市街化調整区域(構造的理解) - 不動産相続 - 専門家プロファイル

竹内 敬雄
IAC総合不動産鑑定 不動産鑑定士
不動産コンサルタント

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対象:遺産相続

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市街化調整区域(構造的理解)

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皆様方が以外と知らない市街化調整区域の実態を出来るだけ分かりやすく書きます。

定義;市街化調整区域とは市街化を抑制する区域で、都市計画法上で、ほぼ対立する概念として市街化区域がありますが、これはおおむね10年以内に市街化を促進する区域であります。

 ちなみに都市計画法では都市計画区域内は市街化区域と市街化調整区域と非線引き区域(正式には区域区分が定められていない都市計画区域)があります。

 ちなみに2000年までは非線引き区域は未線引き区域と呼ばれていました。これは、当時の都市計画法が必ず市街化区域か市街化調整区域かに必ず線引きされるべしという原則を保持していたからで、

2000年の改正によりそれが無くなり、県及び市町村が意思を持って線引きしないという非線引きを選択できるようになったものです。

 更に余談ですが、市街化区域は国土の約3.9% 市街化調整区域は国土の約10.3% 非線引き区域は国土の約11.5%を占めています。

 余談が長くなりましたが、さらに余談です。行政によって、市街化調整区域が多い自治体と非線引き区域が多い自治体があります。

これは自治体のマスタープランや開発に対する考え方、地域の実情や特性によってまちまちであります。そういった背景と地方分権の流れの中、

市街化調整区域の開発許可やら許可基準の運用までが各自治体に任されているのが現状であります。

従って、その許可基準や運用は各自治体によって幅のある運用がされています。

 

 ようやく本論ですが、開発許可制度の中に市街化調整区域の規制があるので

まず開発許可制度の主旨から説明します。

 これは都市の周辺部における無秩序な市街化を防止するために、都市計画区域を「市街化区域」と「市街化調整区域」に区分した目的を担保する。

つまり緑地として残すところと宅地として開発するところを明確に区分するということです。

 更に都市計画区域内の開発行為について公共施設や排水設備等必要な施設の整備を義務づけるなど、良好な宅地水準を確保する。つまりちゃんとしたインフラが無いと許可しませんと言っている訳です。

 まず全国適用される都市計画法上で市街化調整区域に関係するところを拾っていくと

29条・33条・34条・42条・43条ですが、

まず、29条において開発行為をしようとするものは原則として都道府県知事の許可が必要であるとし、不要なものを限定列挙しています。その中で市街化調整区域については、農林漁業の施設や住居を建設するための開発行為も不要とされています。

33条においてその際の都道府県知事の許可については道路や給排水施設等の技術的基準について条例等で強化することができるとしています。

34条において市街化調整区域内においては開発行為を行う場合は限定列挙されている立地でしか開発を許可してはならないとなっています。14号まで限定列挙されています。

(限定列挙には非常に抽象的な書き方が含まれており、ここに各自治体が条例で運用する幅が残されています)

通常は各県において包括基準・個別基準という形で更に自治体では条例でそれぞれの詳細をある程度決めています。それを超えるものについては開発審査会の判断に委ねるというのが通常の流れです。

 通常開発行為といわれるものは「主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更」と定義されています。つまり造成したりすることで、建物単独の新築は通常入りません。

 ところがそのまま市街化調整に適用すると市街化を抑制するという主旨が形骸化してしまいます。

そこで42条では開発許可を受けた土地では許可された用途以外の建築物は認めないという主旨で制限しています。各条文がセットで効いてくる感じです。

 次に43条では開発許可をうけていない土地における建築物の新築や用途変更は原則許可を受けなければならないと規定している。許可不要の要件が限定列挙で国などが行う建築行為などが挙げられています。

 市街化調整区域で一番多かったのが従来「既存宅地」と呼ばれる市街化調整区域として区域区分される前から宅地として利用されていた土地は既得権として自由に以前の規模・用途と同等であれば建築を許可されるという制度があったのですが、2000年にこの「既存宅地」の制度が廃止されその経過措置期間も終了し、各自治体の運営に任されるようになりました。

 ちなみに今日調査した成田市では既存宅地であったことが証明出来れば従来のように認めるそうであります。又、市街化区域の境界から1.1km以内で半径150mの範囲内に40戸以上の建築物が存在するか、55m以内の範囲で40戸以上の建築物が連たんしていれば、市街化調整区域に所在していても二低専の用途に適合する住宅は建てられます。

 つまり、市街化調整区域でも建物は建てられるのです。

 これも余談ですが、ある自治体で調査していたのですが、土地の所有者が偽の航空写真で既存宅地であることを証明しようとしたらしく、結局その写真が偽であることが自治体にばれて、既存宅地であることを取り下げたということがありました。

 建物を比較的自由に建てられる土地であるか否かによってその価値は大きく違いますからね。

 さらに余談ですが、この市街化区域か市街化調整区域か非線引き区域かの線引きによって土地の価値はは大きく違ってきます。政治家のちからで二束三文の土地がすごい価値になるなんていうことは一説によると田中角栄なんかはよくやっていたようですね。まさに土地の錬金術です。

 さらに余談ですが、不動産鑑定士で不当鑑定とかで捕まるのもこの手の開発からみが多いのです。

現状がただの山林か開発出来る宅地見込み地かで価値は一桁以上違ってくるからです。

 以上条文を中心とした構造的理解のような感じで難解なものをなるべく分かりやすくしたつもりですが、分かりにくかったら私の力不足です。

 今日も最後までお読みいただいてありがとうございます。

 

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