合リーガルサービス」

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